ARMについては、デモで使う機材の一部がARMで動作していることが、基調講演で繰り返し強調された。また、Internet Explorer 9以降のハードウェアアクセラレーションにも対応し、CPUは非力でもスムーズなスクロールや動画再生処理など、高い処理能力を実現できていることが基調講演のデモで示された。
このほか、6月のイベントでも触れられたタッチセンサーの処理方法、スクリーンサイズ、センサー対応などについて、BUILDでも言及した。新情報としては、スクリーンサイズは16:9に“固執”するのではなく、あくまでMetroサポートに最低限必要となる解像度が明示された。この“ガイドライン”をはみ出た場合、レイアウトが100%再現されず、また、表示から漏れる情報がある可能性がある。センサーでは、従来の3種類のモーションセンサーに加え、Near Field Communications(NFC)の対応が明示された。利用ケースにはほとんど言及されなかったものの、これは興味深い動きだ。
システム関連のタッチ操作を認識するために、いちばん端のドットにあたる部分のタッチ認識が必要になる。ここを起点にスクリーンをなぞることでシステム関連の操作であることを認識するためだ。そのため、タッチスクリーンもそれに適した形でフチのないフラットなパネル面が要求されるという(写真=左)。6月のパートナーイベントでは、スクリーンサイズの横縦比に16:9を推奨していたが、BUILDではこのことについて特に言及していない。ただ、1366×768ドット(16:9)または1280×800ドット(16:10)以上の解像度が望ましいとされており、その理由として、Metro UIのすべての表示スタイルを再現するのに必要なアスペクト比と解像度がこの水準だからだという(写真=中央)。センサーサポートでは、すでに表明している加速度センサー、磁気センサー、ジャイロの3つのモーションセンサーに加えて、BUILDでは、新たにNear Field Communications(NFC)のアンテナやセキュリティチップの搭載に言及している。NFCの標準サポートには注目したい(写真=右)
新しくなったタスクマネージャーでは、「Suspended」という状態に注目したい。Windows 8では、起動してもあまり呼び出されないアプリケーションは自動的に「Suspended」となって、CPUパワーを消費しない一種のスリープ状態になる。メモリ不足などシステムリソースが不足する状況になったら、Suspended状態のアプリケーションで、使われていないものから「Kill」(強制終了)になる(写真=左)。Metroスタイルで記述された新しいコントロールパネル。Windows 8の新機能に「Refresh your PC without affecting your files」「Reset your PC」というものがあり、これはユーザーのマシンを工場出荷時のデフォルト状態へ戻す。前者が設定のみをリセットするのに対し、後者は完全に工場出荷状態にする(写真=右)
Windows 8のマルチスクリーン環境では、2つの画面をデスクトップとして利用するだけでなく、一方のスクリーンだけをMetroに切り替えることも可能だ。ただし、両方のスクリーンをMetroにして画面をつなげることが可能かは不明(写真=中央、右)