ロケットモバイルが“ロケットスタート”を決めたが!?――「格安SIM」18サービスの実効速度を比較(ドコモ回線5月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

» 2016年06月01日 15時45分 公開
[小林誠ITmedia]

 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、2015年7月から各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は2016年5月編として、先月のドコモ系MVNOの通信速度をレポートしたい。au系MVNOについても同時に調査したので、別途記事化する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

「通信速度定点観測」バックナンバー
MVNOのSIMカードのパッケージ

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の19サービスだ。

  • IIJmio
  • OCN モバイル ONE
  • BIGLOBE LTE・3G
  • b-mobile(おかわりSIM)
  • So-net モバイル LTE
  • 楽天モバイル
  • NifMo
  • ぷららモバイルLTE(7GBプラン)
  • ロケットモバイル(1GBプラン)
  • FREETEL SIM
  • DMM mobile
  • U-mobile(LTE使い放題)
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)
  • mineo(Dプラン)
  • DTI SIM
  • 0 SIM
  • イオンモバイル
  • ドコモ(mopera U)

 本家ドコモのサービスであるmopera Uを除くと、MVNOのサービスは計18。ただし、いつも調査を行っている「ワイヤレスゲート」は新しいSIMカードへと交換するため、今回はお休み。そこで“ポイント割引”で話題の新規参入MVNO「ロケットモバイル」の1GBプランを追加した。

 なお、いずれのSIMも下り最大150Mbpsまたは225MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 2×2台
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間帯
  • 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都港区のアイティメディア社内(午後のみ)
  • 計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 各サービスの測定を開始した時刻は、以降の各時間帯の表を見てほしい。通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。

 人力のテストなので、全てのサービスを同時に測定しているわけではないことはご理解いただきたい。またau回線の記事でも触れるが、測定の前半はauのMVNOも同時に計測しているため3台同時の測定となり、前半のサービスは測定を始めるまでの準備に時間がかかっている。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

平日午前は5月も「イオンモバイル」がトップ! 「ロケットモバイル」も3位に!

 今回の測定は5月25日(水)と31日(火)にJR横浜駅西口前、5月26日(木)に東京都港区のアイティメディア社内で行った。まずは25日に行った横浜駅での午前中の測定結果をお伝えする。

横浜駅西口での測定結果(午前)

 当日の天候はどんよりとした曇り。ジメジメとして蒸し暑く、強い風が吹いていた。天候は悪化しそうな雰囲気があったものの、通勤通学の様子はいつもと変わりなく、9時に向けてターミナル駅らしい大勢の通行人が見られる。これに合わせて政治家の街頭演説も行われていたが特段周辺の混雑に影響はなく、9時を過ぎると周囲の人が減っていき、演説も終了した。

 今回の最速は先月に続いて「イオンモバイル」。しかも下り平均21Mbps以上、上りの通信速度も20Mbpsを超え絶好調だ。3月に追加してから横浜駅午前中の成績は大変良い。

 さらに下り平均20Mbps以上が2サービス。常に上位に顔を出すことでおなじみの「FREETEL SIM」と新規追加の「ロケットモバイル」だ。FREETEL SIMの強さはさすが。さらにロケットモバイルがいきなりトップ3とは見事だ。ロケットモバイルの場合、上りの速度では2位につけており、上々のスタート。

 午前中はネットワークが空いているためこれまでのテストでも速度はよく出る。4位に「mineo(Dプラン)」の16Mbps、5位に「BIGLOBE LTE・3G」と有名どころが並び、さらに下り平均10Mbps以上に7サービス、「So-net モバイルLTE」「楽天モバイル」「NifMo」「DMM mobile」「U-mobile(LTE使い放題)」「Wonderlink(LTE I)」「0 SIM」がひしめいている。

 上りの速度を見ると、ワースト1位は「0 SIM」だが、それでも上り平均5Mbps台であり実用上は問題なさそうだ。

 また計測開始時刻を見ても分かるように、若干手間取り、全体的に計測時間が遅くなっている。周囲の人が減る後半のサービスのほうが有利になるかと思われたが、必ずしもそういうわけではなさそうだ。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 8:57 9.23 6.69
OCNモバイルONE 8:57 7.16 7.71
BIGLOBE LTE・3G 9:01 15.1 10.81
b-mobile(おかわりSIM) 9:01 9.74 10.31
So-net モバイルLTE 9:07 13.2 11.03
楽天モバイル 9:07 11.88 11.22
NifMo 9:10 12.81 8.78
ぷららモバイルLTE 9:10 1.14 9.77
ロケットモバイル 9:25 20.22 11.85
FREETEL SIM 9:25 20.93 8.14
DMM mobile 9:28 13.84 9.39
U-mobile(LTE使い放題) 9:28 11.73 8.77
Wonderlink(LTE I) 9:31 14.83 8.46
Wonderlink(LTE F) 9:34 5.56 9
mineo(Dプラン) 9:34 16.06 7.67
DTI SIM 9:37 8.15 7.9
0 SIM 9:37 11.07 5.75
イオンモバイル 9:39 21.17 20.55
ドコモ(mopera U) 9:31 9 7.62

平日午後はMVNOトップは「FREETEL SIM」

 横浜駅前12時20分からの測定は、筆者の事情で31日(火)に行った。25日と違い、前日の雨がうそのように晴れわたり、気温も上昇、いかにも夏! といった天候だ。ただそれだけ暑いと冷房のあるデパートや駅構内、地下街にいるようで思ったよりも周囲に人がいない。屋外だけを見ているとケータイの利用者は少ないか? と思うのだが……。

横浜駅西口での測定結果(午後)

