シェーダユニットの数とコアクロックがGeForce GTX 285と同じGeForce GTX 275は、3DMark系のベンチマークテストでアンチエイリアスと異方向性フィルタを向こうにした設定のスコアがGeForce GTX 285とRadeon HD 4890との間、ややGeForce GTX 285寄りになる。一方でアンチエイリアスと異方向性フィルタを有効にした設定では、特に高解像度においてベンチマークテストの結果がRadeon HD 4890寄りとなる。また、Unreal Tournament 3のようにベンチマークテストに使ったゲームタイトルによっては、負荷の軽い画質オプションの高解像度という条件でRadeon HD 4890に逆転されるなど、ゲームタイトルとの“相性”も確認された。
総じて見れば、ベンチマークテストの結果で、GeForce GTX 275はRadeon HD 4890を上回る値を出している。一方、消費電力では、ピーク時において今回計測したなかで最大の301ワットが計測されたほか、Crysisや3DMark Vantageなどでは330ワット近くに達することもあった。アイドル時の消費電力は低く抑えられていたものの、それでも、上位モデルとなるGeForce GTX 285よりもやや高い値となっている。
この経済状況において、PC関連の購入予算を抑えつつ、最新の3Dゲームを楽しむならば、GeForce GTX 275とRadeon HD 4890は、有力な選択肢となりえる。GeForce GTX 275に関しては、ピーク電力が大きいため、電源ユニットやシステムの冷却にも注意を払い、不足があればそちらも増強しておく必要がある。絶対的なパフォーマンスでは、GeForce GTX 275がわずかに優勢であるものの、Radeon HD 4890は消費電力で分がある。性能を選ぶのか、重負荷時の動作安定性(そして静音性能)を選ぶのか。そこが、両者を選ぶポイントになるのは間違いないだろう。
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