「イノベーター層」への普及が一巡し「アーリーアダプター層」への普及期にさしかかったMVNO(仮想移動体通信事業者)のいわゆる「格安SIM」。このステージにおいては、女性ユーザーの比率を高めることが課題となるが、障壁も少なくない。
ただ、MVNOサービスにおける女性ユーザーは少しずつではあるが増えてきている。女性の格安SIMユーザーは、男性と比べてどのような特徴があるのだろうか。MMD研究所は3月2日、「格安SIMの女性利用の拡大について」と題するメディア向け勉強会を都内で開催した。この会で、同研究所の吉本浩司所長は、直近の調査データから格安SIMを利用する女性ユーザーの特徴について説明した。
MMD研究所が2016年2月にMVNOサービスの利用者に限定して実施した調査によると、データ通信用プランと音声通話対応プランの契約比率はおおむね「6対4」となっている。しかし、女性ユーザーに限定すると、その比率が「半々」になった。女性は、音声通話対応プランに対するニーズがより高いことがうかがえる。
利用する端末にも特徴がある。男性は端末を別途購入する人が一番多く、もともと使っていた端末をそのまま使い続けるケースや中古端末を使うケースも多い。それに対し、女性はSIMと端末をセット購入する人が一番多く、それに端末の別途購入が続いている。女性は、男性よりもSIMカードと端末のセット販売に魅力を感じているようだ。
MVNOのサービスブランド別での利用者数については、「楽天モバイル」と「イオンモバイル」(※)の女性比率が他のMVNOサービスと比べて非常に高くなっており、特にイオンモバイルでは女性が男性を逆転している。これらのサービスでは、データ専用プランと音声通話対応プランの比率が逆転していることも特徴だ。女性の音声通話対応プランに対するニーズの高さを改めて証明するような結果となっている。
※調査段階では、イオンリテールが自らMVNOとしてサービスを提供する新しい「イオンモバイル」は未発表(参考記事)
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