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» 2012年09月20日 10時30分 UPDATE

iPhone 5発売目前 5つの「やりましょう」で改めて魅力を打ち出すソフトバンク (1/2)

テザリング、通話定額、セット割――。まとめてみんな「やりましょう。」とKDDIへの対抗策を打ち出したソフトバンクモバイル。au版のiPhone 5よりもソフトバンク版のほうが「速い、安い、広い」ことを改めてアピールした。

[園部修,ITmedia]
Photo ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏

 ソフトバンクモバイルが9月19日、開催2時間前に案内を出した緊急会見で「iPhone 5」でのテザリング解放を表明した。また、合わせてLTEスマートフォンからソフトバンク回線への24時間通話定額やホワイトBBとのセット割引「LTEスマホBB割」、LTEスマートフォンを契約した人が、それまで使っていた端末を家族に譲り、家族が新規契約する場合、パケットし放題フラットの料金を低廉に提供するプラン、iPhone 4S/4の下取り価格の見直しなどを発表した。

テザリング解放は「慎重に判断した結果」

 9月14日には、ソフトバンクモバイルの宮川潤一CTOが、iPhone 5向けには「テザリングよりも安心して利用できる完全定額での利用環境を提供したい」と話していたソフトバンクモバイルだが、ライバルのKDDIがiPhone 5でテザリングを提供することが優位点として取り上げられることも多く、“解放”に踏み切った。

PhotoPhoto テザリングを「やりましょう。」と孫氏。合わせて他のオプションも発表・改定した

 ただしサービス開始は9月21日ではなく、約4カ月弱後の2013年1月15日から。この4カ月間で、LTEとプラチナバンドのネットワークを拡充しつつ、iPhone 5の普及に合わせて2.1GHz帯の3GネットワークのトラフィックがLTEにオフロードされるのを待ち、テザリングを利用可能にする。サービス開始にはiOSのアップデートも必要だが、アップデートは1月までに提供される見込みだ。

 「テザリングオプション」は、4G LTE対応の料金プラン「パケットし放題フラット for 4G LTE」に加入した場合に利用できる。パケットし放題フラット for 4G LTEは、本来月額5985円の定額サービスだが、12月31日までにテザリングオプションに申し込むと、月額料金は5460円になる。またテザリングオプションは月額525円のサービスだが、同じく12月31日までに申し込みをすると2年間は無料で提供する。auが提供するテザリングと料金面では同等になる。月間のデータ量が7Gバイトを超えると、請求月末まで通信速度制限を行う。iPhone 5用に用意された「パケット定額 for 4G LTE」ではテザリングができない点に変更はない。

PhotoPhoto LTEスマートフォン向けにテザリングを月額525円で提供。ただしiPhone 5については12月31日までに申し込むと2年間無料で利用できる。料金プランはパケット定額 for 4G LTEではなく、パケットし放題フラット for 4G LTEになる。月間7Gバイトの容量制限も適用される

 ソフトバンク 代表取締役社長の孫正義氏はテザリング提供開始について、「昨晩海外から帰ってきて、『テザリングについてコメントして欲しい』というツイートに対して『検討しましょう』とコメントしたが、これまでにも、テザリングを提供すべきかどうか、ずっと検討はしてきた」と話した。突然思い立って始めるのではなく、実現可能性をずっと考えていたことを強調した。

 「どんなことがあってもネットワークを倒してはならない、という思いはある。だからネットが混雑しすぎないように運営してきた。今年に入って、他社は全国的なネットワーク障害を何度も起こし、行政指導を受けるまでの事態になってる。しかし、ソフトバンクモバイルはこの2年間、一度も全国的な障害は起こしていない。障害の最大の理由は、スマートフォンによるネットワークトラフィックの急激な増大にあることは間違いない。ソフトバンクは全国規模の障害を起こさないよう、細心の注意を払ってトラフィックマネジメントをしてきた。

 iPhone 5が普及すれば、3GのトラフィックはLTEにオフロードできる。この4カ月で、LTEの面展開がそれなりに出来上がる。それができれば、ユーザーに迷惑をかけずにテザリングが実現できる。慎重に、真剣に考えてきたので、テザリングについてはこれまでやるとは言わなかったが、LTEの基地局が十分に出来上がったら、テザリングは提供できると考えていた。iPhone 5の発売と基地局の完成を待っていた」(孫氏)

