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» 2011年09月15日 10時00分 公開

「Windows 7+WinRT=Windows 8」──明らかになるARMが動く“仕掛け”BUILD(3/4 ページ)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Windows 8は、大きなものから小さなものまで

 今回公開されたWindows 8は、Microsoftにとっては大きなチャレンジとなる新機能が導入される。まず注目したいのが、ARMデバイスのサポートだ。そして、従来までのWindows Tablet Editionとは異なる、完全にタッチ操作中心の新しいUIも導入する。この2つの大きなハードルがWindows 8の開発で問題となる。

 ARMについては、デモで使う機材の一部がARMで動作していることが、基調講演で繰り返し強調された。また、Internet Explorer 9以降のハードウェアアクセラレーションにも対応し、CPUは非力でもスムーズなスクロールや動画再生処理など、高い処理能力を実現できていることが基調講演のデモで示された。

 ARMを採用するメリットとして、電源管理に優れており、オンとオフの切り替えと電力消費抑制のバランスが取れていることも紹介された。ネットワークに対してバックグラウンドでオンライン状態を維持しながら、見た目ではスリープ状態で電力をほとんど消費しない状態のことを「Connected Standby」とMicrosoftは説明しており、タブレットデバイスなどのバッテリー駆動時を改善する機能の1つとして挙げている。

 また、UEFIの標準サポートもハードウェアの特徴として挙げておきたい。UEFIはブートローダのGUI対応など使いやすさが向上したほかに、セキュリティなど管理項目を充実させ、2Tバイト以上のパーティションからのブートなどを可能にする。基調講演では、「UEFIにより最大260Tバイトのパーティションからのブートが可能だ」という冗談で会場を笑わせる一方で、シノフスキー氏が「現状では2Tバイトや3TバイトのHDDも当たり前になっている」とコメントし、技術の進化が想像を超えるスピードで限界を突破していく可能性をさりげなく示唆している。「ARMデバイスでWindowsが動作する」といった事実もまた、この進化の過程で実現できるものなのだろうか。

多様なフォームファクタをカバーするのもWindows 8の特徴だ。基調講演では、2種類のARM搭載タブレットデバイスのほか、Atom搭載タブレットデバイスも紹介された(写真=左)。基調講演では、ARM搭載デバイスにおける電源管理の仕組みが訴求され、電源のオンとスタンバイへの移行に合わせて瞬時に消費電力が変化することや、待機状態でも定期的に少しだけ電力を消費することでネットワークの状態を一定周期でチェックし、待機状態でもバックグラウンドでオンラインに近い状態を維持する仕組みが紹介された(写真=中央)。一方、ハイエンドグラフィックスカードを複数差して運用するようなハイエンドPCでもWindows 8は、そのパフォーマンスをいかんなく引き出すという(写真=右)

 このほか、6月のイベントでも触れられたタッチセンサーの処理方法、スクリーンサイズ、センサー対応などについて、BUILDでも言及した。新情報としては、スクリーンサイズは16:9に“固執”するのではなく、あくまでMetroサポートに最低限必要となる解像度が明示された。この“ガイドライン”をはみ出た場合、レイアウトが100%再現されず、また、表示から漏れる情報がある可能性がある。センサーでは、従来の3種類のモーションセンサーに加え、Near Field Communications(NFC)の対応が明示された。利用ケースにはほとんど言及されなかったものの、これは興味深い動きだ。

システム関連のタッチ操作を認識するために、いちばん端のドットにあたる部分のタッチ認識が必要になる。ここを起点にスクリーンをなぞることでシステム関連の操作であることを認識するためだ。そのため、タッチスクリーンもそれに適した形でフチのないフラットなパネル面が要求されるという(写真=左)。6月のパートナーイベントでは、スクリーンサイズの横縦比に16:9を推奨していたが、BUILDではこのことについて特に言及していない。ただ、1366×768ドット(16:9)または1280×800ドット(16:10)以上の解像度が望ましいとされており、その理由として、Metro UIのすべての表示スタイルを再現するのに必要なアスペクト比と解像度がこの水準だからだという(写真=中央)。センサーサポートでは、すでに表明している加速度センサー、磁気センサー、ジャイロの3つのモーションセンサーに加えて、BUILDでは、新たにNear Field Communications(NFC)のアンテナやセキュリティチップの搭載に言及している。NFCの標準サポートには注目したい(写真=右)

新しくなったタスクマネージャーでは、「Suspended」という状態に注目したい。Windows 8では、起動してもあまり呼び出されないアプリケーションは自動的に「Suspended」となって、CPUパワーを消費しない一種のスリープ状態になる。メモリ不足などシステムリソースが不足する状況になったら、Suspended状態のアプリケーションで、使われていないものから「Kill」(強制終了)になる(写真=左)。Metroスタイルで記述された新しいコントロールパネル。Windows 8の新機能に「Refresh your PC without affecting your files」「Reset your PC」というものがあり、これはユーザーのマシンを工場出荷時のデフォルト状態へ戻す。前者が設定のみをリセットするのに対し、後者は完全に工場出荷状態にする(写真=右)

Windows 8のマルチスクリーン環境では、2つの画面をデスクトップとして利用するだけでなく、一方のスクリーンだけをMetroに切り替えることも可能だ。ただし、両方のスクリーンをMetroにして画面をつなげることが可能かは不明(写真=中央、右)

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