iPhone 8の「売れ行き」を巡って、見方が二分している。
発端は、調査会社であるBCNが発表したデータだ。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年10月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
発売から15日間の累計販売台数は昨年の iPhone7/7 Plusの3分の2に満たないとしたのだ。これを受けて、「 iPhone 8の売れ行きが低調」という一部報道になった。
NTTドコモ新製品発表会後の吉澤和弘社長も囲みの際に「7割程度の売れ行きだと思う。思ったほど数は出ていない」と、データを裏付ける発言をしている。
しかし、 iPhone 8発売当時、KDDIの田中孝司社長とソフトバンクの宮内謙社長はいずれも「iPhone 8と iPhone Xの需要は半々ぐらいになるのではないか」と答えている。
つまり、今回の数字である「7割」というのは、キャリアが想定していた5割よりも「上出来」の数字と言えるのではないか。
実際、キャリア関係者に話を聞くと「iPhone 8は思ったよりも売れているのが実態。どうして、あのような報道になるのかわからない」と困惑していた。
10月20日にはソフトバンクがiPhone Xの価格を発表したが、256GBモデルで14万9280円という価格が設定されている。発表前から高くなるとは予想されていたが、さすがに15万円近い値付けとなると、48回払いで購入できたとしても、ちょっと多くの人にとって手が出しづらくなるのではないか。
吉澤社長は「日本ではiPhone Xを触っている人はおらず、触って比較できるようになると、 iPhone 8とiPhone Xを合わせて数がでるようになるのではないか」と語っていた。
まさに、両方を触って比較してから購入する人もいるだろうし、iPhone Xの値段を見て、諦めて iPhone 8を購入するという人もいるだろう。
いずれにしても、10月27日16時1分から、iPhone Xの予約が開始される。
翌週11月1日にはKDDIの決算会見が予定されているため、そのタイミングで予約の状況が明らかになりそうだ。
発売当初から品薄になると伝えられているが、発売日となる11月3日は祝日の金曜日であり、3連休の初日となっている。在庫があれば、販売数を増やす絶好のチャンスであるし、また店頭での展示を見ようとする客が殺到すれば、iPhone Xと比較した上で、iPhone 8を購入する客も増えるだろう。
今年のiPhone人気の実力を判断する上で、11月3日からの三連休が大きな山場となりそうだ。
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