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» 2011年09月15日 15時10分 公開

ハリー・ポッターのダイニングホールみたい!? IT企業でなくてもフリーアドレス実現脱ガンジガラメの働き方(3/3 ページ)

[まつもとあつし,Business Media 誠]
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 いいことづくしのように見えるフリーアドレスだが、今回紹介したJINSの事例からは、その成功のための3つのポイントがあると言えそうだ。


ポイントその1:「席」を意識させないデザインと運用

 フリーアドレスを導入したと言っても、通常のオフィス什器を使って、私物を収納できてしまっては「自分の席」が固定されてしまう。JINSは徹底的にそれを意識させないデザインとルールで運用していて「同じ場所に同じ人が毎日座っている、という光景はありません」と中島さんは言う。個人用のキャビネットを用意せず、それ移動させるといったことも排した徹底ぶりだ。それによって以前はあまり会話を交わしたことがなかった人ともコミュニケーションが取れるようになったというメリットも。

ポイントその2:誰がどこに居るか一目で分かる空間作り

 フリーアドレスによって、これまで見てきたような生産性の向上が期待できるが、一方で、特に上長にとっては「誰がどこに居るか分からなくて困る」という問題が起こり得る。JINSのオフィスは什器の高さやレイアウトを工夫することによって、少し立ち上がれば、オフィス全体が見渡せるので、誰がどこに居て、いま何をしているかも把握することができる。毎朝行うという全社朝礼もそれに一役買っている。

ポイントその3:モノは共有することで削減を図る

 JINSのフリーアドレスは、必要最低限の個人用ロッカーと、部署毎のキャビネットの合わせ技にも特徴がある。私物は可能な限り少なくして、チームで共有できる資料や備品は1箇所に集まることになる。モノがおけるスペースが限定されることで、持ち物を減らす方向に自然に意識が向かうのがポイントだ。

フリーアドレスにも例外はある。人事・経理など管理系のスペースは別に設けて、他のワークスペースとはガラスで仕切っている(管理系スペース内の座席は自由)。カスタマーサポートなどデータの管理が厳密な業務にはデスクトップPCを配置

 取材を通じて、フリーアドレスの「自由」な面と、そのメリットを享受するためのルール作りのバランス感が重要だと改めて感じた。現在100人前後と、比較的本部機能がコンパクトだからこそ、という面もあるが、フリーアドレス導入の1つの成功例として参考になるのではないだろうか。

脱ガンジガラメの働き方

著者紹介:まつもとあつし

 ジャーナリスト・プロデューサー。ASCII.jpにて「メディア維新を行く」ダ・ヴィンチ電子部にて「電子書籍最前線」連載中。著書に『スマートデバイスが生む商機』(インプレスジャパン)『生き残るメディア死ぬメディア』(アスキー新書)など。取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進めている。DCM(デジタルコンテンツマネジメント)修士。9月28日にスマートフォンやタブレット、Evernoteなどのクラウドサービスを使った読書法についての書籍『スマート読書入門』も発売。


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