続いて「A3モノクロプリント」の注目機種を見ていこう。カラー出力は不要で、とにかくA3サイズの印刷ができればよい、という選び方だ。カラー対応製品とモノクロ対応製品の価格差は縮まりつつあるので、「大は小を兼ねる」という意味でカラー機を購入するという考え方もあるが、少しでもコストを下げたいならば、A3モノクロ機は現実的な解となる。
とはいえ、コストパフォーマンスをはじめ、何らかの突出した特徴がなければ、カラー非対応の製品を新規で購入するメリットは低下してしまう。それゆえ、ここでは経費扱いで処理できる実売10万円以下の製品に絞り、速度や給紙枚数など、目立った特徴を持つ製品を中心に紹介する。
まず、印刷のスピードを優先するのであれば、キヤノンの「Satera LBP8730i」、エプソンの「LP-S3250」がおすすめだ。前者は40枚/分、後者は35枚/分の高速印刷が可能なので、多くの枚数をなるべく短時間で印刷したいニーズに向く。特に前者は両面でも同じスピードで印刷できるのが秀逸だ(後者は両面28枚/分)。オプションなしでの給紙容量は前者が350枚、後者が650枚と、こちらは後者がやや有利。TEC値は前者が2.1kWh、後者が1.9kWhと低めだ。
オプションなしでの給紙容量を第一に考えるのであれば、先に紹介したLP-S3250のほか、OKIデータの「COREFIDO B841dn」が690枚と優秀だ。オプションの追加によってこれ以上の枚数を同時に給紙できる製品はあるが、そのためには追加のコストが発生するため、標準状態での給紙容量を重視すると、これらの製品が有力候補になる。なおB841dnは、COREFIDOシリーズに共通の5年間無償保証、メンテナンス品の5年間無償提供というサービスも魅力だ。
実売価格の安さを優先するのであれば、キヤノンの「Satera LBP8710e」、エプソンの「LP-S3200」をチェックしておきたい。いずれも5万円前後で購入できる高いコストパフォーマンスが魅力だ。前者は印刷速度が30枚/分、ランニングコストは2.6円(大容量カートリッジ使用時)、TEC値1.7kWh。後者は印刷速度が32枚/分、ランニングコストは3.8円、TEC値2.0kWhと、十分なスペックだ。ただしこの両機種は、いずれも両面印刷には非対応である点に注意したい。
このほか、富士ゼロックスの「DocuPrint 3100/3000」、OKIデータの「COREFIDO B801n」という選択肢もあるが、こちらも両面印刷はオプションだ。
実売価格の安さは重視するものの、両面印刷機能はさすがに必要、という条件で選ぶのであれば、キヤノンの「Satera LBP8710」、エプソンの「LP-S3200R」がおすすめだ。先ほど紹介したSatera LBP8710eとLP-S3200の両面印刷対応モデルという位置付けで、その他の仕様はほぼ共通。実売価格はプラス2〜3万円といったところだ。
機能としてはそれほど際立ったところはないが、実売10万円以下のA3モノクロという条件で絞り込んでいくと、バランスがとれたこのクラスの製品に最終的に落ち着くことは多いだろう。このほかキヤノンでは、印刷速度が35枚/分の上位モデル「Satera LBP8720」も候補となる。
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