NVIDIAは、3月27日(日本時間)に“Fermi”アーキテクチャを採用したGeForceシリーズの新モデル「GeForce GTX 400シリーズ」を発表した。今回登場するのは上位モデルのGeForce GTX 480と下位モデルのGeForce GTX 470の2機種だ。
Fermiは、NVIDIAが2009年に開発を明らかにした新世代アーキテクチャだ。その詳細は「次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」の内部構造に迫る」でも紹介しているが、GPUコンピューティングに最適化した構成を採用するのが特徴。すでに、Tesla 20シリーズでFermiアーキテクチャを採用したモデルが発表されているが、コンシューマー向けのGeForceラインアップでは、初めてFermiを採用したモデルになる。
GeForce GTX 400シリーズは、NVIDIAのコンシューマー向けGPUとして初めてDirectX 11に対応した。また、OptiXエンジンを用いた高速レイトレーシング処理や、32サンプルのアンチエイリアシングにも対応する。DirectX 11に対応したことで、競合するRadeon HD 5000シリーズと同様に、テッセレーションがネイティブで利用できるようになった。
GeForce GTX 400シリーズの内部は、Fermiアーキテクチャの特徴であるCUDAコアと複数のCUDAコアをまとめて機能するStreaming Multiprocessor(SM)を基幹にして構成される。ジオメトリエンジンの処理能力はGeForce GTX 285の8倍になり、リアルな波の動きや髪の毛の動きが描画が可能だ。
GeForce GTX 480のコアクロックは700MHz、CUDAコアクロックは1401MHz、メモリクロックは1848MHz。内蔵するCUDAコアの数は480基になる。外部電源コネクタは8ピンと6ピンの組み合わせで、最大消費電力は250ワットだ。利用できるグラフィックスメモリはGDDR5で1536Mバイトを搭載可能。メモリバス幅は384ビットになる。リファレンスデザインのカードには画像出力インタフェースとしてデュアルリンクのDVIが2基とMini HDMIを用意する。
GeForce GTX 470のコアクロックは607MHz、CUDAコアクロックは1215MHz、メモリクロックは1674MHz。内蔵するCUDAコアの数は448基になる。外部電源コネクタは6ピンが2つ。最大消費電力は215ワットだ。利用できるグラフィックスメモリはGDDR5で1280Mバイト搭載可能。メモリバス幅は320ビットになる。
NVIDIAの説明によると、GeForce GTX 480のパフォーマンスは、DirectX 9、またはDirectX 10においてGeForce GTX 285の1.5倍から2倍、同様に、PhysXでは2.5倍、レイトレーシング処理で3.5倍に達するという。また、アンチエイリアシングを有効にしたときのパフォーマンスでも、サンプル数を増やすにつれてパフォーマンスの落ち込みがGeForce GTX 285より少ないというベンチマークテスト結果もNVIDIAから示されている。さらに、GeForce GTX 400シリーズはSLIにも対応するが、そのスケーリングも従来のシリーズから改善された。
NVIDIAによると、搭載グラフィックスカードの店頭販売開始は4月半ばの見込みで、米国における実売価格はGeForce GTX 480搭載モデルが499ドル、GeForce GTX 470搭載モデルが349ドルの予定だ。
なお、GeForce GTX 480のパフォーマンスをゲームタイトルを使ったベンチマークテストで検証したレビュー記事「GeForce GTX 480で時代が変わるか!」を掲載している。SLI構成におけるパフォーマンスも紹介しているので、そちらも参考にしていただきたい。
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