KDDIがメアド「ezweb.ne.jp」を「au.com」にチェンジ――「今さら」ではなく、次の秘策に向けた布石か石川温のスマホ業界新聞

» 2017年09月01日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 8月22日、KDDIはメールアドレスを来年4月より「ezweb.ne.jp」から「au.com」に変更すると発表した。ネット上では「いまさら、メールなんて使わない」と失笑のような反応であった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年8月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 確かにキャリアメールの利用頻度は下がっており、このタイミングでau.comに変える意味はないように思える。しかし、ここ最近の業界の動きを見ていると、KDDIに対して「何か準備しているのではないか」という、うがった見方をしたくなる。

そもそも、KDDIはau.comというドメインをすでに2013〜14年ごろに取得している。当時も、メアドをau.comに変える検討がされたようだが、ローンチ直前になってお蔵入りになったようだ。

 だが、2017年になって、まずKDDIのサイトがau.comというドメインに生まれ変わった。そして、来年春には、キャリアメールがau.comに変更となる。

 あえて、このタイミングでドメインを変えてくるということは、ひょっとするとメール関連サービスの大幅刷新を準備している可能性が考えられる。

 実はいま、世界的なキャリアの動きとして、GSMAを中心にSMSの進化版である「RCS(Rich Communication Service)」の導入が進みつつある。グーグルがRCSを標準的に採用し、「Android メッセンジャー」として、Androidの標準アプリにもなっている。

 RCSになることで、メッセンジャーアプリのように吹き出しがでるかたちでメッセージのやりとりができるようになる。Facebookメッセンジャーのように相手が書き込んでいる様子も確認することができる。

 複数デバイスでの受信が可能になり、チャットボットとして、会話型でサービスや情報を提供するということもできるようになるのだ。

 この秋リリースとなるiOS 11からは、ユーザー間で金銭のやり取りが可能になるとされている。RCSベースのAndroidメッセンジャーであれば、同様のこともできるようになるとされる。

 iMessageの利便性が上がる一方、Android側だけが機能的に劣るというのは許されない。となると、キャリア側としても、RCSに対応して、Androidメッセンジャーの機能強化を図っても不思議ではない。

 キャリアとしても、単にキャリアメールやSMSとしての連絡手段ではなく、チャットボットへ展開し、au IDと組み合わせ、情報提供や課金などと組み合わせれば、さらなるビジネス展開が可能となる。特に課金はキャリアが最も得意とするところだ。

 RCSと組み合わせることで、課金はもっと便利で使いやすくなり、結果、手数料収入の増大も期待できる。

 個人的な予想に過ぎないが、もしかするとKDDIはメアドのau.comの導入に合わせて、SMSをRCS対応させ、メッセージ関連のサービスを強化してくるのではないか、という気がしてならない。

 RCSについては、KDDIだけではなく、NTTドコモやソフトバンクも着手している。果たして、3社一斉に導入されるのか、それとも、どこかが出し抜くのか。

 いずれにしてもSMSが大幅進化することも考慮すると、「キャリアが提供するサービスは終わっている」という早計な見方は辞めたほうがいいのかもしれない。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 「楽天モバイルWiFiスポット」を試してみた 屋内通信の不満解消へ期待も「接続性」に課題 (2026年07月26日)
  2. 夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も (2026年07月27日)
  3. 折りたたみスマホ「OPPO Find N6」を3カ月使って実感した“真価” 仕事とプライベートで大活躍 (2026年07月26日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  6. 気温35度以上のハンディファンは「逆効果」 猛暑を安全に乗り切る使い方と2026年おすすめ5選 (2026年07月27日)
  7. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  8. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  9. 【3COINS】100段階で風量調整、透明デザインの「大風量ペルチェ付きハンディファン」 3300円 (2026年07月27日)
  10. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー