「GALAXY Tab」と「NAVIONICS」で冬の海を渡る!勝手に連載「海で使うIT」(4/4 ページ)

» 2011年02月23日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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揺れる船上でも、GALAXY TabとNAVIONICSはストレスなく使えた!

 先ほども触れたように、今回の検証航海では、NAVIONICSをインストールしたGALAXY Tabを防水パックに入れ、全長8メートルのセイリングクルーザーで運用した。航行したのは三浦半島の南端から出港して南西に4海里ほど沖合いにあるブイまでの往復で、天候は曇り、海象条件は北東の風 風力5。なお、防水パックに入れた状態でもGALAXY Tabのタッチパネルは問題なく使えた。これは、波を被って海水の水滴が付着した状態や、その海水が乾いて一面に塩をまぶした状態になっても同じだった。

 Androidで運用できるナビゲーションソフトの多くは、Google Mapなどのオンラインマップを利用するため、ネットワーク接続が必要だが、NAVIONICSは、ネットワーク接続が期待できない外洋運用も想定しているため、海図データはローカルで持つ。それゆえ、電力を消費するネットワークをオフにした「機内モード」でも運用できる。ただ、曇天とはいえ野外で利用するため、液晶ディスプレイの輝度は最大にしておく必要がある。

 機内モードながら、GPSの利用と最大輝度の液晶ディスプレイという条件で運用したところ、3.5時間の航海でバッテリーは満充電状態から残り30%まで消費していた。1時間当たり20%、5時間で使い切る計算だ。ただ、実際の航海では、通常はスタンバイにして、予想されるWay Point到達時間前に復帰させてポジションを確認するといった運用になるため、それこそ、三崎港から出港して12時間後に三宅島に到達するような航海でも運用は可能だろう。

 GPSトラッキング中に表示される航海データが、ノットと任意の地点までの距離と方位だけで、特に針路が表示されないのに不満を感じる船長も多いかもしれない。とはいえ、針路は船に備え付けたコンパスを見れば分かるので、航海運用で致命的な欠点ではない。ただし、夜間航海用のカラーモードを備えていないので、夜間航海で運用する場合は、“赤い暗記シート”をかぶせるなどの工夫が必要だ。

船上で運用するため防水パックに入れる。この状態でもタッチパネルは使えた(写真=左)。7型ワイドのディスプレイを搭載する重さ約382グラムのGALAXY Tabは、デッキにおいてじゃまにならず(写真=中央)、片手で持っても運用可能。そして、ディスプレイは見やすいと、航海機器としてジャストサイズだった(写真=右)。


 これまで、PC、Windows Mobileベースのスマートフォンと、電脳航法システムを運用してきたが、AndroidデバイスとNAVIONICSの組み合わせで構築できるシステムは、Androidを採用するデバイスなら幅広い機器が選べる柔軟性と、動作が軽快で、ネットワークに接続していれば航海情報が外部と簡単に共有でき、かつ、ローカルに保存した広範囲な海図を外洋で利用できる。また、操作性も、動揺が激しい帆走中の小型セイリングクルーザーでも、目的の操作がストレスを感じることなく行える。

 1035円という価格は、Androidマーケットで購入できるアプリケーションでは飛びぬけて高いが、航法ソフトと電子海図の組み合わせとしては飛びぬけて安い。GPSプロッター的な運用ができる無料のAndroidナビゲーションソフトでは、「GPS Compass Map」などでノット表示やWay Pointによるルートナビゲーションに対応しているが、オンラインマップによる運用が前提で、航路標識や海底危険物などが参照できないなど、電脳航海システムとしては制約が多い。

 防水パック(GALAXY Tab専用の耐衝撃防じんケース「Otterbox Defender for Galaxy Tab」が直販価格6500円で販売されているが、なぜか防水機能は備えていない)に入れたGALAXY Tabなら、船が激しく動揺して波しぶきが絶え間なく降り注ぎ、操船で手が離せない厳しい海象条件でも、デッキにいたまま片手で操作できる。

 Androidデバイスをすでに所有している船長は、ぜひ導入してほしい。Androidデバイスを持ってない船長も、携帯電話ショップで「0円」端末を見かけたら、NAVIONICSのためだけに購入を検討してもいい。かけたコストに見合った価値のある電脳航法システムだ、と、今回ばかりは珍しく断言してしまおう。

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