 残念ながらランチタイムはやはりネットワークが混雑するようで、下り平均で1Mbps未満が頻発した。4月は1Mbps未満が7サービスだったが、5月は11サービスと増えてしまった。

 トップは本家ドコモの「mopera U」で、下り平均14Mbps台と唯一の10Mbps以上。4月は4サービスが10Mbps以上だったので、上位陣の速度も落ちている。2位は4月と同じく「FREETEL SIM」。10Mbpsを切ったとはいえ下り8Mbps台であれば十分だろう。混雑時に強く、速度上位陣の常連だ。

 3位の「DTI SIM」は5Mbps台。FREETEL SIMと同じく混雑時でも速度が出るサービス。4位に「b-mobile(おかわりSIM)」が3Mbps台でランクイン。5位には先月3位の「Wonderlink(LTE F)」が頑張っているが、4月に15Mbpsだったのが1.37Mbpsと速度は大幅低下。

 かろうじて下り平均1Mbps以上を達成できたのは他に「So-netモバイルLTE」と「イオンモバイル」。どちらも下り平均1.02Mbps。

 ワースト1位は下り平均0.36Mbpsの「NifMo」で、2位に0.41Mbpsの「OCNモバイルONE」、3位は0.51Mbpsの「mineo(Dプラン)」と冴えない結果が続く。

 ただし下りは1Mbps未満でも、上りの速度では「ロケットモバイル」が上り平均15.74Mbps、「NifMo」が11.59Mbps、「BIGLOBE LTE・3G」は10.94Mbpsと好調で、「イオンモバイル」も10.48Mbpsと上り10Mbps以上が4サービスもあった。上りのワースト1位ですら「b-mobile(おかわりSIM)」の2.19Mbpsで下りほど悪い結果はなし。

※「ぷららモバイルLTE」は、31日時点で契約が終了していたため、測定していません(6/2 0:46追記)。
JR横浜駅西口での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:21 0.9 9.44
OCNモバイルONE 12:21 0.41 9.73
BIGLOBE LTE・3G 12:26 0.91 10.94
b-mobile(おかわりSIM) 12:26 3.18 2.19
So-net モバイルLTE 12:32 1.02 7.63
楽天モバイル 12:32 0.86 4.78
NifMo 12:35 0.36 11.59
ロケットモバイル 12:38 0.83 15.74
FREETEL SIM 12:38 8.26 9.29
DMM mobile 12:41 0.84 5.44
U-mobile(LTE使い放題) 12:41 0.9 7.06
Wonderlink(LTE I) 12:43 0.93 4.75
Wonderlink(LTE F) 12:46 1.37 6.68
mineo(Dプラン) 12:46 0.51 7.91
DTI SIM 12:49 5.28 6.91
0 SIM 12:49 0.8 7.33
イオンモバイル 12:51 1.02 10.48
ドコモ(mopera U) 12:43 14.84 6.73

平日夕方はボロボロ! ドコモ本家すら3Mbps台のなか「IIJmio」が2位に浮上!

 横浜駅夕方の測定は25日に行った。この時間帯は周囲の人出が大変多く、ランチタイムよりも混雑している。待ち合わせの人も多く、周辺での携帯電話の利用率は高いはずだ。

横浜駅西口での測定結果(夕方)

 4月もかなり伸び悩んだが、5月はさらに速度が落ちた。トップはドコモ本家の「mopera U」だが3.68Mbps。混雑時に強いといわれるドコモ本家の数字がこれだ。これに追随したのがMVNOを古くから手掛け、ベテランのモバイラーに知名度の高い「IIJmio」。下り平均3.06Mbps。3Mbpsに達したのはこの2サービスのみ!

 3位には「DMM mobile」、4位に「Wonderlink(LTE I)」でこの2サービスは下り平均2Mbps台。そして……残るサービスのうち10サービスは下り平均1Mbps台。「NifMo」の1.97Mbps、「FREETEL SIM」の1.96Mbps、「b-mobile(おかわりSIM)」の1.82Mbpsあたりは2Mbpsに近く惜しい印象。もっとも実際に利用しての差はとくに変わらないだろう。

 下り平均1Mbps未満は5サービスで、ランチタイムよりマシとはいえ、これまた先月の2サービスより増えてしまった。とくに「ぷららモバイルLTE」の0.4Mbps、「OCNモバイルONE」の0.54Mbpsは痛い数字。

 上り平均も伸び悩んでいるが、ワーストが2.68Mbpsの「イオンモバイル」で、トップは「NifMo」の6.57Mbpsと、全サービスが数Mbps台の範囲内。取りあえず全てのサービスが上りの速度では実用レベルといった印象だ。

JR横浜駅西口での測定結果(夕方)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 18:02 3.06 4.65
OCNモバイルONE 18:02 0.52 4.97
BIGLOBE LTE・3G 18:06 0.85 5.42
b-mobile(おかわりSIM) 18:06 1.82 4.46
So-net モバイルLTE 18:12 1.5 5.02
楽天モバイル 18:12 1.28 4.31
NifMo 18:15 1.97 6.57
ぷららモバイルLTE 18:15 0.4 5.59
ロケットモバイル 18:19 1.6 4.22
FREETEL SIM 18:19 1.96 4.56
DMM mobile 18:21 2.43 4.84
U-mobile(LTE使い放題) 18:21 1.11 4.35
Wonderlink(LTE I) 18:24 2.2 3.28
Wonderlink(LTE F) 18:27 1.33 4.35
mineo(Dプラン) 18:27 0.84 5.22
DTI SIM 18:30 1.77 3.08
0 SIM 18:30 0.97 3.15
イオンモバイル 18:32 1.09 2.68
ドコモ(mopera U) 18:24 3.68 3.91

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