Omoidoriは基本的にL判プリント用だが、本体をずらして2回撮って合成することで2L判まで対応できる。
また、スキャンした写真から好きなものをピックアップして簡単な写真集にしてくれるサービスとも連動している。
これで撮った写真は、最終的にiPhoneのカメラロールの「Omoidori」アルバムにまとめて記録されるようになっているので、他のアプリで使うこともできる。
iPhone用のさまざまなアプリを使って、レタッチしても良し、加工しても良し、SNSに上げてもOKだ。
これは面白い。面白くて簡単なので、写真専用にするのももったいない。
というわけで、大正15年(1926年)の東京の古地図を2Lサイズ機能を使ってスキャンしてみた。
細かい文字もなんとか読めるレベル。これは良いかも。
読者の方の多くは「最近の写真はデジタルだけど、古い写真はみなアナログのプリントだけ」という状況のはず。Omoidoriがあれば古い写真も簡単にデジタル化できるので、全部デジタル化しちゃって、あらためてピックアップしてプリントしたり、家族で昔を懐かしんだり、その他もろもろ、古い写真をスキャンし始めたら止まらないという「恐ろしい」アイテムなのだ。
単4電池2本で動くシンプルで軽量かつ折りたたみ式の設計なので、実家へ帰るときに持っていって、片っ端から古い写真をスキャンするなんて使い方もおすすめ。
昭和40年代の名鉄パノラマカーと筆者。撮影場所が不明だったのだが、Facebookで友人らに尋ねたら、マニアな人が「豊橋駅」と特定してくれた。なぜこれだけで分かるのか分からないが、たぶんそうである。これも、デジタル時代ならではなのかもしれない。
(Plusを除く)iPhoneユーザーのみなさま、ぜひOmoidoriで黒歴史なり白歴史なりを発掘して顔を赤らめたり懐かしんだりしてくださいませ。
Omoidoriを開くと、中にLEDライトが4つ(左右2つずつ)、単4電池2本、そして鏡が入っている。
LEDライトで照らされた写真は、鏡に反射しiPhoneのカメラで撮影される。
ただLEDライトで照らしただけでは、ライトが当たった箇所がテカってしまうので、左だけ、右だけとそれぞれ半分ずつ照らして、2回撮影し、テカっていない部分だけを合成してきれいな写真を作っている。それがシンプルながらよく考えられたOmoidoriの仕組み。
専用アプリでの撮影が必要なのは、鏡で反射した姿を正方向になおし、タイミングを合わせて2枚撮影して合成するという作業が発生するから。
最終的な画像は1200万画素のiPhoneで撮って5〜600万画素サイズになる。少なそうに思えるかもしれないが、L判の(特に家庭向けの)プリントはそんなに解像度が高くないので、これで十二分なのである。
1万2800円という価格は高いと思う人がいるかもしれないが、実は中では凝ったことをやっているのだ。価格分の価値あり。
個人的には、今は失われた古い街並みや鉄道や施設の写真がOmoidoriで蘇って、貴重な画像データベースとなってくれるといいなあと思っている。
なんてことのない記念写真でも、背景に写っている「今はもう見られないもの」が懐かしかったり貴重だったりするのである。
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