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» 2012年03月29日 12時00分 UPDATE

本田雅一のクロスオーバーデジタル:MVNOによるLTEサービス、選び方のポイント (1/2)

携帯電話事業者各社が高速なデータ通信サービスを提供する中、IIJや日本通信がMVNOによる“小回りのきいた”サービスも始まっている。今回はよりお得に利用できる可能性がある、MVNOのLTEサービスを整理してみたい。

[本田雅一,ITmedia]

 NTTドコモの「Xi」に遅れること1年と3カ月、イー・アクセスが3月15日からLTEサービス「EMOBILE LTE」を開始した。さらに、WiMAXを展開するUQコミュニケーションズを傘下に持つKDDIも、2012年末のLTEサービス開始に向けて基地局の設置を進めている。ソフトバンクモバイルはやや複雑な状況にあるが、1.5GHz帯のDC-HSDPA対応端末で混雑を緩和しつつ、900MHz帯と2.1GHz帯の3G(HSPA+)をメインに据え、+αでデータ通信端末に2.5GHz帯のAXGP/XGP2を使っていくという展開だ。

 このように主要通信事業者がデータ通信サービスの高速化を着々と進める中、IIJや日本通信などのMVNOからも、「IIJmio高速モバイル/Dサービス」や「b-mobile4G カメレオンSIM」のような、ドコモのLTEネットワークを用いたバリエーションサービスが増えてきた。

 今回は、こうしたMVNOが提供するサービスを整理し、各種サービスを選ぶ際の“視点”について考えてみたい。

ライトユーザー向けに低価格なサービスを提供するIIJ

 データ通信専用サービスに限らず、通信サービスは利用パターンに応じて、最適なプランを選べるように商品設計がされている。

 例えば“電話番号”そのものに拘束力がある音声サービスの場合、長期契約を結ぶことで料金が安くなるというメニューが、どこの携帯電話事業者にもある。契約期間を保証し、契約を破棄する際のペナルティを明確化することでリスクを減らし、その分を基本料金に反映しよう……ということだ。

 一方、データ通信の場合は、電話番号による拘束力がないため、契約を長期間維持する必要がなく、契約内容はシンプルになる。しかし、通話時間と利用頻度に応じて料金プランがたくさん用意されているのと同じように、使用状況に合わせたプランがあるのは同じだ。

 企業向けサービスメニューを用いる場合ならいざ知らず、単純なデータ通信サービスでもMVNO(携帯電話キャリアから通信帯域を購入して再販売する業態)が成立するのは、データ通信の頻度や量が利用者ごとに異なるからだ。

Photo IIJmio 高速モバイル/Dは、ドコモのLTEネットワークが利用できるMVNOサービス

 例えばIIJmio 高速モバイル/Dの場合、以下の2つがプランとして用意されている。

・ミニマムスタート128プラン

 月々945円で速度上限が128Kbpsの通信プラン。100Mバイトあたり525円のデータ通信クーポンを購入すると、フルスピードのLTE(と3G)回線を利用できる。

・ファミリーシェア1GBプラン

 月々2940 円で1Gバイトまで、フルスピードのLTE(と3G)回線を利用できるが、上限を超えると128Kbpsの速度制限がかかるプラン。100Mバイトあたり525円で、追加データ通信のクーポンを購入できるのは、ミニマムスタート128プランと同じ。最大3枚までのSIMカードを発行し通信容量をシェアできる。

※初出時に、月額料金を3150円と記載していましたが、3150円は初期費用で、月額料金は2940円でした。お詫びして訂正いたします。(3/29 22:32)

 なおいずれのプランでも、128kbpsに制限されている状態で3日間に366Mバイト以上のデータ通信を行うと、通信帯域制限が行われる“可能性がある”としている。

 使い方は色々だが、普段はWebメールやカレンダーにアクセスできればいい程度で、ごくたまに出先でのヘビーな仕事をこなす、なんていう場合は前者だろうし、タブレットやPCでフルスピードを使いたいなら後者を選ぶべきだろう。

 ただし、1カ月で1Gバイトを使い切らない場合でも、翌月に繰り越すことはできないし、不足分の追加単価は割高になる。月に1Gバイトを超える通信を行うユーザーには、どちらのプランも適していない。家族で通信データ量を共有するのなら、2Gバイトぐらいのプランも欲しいところだ。

 とはいえ、すべての使い方に対してベストに近い料金プランを用意するのが難しいのも事実だ。IIJmioの場合、現時点では料金プランを途中から変更することができない。プランを変更したい場合は、前の契約をキャンセルした上で、初期費用の3150円を払って契約し直すことになる。

 いろいろと制限が多いと感じる読者も多いだろうが、そうした制限があるからこそ、その商品が対象にしている特定範囲のユーザーに対しては、安価なサービスを提供できるわけだ。

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