ケイ・オプティコムが新料金・新サービスを発表 ━━いまだに解決しないmineo「iOS8接続問題」石川温のスマホ業界新聞

» 2014年12月26日 12時30分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 12月18日、ケイ・オプティコムは、MVNOサービス「mineo」の新料金、新サービス発表会を開催した。格安スマホブームの中、各社で料金値下げが相次いでおり、早くも消耗戦に突入している。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年12月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


 そんななか、ケイ・オプティコムでは「ユーザー調査をしてみると、1GBプランに収まる人が圧倒的に多い。他社が2GBプランにシフトしていくなか、ケイ・オプティコムでは1GBプランを中心に展開していきたい」(担当者)として、これまで1GB980円だったプランを1GB850円にすることを明らかにした。また「価格よりも品質。ピーク時間帯は遅くなることもあるが、快適に使ってもらえるようにやっている。ユーザーが増え、トラフィックを増えた分、増強している。安かろう、悪かろうにはならないようにしている」として、品質面を強化し、「安心して使ってもらえるようMVNOを目指す」(担当者)とした。

 KDDIネットワークが使える初めてのMVNOとして、すでに4.2万契約を抱えるまでになった「mineo」であるが、やはり「iOS8で使えない問題」は尾を引きそうだ。実際、ケイ・オプティコムは発表会の冒頭に「iOS8の非対応の状態は変わらない。KDDIとアップルに要望を出している。最新OSでmineoを使いたいというお客様に申し訳ない。今後、開示できる情報が出てくれば、お知らせしたい」と陳謝するところから始まった。ケイ・オプティコムとしても「Appleと話をしても、情報の開示という部分では、iPhoneに独自仕様があり、難しい状況」(担当者)といい、原因究明もできていないようだ。

 mineoが始まり、我先にと飛びついたiPhoneユーザーとすれば、mineoに対して、品質面での信頼はなく、安心感も抱けない。iOS8問題発覚後もSIMフリーiPhoneを調達し、mineoを契約したユーザーもおり、「色々と批判もいただき、申し訳なく思っている。できる範囲のことはやったつもりだったが、もっとしっかりユーザーに伝えなければいけなかったと反省している。今後、iPhoneに対するスタンスも考えないといけないかも知れない」(担当者)と平謝りだった。

 mineoはデータ通信においてはKDDIの4G LTEしか接続しないため、そこが原因なのではないかという指摘もある。KDDIのiPhoneが問題なく使えているのは、3G網にも接続できているからという理由だ。mineoも3G網に接続すれば、iOS8で使えそうなものだが、担当者は「確かに、使える可能性はあるが、サービス開始当初に4G接続のみにすると決断したし、3Gに接続するとなると設備投資も必要となるため、現状は対応するつもりはない」と語った。

 確かに、料金競争が過熱する中、値下げにも踏み切るなど、これ以上の設備投資は厳しいのかも知れない。iOS8問題で、ユーザーの信頼を失う中、「Android専業で行く気はないのか」という質問に対しては「やはり、日本ではiPhoneユーザーも多いことですし」と、何とかiPhoneでも使えるようにしたいという思いはあるようだ。ただ、ここ最近におけるKDDIのネットワーク戦略を考えると、iPhoneでVoLTEが使えるようになったら、次期iPhoneは3Gに接続することなく、4G LTEのみに接続するという仕様になる可能性も考えられる。

 そうすれば、ケイ・オプティコムやUQモバイルでもiOS8(そのころはiOS9になっているかも知れないが)が使えるようになることも考えられる。いずれにしても、アップルの考え方次第で、MVNOのサービスが突然使えなくなり、ユーザーが路頭に迷うという状況は何とかしてもらいたいものだ。

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