GALAPAGOS端末には、今回シャープが特に注力した“きめ細やかな使い心地”を反映させたという。ユーザーインタフェース(UI)にはどんな工夫を施したのだろうか。まずはホーム画面から見ていこう。ホーム画面には購入した電子書籍コンテンツのサムネイルが並び、画面上部の「未読・おすすめ」「最近読んだ本」「お気に入り」「定期購読」から、表示するコンテンツを変えられる。コンテンツの並びを替えたり、お気に入りに追加したりもできる。
ホーム画面左下の「ブックシェルフ」を押すとコンテンツの表示方法が変わり、タイトルや著者別、または「しおり/マーカー」を付けたコンテンツを閲覧できる。「マイクリップ」には、後述するPCソフト経由で転送したPDFやXMDFファイルが集約される。
GALAPAGOS端末は、シャープが開発した電子書籍フォーマット「XMDF」を発展させた「次世代XMDF」に対応している。次世代XMDFでは、動画や音声を含むデジタルコンテンツを閲覧できるほか、文字サイズに合わせて自動で段組を替える機能など、電子書籍のさらなる読みやすさを目指した。
この次世代XMDFならではの機能として、画像+テキストの記事からテキストのみを抽出する「ハイブリッドビュー」を採用した。雑誌そのままのレイアウトだと電子書籍端末では読みにくい場合があるので、最適なレイアウトで文字だけをじっくり読みたいときに重宝する。
タッチパネルは静電容量式を採用。複数のポイントに触れて操作をするマルチタッチにも対応しており、2本指でつまんで画面を縮小/拡大するピンチイン/アウトの操作も可能。ページの切り替えは画面を左右にフリックするか、モバイルタイプはトラックボールを転がすか押すことで行える。
さらに、ダブルタップをして段組や文字サイズを変えたり、写真+文字の記事で文字のみを拡大するといった操作も行える。これらの操作はコンテンツによって異なり、例えば「画面サイズぴったりに表示するコンテンツは、ピンチイン/アウトはできない」(説明員)。
端末はモーションセンサーを内蔵しているので、横向きに傾けるとコンテンツも横表示になる。ただし、「コンテンツによっては縦画面しか表示できない」(説明員)。読みかけた途中から再開できる「しおり」や、特定の部分に印を付けられる「マーカー」機能もある。このほか、テキストの任意の部分を選択して辞書で調べる連携機能も用意した。辞書は「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和MX」「ジーニアス和英MX」をプリセットしている。
専用のPCソフト「GALAPAGOS Station」(ダウンロード提供)を利用することで、GALAPAGOS端末で購入したコンテンツをPCで管理(バックアップ)できる。バックアップには「しおり」や「マーカー」などの設定も反映されるので、機種変更した際や、コンテンツを復元する際に役立つ。ちなみに、コンテンツを削除してしまった場合は「再ダウンロードが可能だが、その期間はコンテンツによって異なる」(説明員)
同ソフトではPDF、Word、ExcelなどのファイルをXMDF形式に変換してGALAPAGOS端末で閲覧することも可能(PDFは変換しなくても閲覧できる)。説明員によると、iTunesのようにPCからでも電子書籍コンテンツを購入できる予定だという。ただしPCからコンテンツの閲覧はできない。
電子書籍の購入にはクレジットカードを用いるので、ユーザーは購入後、アカウントを取得してクレジットカードの情報を登録する必要がある。購入した電子書籍コンテンツは各ユーザーのアカウントにひも付けられるが、ホームタイプで購入したものをモバイルタイプで読むという具合に、「複数のGALAPAGOS端末でコンテンツを閲覧することもできる」(説明員)。
サービス開始時には約3万冊のコンテンツが配信される予定。コンテンツの料金は「売り切りか、月額いくらという形になるだろう」(説明員)とのこと。
シャープによると、これら電子書籍端末の詳細は12月の発売直前にあらためて発表するとのこと。端末の価格はどの程度になるのか、通信キャリアと連携する予定はあるのか、どのような方法で販売されるのか――など気になる点が多いだけに、続報を待ちたい。
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