MVNOサービスの販路は、その初期段階ではWeb通販が中心だった。しかし、ユーザー層の広がりに伴い、家電量販店での販売が増加し、果ては直営ショップを展開するMVNOも登場している。
2016年5月の調査に参加した1311人のMVNOサービスのユーザーのうち、およそ半数が1年以内に購入(契約)したという調査結果を見ると、販路の拡大はユーザー層の拡大にもつながったといえるだろう。
では、肝心の購入先はどうなっているのか。先述の1311人のうち、合わせて74.5%がWebサイトから購入しており群を抜いている。その中でも、Amazonを始めとするWeb通販での購入が伸びているという。吉本社長は「(格安SIMの)情報が増えてきて、Amazonで買うと初期費用(事務手数料)が安いということが浸透してきているのではないか」と分析する。
一方、家電量販店での販売比率が若干減った分、MVNOの直営ショップでの購入比率が増えているという。より詳しい説明を受けやすい直営ショップに対するニーズがそれなりにあることをうかがわせる。
MMD研究所の格安SIMに関する調査では、MVNOサービスと組み合わせて使う端末についても質問しており、調査対象の8割前後がスマートフォンで使うという結果が毎回出るという。2016年5月の調査でも、調査参加者の80.8%がスマホでMVNOサービスを使っているという結果となった。
スマホで利用している人だけを抽出して使っている端末を尋ねたところ、iPhoneシリーズが22%とシェアが一番高かった。MNOにおける端末販売シェアと比較すると率は低いが、一番人気であることには変わりない。「iPhoneでも格安SIMを使える」ということがある程度浸透してきたことも一因だろう。
iPhoneに次いで人気だったのはソニーモバイルコミュニケーションズのXperiaシリーズで16.5%、3位にはASUSのZenFoneシリーズが13.4%と続いた。その他、富士通(現・富士通コネクテッドテクノロジーズ)のarrowsシリーズやプラスワン・マーケティングのFREETELブランドのスマホもシェアを伸ばしているという。
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