 すでにCTOの宮川氏が指摘しているように、ソフトバンクモバイルの2.1GHz帯のトラフィックはかなり逼迫している状況にある。このトラフィックを、900MHz帯のプラチナバンドと2.1GHz帯のLTEでなんとか処理できるというめどが立ったことから、テザリングの提供を改めて発表したというわけだ。

 孫氏は、最終的に決断したのはツイートの後、昨夜だと話し、会見では「後出しじゃんけんだ」と会場を笑わせたが、これまでにもずっと可能性を検討してきたことを何度も強調した。

プラチナバンドとLTEネットワークの現状

 孫氏がテザリングを「やりましょう」と判断した背景には、900MHz帯のプラチナバンドでの3Gと2.1GHz帯のLTE基地局の建設が順調に推移していることがある。会見の冒頭で9月19日現在のエリアを図示した同氏は「当初想定していたよりも格段に速いピッチで基地局の垂直立ち上げをしている。この進展には満足していて、多くのお客様がこれからソフトバンクの電波が急激によくなっていくことを体感いただけると思う」と、エリアの構築と改善が急速に進んでいる様子をアピールした。

 900MHz帯の基地局は、6300局ほどが完成。建設計画では4万1000局を申請しているが、今年度中にはさらに2万局が完成予定で、2013年にはもっと増えるという。

PhotoPhoto 計画を前倒して900MHz帯の“プラチナバンド”基地局を展開しているソフトバンク。プラチナバンドのエリアができると2.1GHz帯のトラフィックを削減でき、LTEへの切り替えが進むという

 合わせて、実際にプラチナバンドの基地局を展開した事例を挙げ、圏外の場所が減って電波が安定した場所を紹介。プラチナバンドでエリアを作ったとたんに改善したことから、プラチナバンドの有効性を「改めて思い知った」と孫氏は話した。

 「同じ鉄塔で同じ端末で、単純にプラチナバンドの電波を使うだけで、何の発明もなく、何の技術的工夫もしなくても電波がバンバン入るようになった。いままでこのためだけにどれほど苦労させられたか」(孫氏)

PhotoPhoto プラチナバンドの基地局を設置することで、エリアが劇的に改善している事例を紹介した
PhotoPhoto 学校、病院、ゴルフ場、山間部など、これまで電波が入りにくかった場所も“プラチナバンド化”で電波が改善したという

 またLTEのネットワークも、ライバルとなるKDDIよりも広く、速いと説明。KDDIが2.1GHz帯で展開している基地局の数は、免許の申請ベースで4516局しかないこと、一方ソフトバンクモバイルは1万673局あることを指摘し、孫氏は「LTEエリアの広さ、基地局の多さ、電波の届く範囲はKDDIの倍以上先行している」と胸を張った。

PhotoPhoto 2.1GHz帯の基地局の免許数は「KDDIの倍以上ある」と孫氏。エリアも広いと豪語した

※:ソフトバンクモバイルが「LTE基地局免許許可数(2.1GHz)」の数字について、「2013年3月時点」ではなく「2012年8月18日時点」であると訂正したため、プレゼンテーション資料を差し替えました(9月20日15時35分)

 また第三者による速度調査の結果を挙げ、「iPhone 4Sで比較しても、ソフトバンクのネットワークを利用した実効通信速度はauと比べて2倍から3倍速いことが大半だ」と孫氏。同じ10MHz幅でLTEサービスを展開するKDDIと比較した場合でも、「ソフトバンクのiPhone 5はKDDIよりも通信速度が一般的に速い、ということがあちこちで見られるのではないかと信じている」。

PhotoPhoto 3GとLTEを組み合わせれば、iPhone 5が利用できるエリアの実人口カバー率は99%以上だと説明。日経TRENDYや日本経済新聞の調査では、iPhone 4Sの速度がauよりも速かったことを挙げ、iPhone 5でも「きっとソフトバンクの方が速い」と力説
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