新プランで約300億円を還元 6つの領域に注力するドコモの勝算は?石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2017年04月29日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

5G時代を見据えた収益基盤の大転換は実現するか?

 ドコモが目指すのは、「事業構造の革新」(吉澤氏)だ。「通信だけで見るのではなく、ブロードバンドサービスは、付加価値の高いサービスと融合されたものとして見ていく」(同)というのが、目指す姿だ。5Gは高速、大容量、低遅延、多接続など、他の業種で必要とされる要件を満たす規格だが、ドコモのbeyond宣言は、まさにその特徴に沿った戦略といえるだろう。

 ただし、現時点では収益の目標などは明かされていない。「実際にどのくらいの規模になるのかは、まさに今から詰めていかなければならない」(吉澤氏)という状況で、あくまでビジョンが示された段階だ。具体的なサービスを、どのような形で見せていくのかは、今後の課題といえそうだ。

ドコモ 2020年の事業規模の見通しは、現在算定中だという

 特に、ARやVR、AI、FinTechなど、スタイル革新宣言の具体例として挙げられた新規領域については、必ずしもドコモがリードしている分野ではなく、GoogleやMicrosoft、Appleなどプラットフォームを持つプレーヤーも含め、上位レイヤーにも競合が多く、厳しい目で見ると、ドコモの青写真通りにことが進むのかは未知数だと感じた。

 足元では、Y!mobileやUQ mobileなどの、サブブランドとMVNOの競争も激化している。こうしたキャリアへの流出対策となる割引や新料金についても、「今期、追加でお客さま還元を計画している」(取締役常務執行役員 佐藤啓孝氏)というものの、まだ全体像は見えていない。第2弾のユーザー還元も、「数百億円規模になる」(同)というだけに、シンプルプランやシェアパック30と同程度のインパクトは期待できそうだが、具体的な内容が分かるのは、もう少し先になる。マーケットリーダー宣言を打ち出しただけに、ユーザーがあっと驚く料金施策を期待したいところだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  5. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  6. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  7. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年