吉澤社長「iPhone 8は iPhone 7の7割程度の売れ行き」――iPhone Xを前にした買い控えの割には上出来という見方も石川温のスマホ業界新聞

» 2017年10月27日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 iPhone 8の「売れ行き」を巡って、見方が二分している。

 発端は、調査会社であるBCNが発表したデータだ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年10月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 発売から15日間の累計販売台数は昨年の iPhone7/7 Plusの3分の2に満たないとしたのだ。これを受けて、「 iPhone 8の売れ行きが低調」という一部報道になった。

 NTTドコモ新製品発表会後の吉澤和弘社長も囲みの際に「7割程度の売れ行きだと思う。思ったほど数は出ていない」と、データを裏付ける発言をしている。

 しかし、 iPhone 8発売当時、KDDIの田中孝司社長とソフトバンクの宮内謙社長はいずれも「iPhone 8と iPhone Xの需要は半々ぐらいになるのではないか」と答えている。

 つまり、今回の数字である「7割」というのは、キャリアが想定していた5割よりも「上出来」の数字と言えるのではないか。

 実際、キャリア関係者に話を聞くと「iPhone 8は思ったよりも売れているのが実態。どうして、あのような報道になるのかわからない」と困惑していた。

 10月20日にはソフトバンクがiPhone Xの価格を発表したが、256GBモデルで14万9280円という価格が設定されている。発表前から高くなるとは予想されていたが、さすがに15万円近い値付けとなると、48回払いで購入できたとしても、ちょっと多くの人にとって手が出しづらくなるのではないか。

 吉澤社長は「日本ではiPhone Xを触っている人はおらず、触って比較できるようになると、 iPhone 8とiPhone Xを合わせて数がでるようになるのではないか」と語っていた。

 まさに、両方を触って比較してから購入する人もいるだろうし、iPhone Xの値段を見て、諦めて iPhone 8を購入するという人もいるだろう。

 いずれにしても、10月27日16時1分から、iPhone Xの予約が開始される。

 翌週11月1日にはKDDIの決算会見が予定されているため、そのタイミングで予約の状況が明らかになりそうだ。

 発売当初から品薄になると伝えられているが、発売日となる11月3日は祝日の金曜日であり、3連休の初日となっている。在庫があれば、販売数を増やす絶好のチャンスであるし、また店頭での展示を見ようとする客が殺到すれば、iPhone Xと比較した上で、iPhone 8を購入する客も増えるだろう。

 今年のiPhone人気の実力を判断する上で、11月3日からの三連休が大きな山場となりそうだ。

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