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» 2017年01月16日 15時31分 UPDATE

2016年の格安SIMを振り返る&2017年への期待 (1/3)

2016年は格安SIMが伸びた1年だった。大手企業の参入や、かけ放題、カウントフリー、コミコミプランなどが目立った。2017年への期待もまとめたい。

[田中聡,ITmedia]

 2016年は「格安SIM」のサービスが伸びた1年だった。MM総研の調査によると、MVNOが提供している独自サービス型SIM(WiMAXやAXGPなどを除く)の回線数は、2016年9月末で657.5万となり、2015年9月末の405.8万回線から62%増加した(関連記事)。今回は2016年に特に目立ったトピックと、2017年への期待をまとめたい。記事での価格は全て税別。

イオンやLINEのMVNO参入、楽天の攻勢

 大手企業がMVNOでも存在感を示し始めている。イオンは、当初は店頭で他社MVNOのサービスを扱っていたが、2016年2月に、自らがMVNOとなって「イオンモバイル」を開始(関連記事)。取り扱い店舗数の多さ、音声プランでも解約金なし、サポートの充実などで差別化に努めた。

格安SIM イオンがMVNOとなって2月に「イオンモバイル」を開始

 9月には、かねてサービスインを予告していた「LINEモバイル」がスタート(関連記事)。月500円でLINEが使い放題になる「LINEフリー」や、Twitter、FacebookなどのSNSが使い放題になるプランも用意して話題を集めた。

 「楽天モバイル」を提供する楽天も、さまざまな手を打ってきた。楽天スーパーポイントとの連携、VoIPアプリ「Viber」が無料で使える「050データSIM」、基本料金+端末代+5分かけ放題込みで月1880円からの「コミコミプラン」の提供など、攻めの姿勢が目立った(関連記事)。他社がなかなか踏み込めないテレビCMまで展開できるのも、体力のある楽天ならではだ。

格安SIM 楽天モバイルもサービスを大きく強化。大容量プランやデータシェアサービスも開始した

 イオン、LINE、楽天といった企業が格安SIMを展開することで、格安SIMの認知度が上がり、ユーザーの裾野を広げられたといえる。

Y!mobileとUQ mobileの勢力拡大

 Y!mobileはソフトバンクが運営しているのでMVNOではないが、格安SIMの領域に進出し、存在感を出している。ドコモやauと違い、ソフトバンクの回線を使ったMVNOがほぼ存在しないため、Y!mobileがその受け皿になっているのが現状だ。

 月500円前後ほどの格安料金ではないが、ソフトバンクと同じ回線、10分かけ放題+2GBで月1980円からというプランは、MVNOと遜色ないか、それ以上の内容だ。3月に「iPhone 5s」を扱い始めたことも話題を呼び、Android Oneの「507SH」(シャープ製)も好調に売れている。何より全国に展開するY!mobileショップの影響力が大きい。スマホに詳しくない層が気軽に立ち寄って相談、契約できるのは、大手キャリアならではの強みだ。

格安SIM 1年間限定だが、月1980円という料金をアピールしている「Y!mobile」

 そんなY!mobileに対抗心を燃やしているのが、KDDIグループのUQコミュニケーションズだ。「UQ mobile」で無料通話90分+2GBで月1980円からというプランを提供したほか、7月にはiPhone 5sの販売も開始。au VoLTE対応機の拡大の伴い、Androidの対応機種も増加した。10月から「UQモバイル、だぞっ」のフレーズでおなじみのテレビCMを全国でオンエアし、認知拡大にも努めている。

格安SIM UQ mobileのY!mobileに対抗し、最大13カ月は月1980円で運用できることを訴求している

 一方で、総務省の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドライン」についての意見募集では、MNO(大手キャリア)の子会社やサブブランドが、他のMVNOではなしえない料金やサービスを提供していることが、MVNO市場の寡占につながるといった意見が挙がっている。2017年はY!mobileやUQ mobileの施策に対し、総務省から「待った」がかかる可能性もゼロではなく、注視する必要がある。

3分/5分かけ放題の増加

 MVNOの音声通話は、30秒あたり20円の従量課金が主流で、大手キャリアが提供しているかけ放題プランはほとんど見られない。しかし2016年は「3分」や「5分」といった時間と回数限定ではあるが、準かけ放題のオプションを提供するMVNOが増えた。

 3分かけ放題は「U-mobile」「BIGLOBE SIM」「b-mobile」で提供。5分かけ放題は「DTI SIM」「OCN モバイル ONE」「楽天モバイル」「FREETEL」「UQ mobile」「mineo」「J:COM MOBILE」で提供している。

 IIJmioでは、5分かけ放題なら家族とは30分かけ放題、3分かけ放題なら家族とは10分かけ放題になるといった独自のプランを提供しており、差別化を図った(関連記事)。

格安SIM IIJは、家族と30分または10分かけ放題の独自サービスを提供

 なおUQ mobileとDTI SIMのかけ放題は、大手キャリアの音声回線をそのまま使っている。その他は中継回線を使ったもので、楽天モバイルなら「楽天でんわ」、IIJmioなら「みおふぉん」といった専用アプリを使い、プレフィックス番号を付加して電話をかける必要がある。

 数は少ないが、IP電話のかけ放題サービスもある。イオンモバイルは月1500円、「NifMo」は月1300円でIP電話がかけ放題になるオプション、「トーンモバイル」は月700(キャンペーン期間は月500円)円で10分間のIP電話がかけ放題になるオプションを提供している。

 制約は多いものの、通話サービスの選択肢が増えたことで、「通話料金が高い」という格安SIMへの障壁が減りつつある。

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