「Xperia Z5 Premium」に触れて気になったこと

» 2015年10月21日 10時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 日本ではNTTドコモからの発売を予定している「Xperia Z5 Premium」(11月下旬発売予定)は、スマートフォンでは初となる4Kサイズ(2160×3840ピクセル)の液晶を搭載していることが大きな特徴。Xperia Z4の開発者にインタビューをしたときは、ワイドクアッドHDの解像度ですら時期尚早という雰囲気を感じたので(→WQHD液晶は時期尚早?/オムニバランスデザインは終わらない?――Xperiaの今後を聞く)、まさかこのタイミングで4K液晶を搭載してくるとは思わなかった。

 そんな「4K液晶」が大きなインパクトを放っているXperia Z5 Premiumだが、気になることもある。事前情報と、9月30日のドコモの発表会で触れた印象をもとに、述べていきたい。

photophoto 「Xperia Z5 Premium SO-03H」のクローム(左)とブラック(右)

4Kの恩恵をどこまで体験できるのか

 Xperia Z5 Premiumの画面サイズは5.5型。50型や60型のテレビならまだしも、スマホのサイズで本当に4Kの恩恵を受けられるのだろうか。

 9月30日の発表会で、実際にXperia Z5 Premiumを手に取って静止画や動画を表示してみた。確かに細部まで精細に表現されていてキレイだったが、フルHDと比較して劇的にキレイか? かと問われると、う〜んとなってしまう。

photophoto 2160×3840ピクセルの写真を拡大しても、細部までくっきりと表示されていることが分かる

 会場では4Kにアップスケーリングした画像と、そうでない画像を比較していて、確かに見比べると前者の方が解像感が高いことが分かるのだが、そもそもフルHDだって十分高解像度なのだから、「うおおお!」というほどの感動は得られなかった。会場で数分しか触れなかったので、普段使いだと印象は変わってくるのかもしれないが……。

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photo 4Kにアップスケーリングした写真と、そうでない写真を比較

 ちなみに「そもそも4Kコンテンツ自体が少ないじゃないか」という懸念もあるだろうが、ビデオアプリ、YouTube、dビデオなどで再生した映像コンテンツは4K相当にアップスケーリングされるので、こうした心配は無用だろう。

 個人的に4K液晶が生きるシーンとして楽しみなのは、撮影した写真や動画を表示するとき。Xperia Z5 Premiumで撮影した写真や動画を「アルバム」「ビデオ」アプリで表示すると、4Kで再生される。Z5 Premiumで撮影した写真は「プレミアムおまかせオート」を有効にしていると、2070万画素から800万画素相当に圧縮することで、ノイズを除去して鮮明に記録してくれる。800万画素=4Kサイズ(2160×3840ピクセル)なので、Z5 Premiumのディスプレイなら800万画素の美しさを100%再生してくれる。

photo 4Kサイズで撮影した動画を拡大してもキレイに再生できる。撮影した4K動画からお気に入りのシーンを切り出して、約800万画素の静止画として保存する機能も用意した

 “5.5型の4K液晶”でどこまで感動できるかは未知数だが、長く使うほどにじわじわと感動が増していくのかもしれない。というわけで現時点の結論は「早く普段使いしてみたい」としたい。

バッテリーの持ちや発熱は

 4Kサイズの表示ができるのは「アルバム」「ビデオ」アプリで再生したものや、YouTubeなどの動画サービスに限られ、ホーム画面やブラウザなど、そのほかのシーンやアプリでは従来と同じフルHDの表示となるので、写真や動画を長時間使わない限り、バッテリーには影響がなさそうだ。

 また、Xperia Z5 Premiumの液晶には、一度表示した画像を記憶するメモリを採用しており、もう一度再生する際に読み込みをし直す必要がないので、これもバッテリーの長持ちに貢献する(→「Xperia Z5 Premium」の4Kディスプレイについて、ソニーがあらためて説明)。

 Xperia Z4を使っていて気になった「本体の発熱」は、Xperia Z5 Premiumでは改善されたのか。Z5 PremiumはZ4と同じQualcommのSnapdragon 810をプロセッサに採用しているだけに、なおさら気になる。9月30日の展示場で数分間触った限り、本体が熱いと感じることはなかった。これはXperia Z5も同様だ。発熱を抑える最適化を進めたのだと思う。

背面ピカピカ、指紋ベタベタ

 ドコモのXperia Z5 Premium(SO-03H)はクロームとブラックの2色をラインアップしており、どちらも高級感を出すために鏡面仕上げとなっている。いや鏡面仕上げというか、クロームは「鏡そのもの」と言っていいほど反射する。確かにこれ以上ない高級感を得られるのだが、スマートフォンは常時身に付けているものなので、電車内や駅構内など公共の場では気を遣う必要がありそうだ。

 ブラックはクロームほど反射が強くないので、気になる人はブラックを選ぶのがいいだろう。なお、グローバルで発表された「ゴールド」は、SO-03Hでは用意されない。これはちょっと残念だ。

photo 特にクロームが反射する

 指紋がやたらと目立つのも気になった。指紋が付いた本体を日頃から磨くことで愛着がわく……なんてことはよく言われるが、それでも指紋が目立つよりは目立たない方がいい。Xperia Z3やZ4など、最近のXperiaは指紋が目立たないよう処理をしていただけに、少し残念に感じた。

photo 指紋をぺたぺた付けると、一気にこんな感じに

価格もプレミアム

 NTTドコモによると、Xperia Z5 Premiumの価格は「実質7万円台半ば」とのこと。一括ではなく実質……なのだ。「実質5万円台半ば」というXperia Z5、「実質4万円台半ば」というXperia Z5 Compactと比べても高価だ。一括で10数万円もすることはないとは思うが、月々サポートの割引額が抑えられているのだろう。

 ちなみにドコモはXperia Z5をMNPした場合は実質1万円程度になるよう割り引くなど、Z5シリーズの販売施策は無印の「Z5」が最も優遇されている。4K液晶に差額分の価値を見いだせるかどうかだが、ユーザーにとっては悩ましい選択になりそうだ。

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