Windows 8は創造性を犠牲にしないか?――開発責任者インタビューを終えて本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

» 2012年05月08日 00時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

PCとタブレットは同じプラットフォームが望ましい?

スマートフォンよりPCに画面サイズが近いタブレットは、PCと同じプラットフォームが望ましいと、シノフスキー氏は語る

 最後に、シノフスキー氏の言う「アプリケーションのユーザーインタフェースを設計する上で、一番大きなファクターは画面サイズ。だからPCとタブレットは同じプラットフォームのほうが望ましい」という意見は、氏へのインタビューの中で一番腑(ふ)に落ちた部分だった。

 確かに、フォームファクタや利用スタイルという面だけを見れば、スマートフォンとタブレットは近い関係にある。ハードウェアだけならば、iPod touchとiPad Wi-Fiの本質的な違いは画面サイズぐらいのものだ。

 しかし、画面サイズが異なれば、ユーザーインタフェース設計は大きく変化する。PCとタブレットの両方で使えるユーザーインタフェース設計をするほうが、タブレットとスマートフォンの両方で快適に動くユーザーインタフェースを作るより易しい。これはソフトウェア開発の視点で物事を考えるマイクロソフトらしいやり方だ。

 画面を通じたユーザーとのインタラクションさえ確定してしまえば、タッチだけでも、そこにキーボードやマウスが加わったとしても、プログラム側の対応はさほど難しくない。ユーザーインタフェース以外の部分(例えば、何らかの処理ロジックやサービスとの連動部分)は、大部分をそのまま利用できる。

 もちろん、従来と同じ使い方を阻害されないことが前提だが、Windows 8がタブレットにフォーカスしたユーザーインタフェースやAPIの変更をかけようとすることに対して、徐々に拒絶反応のようなものはなくなってきた。

 また現状、セキュリティ上の問題が指摘されるAndroidはもちろん、企業システムとの統合が厄介なiOSよりも、ARM版のWindows 8のほうが管理性その他を含め、管理者には扱いやすい。まだ心のモヤモヤが消えたワケではないが、過去のしがらみを捨てて新しいWindowsのユーザーインタフェースがどうなるのか。パートナーとも連動しながら進めているだろう、Windows 8上で動くMetroの操作環境に期待したい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  4. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  5. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー