インタビュー
» 2015年04月14日 09時25分 公開

橋本氏に聞く――イオンがスマホ事業に参入した理由と春夏モデルの狙い (2/2)

[石野純也,ITmedia]
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初心者に配慮したサポートも充実

―― 春夏モデルと合わせて、サポートの拡充もされました。年齢層の高いユーザーが多いということもあって、サポートはなかなか大変なのではないでしょうか。

橋本氏 当初から、有償ではありますが、お客様サポートは設けていました。その問い合わせ内容を分析すると、操作に関するものが45%、初期設定、メール、その他アプリも含めると71%になり、プリインストールアプリについてまで含めると77%になります。つまり、4分の3は本当に初歩的なご質問が多いということです。

 そういうことに対しての電話サポートはやっていますし、今回、京セラさんの機種については、初歩的なガイドブックを作成していただきました。初歩的なお問い合わせが多いので、これが半分になればいいと思っています。好評であれば、もっと進めていきたいですね。

photophoto KYOCERA S301向けのガイドブック

 今回、「お客さまセンター」も開設しました。これは、サポートセンターではなく、店舗や本社のサービス部に直接電話してくることが非常に多かったからです。それだけお問い合わせが多いのであれば、専用ダイヤルを設けた方がいいという判断です。

 サービス面は、もっと充実させていかないといけないと思います。先ほど申し上げたトレードオフはあくまでスペックや機能についての話で、サービス的にはかなりのものを提供したいという思いがあります。むしろ、もっともっとハイサービスにしたいぐらいで、聞いてもらえれば全部答えられるようにしていきたいですね。例えば、G.G世代の方は電話だけだと難しいということもあります。そういったところに、リモートで操作していくようなことも、やろうとしています。

―― 店舗でのサポートはいかがですか。

橋本氏 もちろん来ていただければ、ご質問は受け付けます。ただ、電話で済ませたいという方や、興味はあるけど支払い方法はどうしたらいいのというような、もっと前段階のお問い合わせも相当数入ってきています。

―― それだけ反響が大きいと、店舗にユーザーが殺到して大変なことになっていたりはしないのでしょうか。

橋本氏 携帯売り場の中には、自前の従業員をかなり入れています。キャリさんのヘルパーばかりだと、こんなこと(イオンスマホの販売)はできません。

―― スマホ教室のようなことはやられているのでしょうか。

橋本氏 今、中部地区でやっていますが、やはり盛んです。真剣度合いが違いますね。休憩しましょうと言っても、したがりませんから(笑)。講師がマンツーマンでついて、5人から20人ぐらいでやっています。告知は売り場でしたり、チラシを配ったりしていますが、これがかなり好評です。場所や人員確保などいろいろありますが、私どもはこれがネットとの大きな違いだと思っています。リアルであればこそ、かゆいところに手が届くのだと思います。

―― 今回、スマホとは別にタブレットも春夏モデルにありましたが、そちらについてのお考えをお聞かせください。

橋本氏 「学研がんばるタブレット」は、けっこう行くんじゃないかと思っています。今、学研さんの教室に通われている方が20万とお伺いしていますが、これは私どもの独占販売です。そのうちの何%かが使えば、そこそこの数になります。当然、学研さんの教室でも、イオンで売っているということを告知していただけて、お互いにメリットのある取り組みです。

 学童と言うと、ランドセルや学童文具でもイオンは日本一です。そうしたところに向けての販売チャネルを提供することには、力を発揮できます。小学生、中学生は普段からイオンに来ますからね。自社の強みとするところを生かせるマーチャンダイジングですし、来店客のもともとのニーズとも合っています。

photo 学習コンテンツをプリセットした「学研がんばるタブレット」

取材を終えて:端末によって料金プランが変わるのは少々不便

 イオンスマホは、「格安スマホ」という言葉を広めた立役者の1つといえるだろう。橋本氏が述べていように、全国津々浦々で展開しているイオンに、SIMロックフリーの端末が流通するインパクトはやはり大きい。ラインアップを拡大し、端末のバリエーションも広げていることもあり、さらなる拡大も期待できる。特に、日本メーカーのメジャーなブランドを持つ端末を取りそろえてきた点は、イオンにとって大きなプラスになりそうだ。販売実績が高くなれば、メーカーやMVNOにとってもイオンの重要性が増し、さらにラインアップが魅力的になるという好循環が生まれるかもしれない。

 一方で、気になった点を述べておくと、端末とMVNOが一対になっているという販売方法が、やはり少々不便であることは否めない。端末によって、通信料や通信容量が変わってくるからだ。春夏モデルの発表にあたって、橋本氏はVAIO Phoneの魅力に定額通信プランを挙げていた。一方で、Xperia J1 Compactはおサイフケータイをはじめとする機能が売りだという。だとすれば、これを1つにまとめてほしいというユーザーもいるはずだ。今はスマートフォンに詳しいユーザーが少ないため、そこまでの不満は出ないのかもしれないが、今後そうした声が高まる可能性はある。

 とはいえ、イオンスマホはまだ始まって1年がたったところ。橋本氏の言葉からも分かるように、結果は常に次のラインアップにフィードバックされている。今後、ラインアップがどのように進化してくのかも、期待して見守りたい。

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