「iPhone 4S」は進化した“意志の自転車”:発売直前レビュー(3/3 ページ)

» 2011年10月13日 10時56分 公開
[林信行,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

iPhone 4Sは、新しい時代の最初のステップ

 iOS 5やiCloudは、何もiPhone 4Sだけの機能ではなく、すでに発売されている新型iPod touchやiPhone 4でも享受できることかもしれない。

 しかし、これらの機能は通信速度が高速であればあるほど快適に利用できる。iPhone 4Sの通信速度は、ソフトバンクが採用するHSPDAでも従来の2倍程度だと思うかもしれないが、実は通信の速度というのは、必ずしも通信方式だけで左右されるものではない。

 まず安定した電波も重要で、これについてはiPhoen 4Sは2つのアンテナを備え、電波のよいほうに切り替えながら通信をしてくれる(ちなみにiPhone 4では、アンテナ部分を指で覆うと受信感度が落ちるという問題が指摘されていたが、iPhone 4Sでいろいろな切れ込みを指で覆ってしばらく待っていても、なかなか受信感度が下がることはなかった。もしかしたら、アンテナを増やす以外にも何か工夫をしているのかもしれない)。

 速い通信速度と、安定した電波環境も大事だが、実はCPUなどのプロセッサ処理能力も通信の速度に大きな影響を与える。どんなに通信機能がうまく働いていても、CPUが遅くてそこで処理が止まってしまっていたら元も子もないからだ。

 その点iPhone 4Sは、通信速度、安定性に加えて、CPUそのものも圧倒的に速くなっており、通信によるタイムラグを表示更新速度の速さなどで十分補い、快適なiCloudの利用を実現してくれていると思う。

 アップルは、ほかのメーカーのようにハードウェアだけを作るのでもなく、ほかのプラットフォームベンダーのようにOSだけを開発するのでもなく、その両方を双方向からブラシュアップすることで、他社が真似できない体験の製品を作り続けてきた。まず、ユーザーにとって最高の体験とは何かを考えたうえで、そこにあわせてハードウェアとソフトウェアの両面から調整をかけていく。これこそがアップル最大の強みでもある。

 それでいうと、今後のアップルは、このハードとソフトの組み合わせに、さらにクラウドサービスもあわせた3つの側面からの擦り合わせで新しいデジタルライフスタイルを築こうとしている。そのiCloud時代の最初の製品となるのがこのiPhone 4Sだ。

 人によっては、書類の更新がほかのデバイスに反映されるまでの十数秒のタイムラグを「長い」と感じる人がいるかもしれない。しかし、我々はこの新しい時代のほんの入り口に立ったばかり。今後、アップルはユーザーの声などに耳を傾けながら、ハード、ソフト、クラウドの擦り合わせによる新時代のデバイスの完成度を高めていくはずだ。iPhone 4Sは、その最初の1歩として、十分に魅力的な製品といっていいだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー