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» 2014年04月25日 12時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:「みんな、安いってよく書きますね」――KDDI田中社長がドコモ新料金プラン報道に「物言い」 (1/2)

「情報通信審議会 2020-ICT基盤政策特別部会 基本政策委員会(第4回)」終了後、KDDIの田中社長が囲み取材に応じ、これからは固定網がより重要になると語った。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 4月15日に開催された情報通信審議会2020-ICT基板政策特別部会基本政策委員会終了後、ソフトバンクの孫正義社長がそそくさと会場をあとにするなか、KDDI田中孝司社長の囲みが実施された。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年4月19日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

―― 全体の流れを見ると、規制撤廃をどこまで譲歩するのかという流れを感じたが。

田中社長 規制の緩和を譲歩するというよりは、そもそもいま、規制緩和するのかというのがある。それでも世の中変わっていて、問題があるなら真摯に議論すれば良いと僕は思っている。だから、議論すれば良いのではないかと書きました。全部反対と言ったって仕方ない。

(★ NTTグループは規制緩和を進めたいという意図が見え見えだし)

―― 今日の議論は2010年に戻った感じもしたが。

田中社長 それほど進んでいないということなんですよ。これまで過去5年、10年はモバイルの歴史だったんですよ。最後の無線LANのところは別だけど、もう一回、固定の世界に戻る。

 周りの国は競争が進んで、ヨーロッパですら40%を超えるシェアの事業者は居ないんじゃないですかね。もう一度、固定の世界に戻っていくのに、日本はそのままというのは問題じゃないのという意識。そういうのは一般の人はわからない。

 モバイル、モバイルってなっているんだけど、でも、今日のうちの資料にも出しているんだけど、かなりの部分はオフロードされている。

 次の世代になると、ザ・固定網ですよね。これは先の話なので、先を見ずして、規制をいじってしまうととんでもないことが起こる。

 だって、過去の歴史はそうじゃないですか。世界中、100%のシェアを持っていたキャリアが、全部、競争環境でシェアを落としている。アメリカではモバイルはベライゾンで、固定はコムキャストでしょ。ヨーロッパは軒並みみんな、国の間で入り乱れている。

 日本だけがダントツにNTT、それも72%がNTT東西さんで固定の時代に戻っていくんですよ。これって変じゃないですか。

 一般の人はいまモバイルの時代だと思っているんですね。モバイルはモバイル端末だけど、通信ネットワークは固定に戻っている。

 FTTHっていうけど、次は10Gbpsですよ。技術はそこまで見えている。そんな時代。

(★ 固定が重要となり、モバイルで戦う上でも固定網がないことには戦えない時代がやってくると田中社長は警告を鳴らす)

―― 総務省は結論ありきで議論を進めているように見えるが、この状況をどのように捉えているか。

田中社長 それに対して危機感を覚えている。通常、こういった最初のヒヤリングはふわっとした20年後、30年後の研究開発的な話になるんですけど(危機感があるので)、少し実際的な話をさせていただいたというのが本音。通常はこういったところにあんな報道がバンバンでないんですけど、ちょっと気になる。

(★ 実際的な話に落とし込みすぎて、議論が矮小化されているのは残念だけど)

―― 政治の意図というか。

田中社長 それはちょっとわからない。そこまでは。記者さんのほうがご存じじゃないですか。

―― このままいくとNTTの再統合につながるという強い危機感をお持ちだと。

田中社長 そうですね。そうでなきゃ、あんな記事はでない。

(★ とはいえ、さすがにNTT再統合まで話が行くとは考えにくいが)

―― 押し返す余地というのはどれくらいあるとお思いでしょうか。

田中社長 それはマスコミさんのご理解によるんじゃないですかね。我々が直接的に国民のみなさんに伝えることはなかなかできない。それを伝える役目はマスコミさんだと思っている。是非とも将来ってこういうことになるんだよ、というなかで、通信事業者が担う役割って何なのか。そういうときに競争がなくていいんですかね。という風に考えると、何がポイントなのかはっきりしてくるんではないか。

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