次はA3対応モデルをチェックする。すでに導入済みのページプリンタがA4までの対応で、A3印刷が可能な機種をなるべく安価で追加したい……といった場合にぴったりだ。ページプリンタがコピーやスキャナ機能を搭載している場合、新たに導入するビジネスインクジェットプリンタにこれらの機能は必須ではなく、冒頭でも述べたように、むしろ管理上は搭載されていないほうが望ましいケースも少なくないだろう。
エプソンの「PX-S5040」は、A3ノビのカラー印刷に対応したモデルだ。印刷速度はカラー約10ページ/分、モノクロ約18ページ/分とそれほど高速ではないが、3万円強という実売価格ながら、ランニングコストはカラー約7.2円、モノクロ約2.4円と、特にカラー印刷の安さに強みがある。給紙容量も最大501枚と多いので、なるべく給紙の手間をかけたくないというニーズにも対応している。
ページプリンタに近い印刷性能を求めるならば、同じくエプソンの「PX-S7050」もチェックしておきたい。印刷速度はカラー/モノクロともに約24ページ/分、ランニングコストはカラー約6.1円、モノクロ約1.8円と、このクラスのビジネスインクジェットでは最高峰で、かつA3ノビの印刷にも対応する。最大給紙枚数もオプション装着時で1831枚と突出しており、耐久枚数も30万ページと、限りなくページプリンタに近い。ページプリンタと共存させる目的よりも、買い替えの候補としておすすめだ。ただしボディサイズについては、大柄なPX-S5040よりもさらに大きい。2015年3月30日まで、お得祭りモデルの「PX-S705C6」として実売4万円弱で販売されており、コストパフォーマンスも優秀だ。
ここまで見てきたのはいずれもカラー対応のモデルだが、ビジネスインクジェットプリンタにもモノクロ印刷専用モデルが存在する。ラインアップは多くないが、既存のページプリンタを置き換えてランニングコストを下げる目的であれば違和感はない。本体価格が1万円を切るモデルもあるので、予算が限られており、かつ用途がマッチすれば、候補に含めてもよいだろう。
エプソンの「PX-S350」は2015年2月に発売されたばかりのモデルだ。ランニングコストは約1.8円と低く、オプション装着時で最大580枚を給紙できる。印刷速度は約20ページ/分、耐久性は15万ページと、上位クラスのスペックだ。実売価格は2万円台半ばにおさまっており、ページプリンタの代替として導入するにはぴったりの製品だろう。なお、無線LANについては非搭載だ。
同じくエプソンの「PX-K150」は、実売価格6000円台半ばという安さがウリのモデルだ。他製品のようにカセットに用紙をセットするのではなく、背面にセットして手前に排出する(給紙容量は最大100枚)。また有線LANに加え、無線LANを標準搭載しているのも特徴だ。ただし両面印刷には対応しない。ランニングコストは約2.4円、印刷速度は約15ページ/分、耐久性は5万ページとなっている。
低価格は魅力だがさすがに両面印刷は欠かせないということであれば、「PX-K100」もよいだろう。実売価格は1万円台前半まで上がるが、両面印刷に対応し、印刷速度は約16ページ/分と、PX-K150を上回る。ランニングコストが約2.8円とモノクロにしてはやや高めなのと、耐久性が3万ページと低めなのは懸念点だが、使いつぶすことを前提に導入するのであれば候補になり得る。
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