FREETELブランドで端末とMVNOサービスを販売するプラスワン・マーケティング。2015年は「SIMフリーキャリア」を目指してブランドを刷新し、端末・MVNOサービス両面で魅力的な商品開発に励んできた。その取り組みは、市場でおおむね良好に受け止められ、そのことを足がかりとして海外展開も着々と進めている。
SIMロックフリー端末やMVNOサービスの競争が激しくなりつつある中、FREETELは2016年をどう戦い抜くのだろうか。1月14日、増田薫社長が戦略発表会で語った内容から探っていきたい。
まず、増田社長は2015年を振り返った。
FREETELブランドにとって「基礎を築いた年」だったという2015年は、端末とMVNOサービスの両方を手がける「SIMフリーキャリア」として、ブランドを「freetel」から「FREETEL」と改め、「Made by JAPAN」というフレーズで“日本発”であることを強くアピールするようになった。それと同時に、端末・通信・店舗・サポートをワンストップで提供できる体制を整備し始めた。
端末はローエンドからハイエンドまでラインアップを拡充する戦略を取り、海外での販売も本格的に開始した。SAMURAIシリーズの「雅(MIYABI)」「極(KIWAMI)」は初回入荷分が先行販売開始日に完売するほどの人気を集めた。BCNランキングの2015年11月30日発表の週次売上データでは、FREETELが日本メーカーとして初めてSIMロックフリー端末でシェア1位を達成したという。
海外販売では、カンボジアの通信事業者「seatel」に供給した「Priori2 LTE」が発売から3週間で完売するほどの人気を集めた。今後、seatelでは極や「Priori3 LTE」も取り扱う予定だという。
海外のWebメディアでFREETEL端末が紹介されることも増えたという。その中で、増田社長は中国のあるメディアでFREETELが「日本のXiaomi(小米)か?」と紹介されたことに触れ、「SAMURAIシリーズを出してから10年で、日本メーカーとして世界一になるという目標は変わっていない。日本代表として、Xiaomiを早く追い抜けるように頑張る」と決意を表明した。
通信サービス面では、レイヤー2(L2)接続によるMVNOサービス「FREETEL SIM」を開始した。「安かろう悪かろうにしないために、爆速にこだわった」(増田社長)こともあり、ヨドバシカメラでは発売から6カ月連続で格安SIMの売上第1位を保っている。L2接続によるサービス設計の自由さを生かして「FREETEL SIM for iPhone/iPad」や「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」といった派生製品も発売した。
Prepaid Data SIM for Japanは、訪日外国人向けのプリペイドSIMカードで、特定のSNS・コミュニケーションサービスのパケット通信に課金をしないことが特徴だ。そのこともあってか、海外のWebメディアなどで多数取り上げられ、12月の発売後すぐにヨドバシカメラの訪日外国人向けプリペイドSIMカードの売上第1位になったという。世界各地に設置した支社・支店での販売も強化していくという。
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