これぞ型破り――なんだかんだでPCI Express接続のSSDが主役だった5月5分で分かった気になる、5月のアキバ事情(3/3 ページ)

» 2009年06月04日 17時18分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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「出せば売れる」状態のRadeon HD 4770と、まだまだ人気AGP 8Xカード

Sapphire「HD4770 512M GDDR5」

 カテゴリ単位でみると、今月特に元気がよかったのはグラフィックスカードだ。過熱気味の人気があるのは、4月末から各社が搭載カードを投入しているRadeon HD 4770。供給量がまだ少なめということもあり、「どのメーカーの製品でも、入荷したら即売れるといった状況です。ブームが落ち着いたGeForce 9600 GT省電力版に変わる新しい売れ筋モデルといえますね」(TSUKUMO eX.)といったコメントが複数のショップで聞かれた。

 Radeon HD 4770は消費電力が80ワットと低めのミドルクラスGPUで、リファレンスカードはGDDR5メモリを512Mバイト搭載している。価格は1万2000円前後だ。人気の理由についてツートップ秋葉原本店は「1万円強のグラフィックスカードとしては、旧モデルであるHD 3700シリーズからの高性能化が著しいのが特徴です。乗り換えの効果が体感できるので、買い換え需要が起きていると思われますね」と語る。

 その陰で一部のユーザーに熱烈に支持されているのが、高性能なAGP 8Xカードだ。5月中旬にはASUSTeKからRadeon HD 3450搭載の「AH3450/DI/512MD2」が8000円弱で登場。ロープロファイル対応でHDMI出力に対応しているのが特徴だ。パソコンショップ・アークは「Socket 478やSocket 939マザーを使っているユーザーはまだまだ多いので、AGP 8X人気もそれに伴って堅調を維持しています。最近はフルHD液晶が安くなっていることもあり、HDMI出力で使いたいという方が増えています。AH3450/DI/512MD2はそうした需要をフォローしてヒットしているといえますね」と話していた。

 さらに5月末には、AGP x8接続でハイエンドといえるRADEON HD 4650搭載カードが登場した。ギガバイトの「GV-R465D2-1GI」で、価格は1万1000円前後だ。GDDR2メモリを1Gバイト搭載しており、HDMI出力にも対応している。T-ZONE.PC DIY SHOPは「AGP x8接続ではオーバースペックかもしれないくらいに高性能です。HD 3000シリーズから乗り換えてもパフォーマンスの高さが実感できると思います。ハイスペック志向の人でも、コレを使っていれば、まだ現在のマシンを延命してもいいかなと思うかもしれませんね」と話していた。

ASUSTeK「AH3450/DI/512MD2」(写真=左)。ギガバイト「GV-R465D2-1GI」(写真=中央/右)

目玉とOCユニットと限定100枚――MSIがグラボ市場で大暴れ

MSI「R4870-MD1G」(上)と「N260GTX Twin Frozr」(下)

 メーカー単位で5月の新製品を見返すと、1カ月を通して話題性が高かったのはMSIだ。パッケージのインパクトで注目を集めたのは、5月中旬登場の「R4870-MD1G」と「N260GTX Twin Frozr」。それぞれRadeon HD 4870とOC版のGeForce GTX 260を搭載したPCI Express x16カードで、独自クーラーを搭載しているのが基板上の特徴。パッケージには巨大な右目が描かれており、店頭で異彩を放っている。価格はR4870-MD1Gが2万3000円前後で、N260GTX Twin Frozrが2万4000円弱。在庫は潤沢だ。

 TSUKUMO eX.は「パッケージで選ぶユーザーはほとんどいませんが、MSIのこれらはインパクトが違います。どれでもいいやとグラフィックスカードを買いに来た人の目につく確率は高いでしょう。これが成功したら、各社でパッケージ戦争が起きるかもしれませんね」と語った。

 付加機能で人気を集めたのは、5月初旬に登場した「N260GTX LIGHTNING」だ。グラフィックスカードのオーバークロック設定が行えるタッチセンサー内蔵のコントロールパネルを付属しており、5インチベイに装着してリアルタイムにクロックを変更ができるのが特徴。搭載するGPUはGeForce GTX 260で、価格は3万5000円弱だ。

 パソコンショップ・アークは「特徴が分かりやすくお得感が実感できるとあって、発売当初から人気ですね。同じクラスのカードと比べると高価ですが、こうした付加価値で勝負するモデルが成功すると、商品の幅が広がります。ロングヒットしたらうれしいです」と話していた。

 最後は、シングルコアのグラフィックスカードで最高峰の性能を誇ると評判の「N285GTX SuperPipe 2G OC」。5月下旬に登場したGeForce GTX285搭載カードで、オーバークロックを施しているほか、GDDR3メモリを2Gバイト搭載する。国内限定100枚のみ生産したというプレミアムモデルだ。

 パソコンショップ・アークは「ゲームによってはデュアルコアやSLI、CrossFire構成を生かせないものもあります。このため、ゲーマーの間ではシングルコアで最強クラスのカードが根強い人気を誇っています。N285GTX SuperPipe 2G OCは100枚限定ということもあって、入荷したら即座に購入される方がいましたね」と語る。価格は5万円前後だ。

MSI「N260GTX LIGHTNING」(写真=左)。N260GTX LIGHTNING付属のタッチセンサー。4月26日の「MSI お客様大感謝祭2009春」で披露していた(写真=中央)。MSI「N285GTX SuperPipe 2G OC」(写真=右)

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