西チベットでは、電力不足のために日中は停電、電気が使えるのは夕方から夜12時までという集落も少なくない。さすがに、宿泊施設や海外旅行者向けの食堂、そしてインターネットカフェでは発電機を常備しているが、個人の家ではそうもいかない。中国の農村では経済状況が厳しい個人でも所有していた洗濯機が西チベットではほとんどなく、地元の人の多くは川で洗濯する。冷蔵庫も、もともと寒い土地なので食堂くらいしか必要ないそうだ。
とにかく、西チベットでは電力不足が常態化している。この問題を解決するために、西チベットでは太陽光が活躍する。各集落では、大小の太陽パネルがいたるところに設置されているだけでなく、“太陽光やかん湯沸かし器”なる、中国の内陸部でも滅多に見ない金物も西チベットでは日用品として使われている。家庭用の太陽光発電システムは大きな集落にある雑貨店で販売されていているほか、大規模太陽光発電システムは「西蔵無電県建設」「中国光明工程」「西蔵阿里光電計画」といった中国政府の国家プロジェクトで整備されている。
チベット自治区では、情勢不安定な要素を残しつつ、一方で中国の資金でインフラ整備が行われている。2010年には西チベットに空港が開港した。道路や鉄道、そして航空路といった交通インフラの整備に伴なう人的移動の活性化は西チベットに大きな変化を及ぼす可能性もある(それに伴なう伝統文化の消滅を危惧する反対意見も多い)。そのとき、西チベットの電力事情とIT事情はどのように進化しているのだろうか。
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