2009年は「仕込みの年」、景気回復後の躍進を狙う――NTTドコモ 三木茂氏に聞く法人戦略(後編)(2/2 ページ)

» 2009年03月11日 07時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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―― では一方で、BtoB市場への取り組みはどのように行っていくのでしょうか。

三木氏 BtoB市場向けは当初からセキュリティを重視してまいりましたが、今年は「全国型内線サービス(仮称)」を積極的に展開します。こちらは2009年の夏に投入します。

Photo ドコモが提供する「全国型内線サービス(仮称)」

―― 内線型サービスでは、ウィルコムやKDDIに遅れてのサービス投入となりますが、投入タイミングが出遅れる不利はないのでしょうか。

三木氏 たしかに我々のサービス投入は、他社よりも遅くなります。しかし、過去の例でみますと、ドコモがサービス投入の半年以上前に新商品の発表することはありませんでした。それを今回、(半年以上前に)サービスを発表した理由は、お客様に「ドコモも内線型サービスを提供するので、夏までお待ちください」と営業部門が提案するためです。むろん、(他社よりも投入が遅い)ドコモの内線サービスを待っていただくだけの価値は、しっかりと提供いたします。

―― 携帯電話を使った内線サービスは競争が激しくなりそうですね。

三木氏 BtoB市場では、まさしく今年の激戦区になるでしょう。

ドコモの優位性は「規模」と「ネットワーク品質」

―― 今後、モバイルソリューション分野で他社と競争する上で「ドコモならでは」の優位性はどこにあるのでしょうか。

三木氏 特にBtoBtoC分野で顕著ですけれども、やはり「顧客規模の大きさ」ですね。例えば、CRMですと、ドコモプレミアクラブが用意している「プレミアパネル」を使えば、短時間かつ低コストで効果的なアンケート調査が可能になります。プレミアパネルは今後も機能を増やしていく予定ですので、CRMツールとしてさらに発展するでしょう。

 また、もっと基本的な部分として、「ネットワーク(インフラ)品質の高さ」もドコモの優位性です。FOMAのエリア品質は、おそらく業界随一でしょう。

―― HSDPAの高速化対応も(FOMAエリアの)100%になりましたし、エリアの広さや災害時対応力の高さなどにも定評がありますね。

三木氏 ええ、ネットワークは生き物ですので、単純に基地局を設置して「エリアを広げました」というだけではダメです。定期的に各基地局を細かく調整するメンテナンスをどれだけしっかり行うかも重要なのです。そういった総合力で、ドコモのネットワーク品質は(他社に対して)優位性があります。

2009年は「仕込みの年」、景気回復後の躍進を狙う

Photo ソニーの「VAIO type P」。ワイヤレスWAN内蔵モデルはドコモの「FOMA HIGH-SPEED」に対応し、下り最大7.2Mbpsの高速通信が可能だ

―― 法人市場の今後の成長の可能性や注目分野についてお聞かせください。

三木氏 大きなものとしては、「2台目需要」の拡大があります。特にスマートフォンに関しては、多くのお客様が従来型の携帯電話と併用する傾向がありますので、「BlackBerry Bold」などを拡販していけば(2台目需要で)契約数をさらに上積みできます。

 またデータ通信カードの市場も、2009年でさらに重要になるでしょう。ソニーの「VAIO type P」などビジネスパーソンにとって魅力的なミニノートも登場し、(ドコモの)WANモジュール内蔵モデルも好調に売れています。この市場はさらに活性化しそうな手応えがありますね。

―― 組み込み市場向けの内蔵モジュールの見通しはいかがでしょうか。

三木氏 当初は2009年に期待していたのですが、現在の景況では若干の足踏みではないかと予想しています。ただ中長期的に見ますと、組み込みモジュール市場は今後おおきく伸びる分野です。ドコモとしても、モジュールの新たな用途を研究していきたいですね。

―― ドコモの法人戦略にとって、2009年はどのような位置づけでしょうか。

三木氏 世界経済のスランプで逆風が吹いていますが、(モバイルの)法人市場は引き続き成長市場です。ドコモとしては、今年はさまざまな法人市場向けのソリューションを増やしていきます。そして、景気回復後に企業の投資が再び活性化したら、準備したサービスやソリューションを一気に展開していきます。2009年は「仕込みの年」になるでしょう。

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