9月上旬に韓国のSamsung電子へ取材で訪れた際に、「テクノマート」のケータイショップを案内してもらった。テクノマートは、電化製品を中心とした販売店が多数入居する大型ショッピングビル。日本の量販店に近いが、その規模はテクノマートの方が大きく、家電以外に衣類や雑貨なども購入できる。アクセスは、地下鉄2号線の江辺(カンビョン)駅1番出口から。休日は第2、4火曜日。
このテクノマートの6階には、100店舗以上のケータイショップがひしめき合っている。1フロアに膨大な数のショップが並ぶ光景は圧巻。これだけのショップが乱立していると、客はどの店を選んでいいのか分からないのでは……と思うほどだった。
日本の量販店では通信キャリアごとに販売スペースが区切られているが、テクノマートでは1店舗が複数キャリアの商品を扱う併売店が並んでいるので、例えばKTFが発売したiPhone 4と、SK Telecomが発売したXperia X10を、同じ店舗で購入できたりする。なかなか珍しい光景だが、日本では街中にある併売店が一挙に集まったという印象だ。
GALAXY Sが9月15日までに韓国で約110万台売れたこともあり、テクノマートでもGALAXY Sを大々的にアピールしている店舗が多かった。また、ショップを訪れた日(9月9日)がiPhone 4の発売前日だったこともあり、iPhone 4を大きく扱っているショップも見られた。
ちなみに、Xperia X10は韓国では6月に発売されたが、とある店員に「Xperiaはどう?」と聞いたら、手を下げるジェスチャーを交えながら「ダウン、ダウン」と話していた。日本では50万台近く売れたXperiaだが、韓国ではいまひとつのようだ。韓国のAndroid端末は(9月当時は)Android 2.1搭載機種が多いので、Android 1.6のXperia X10はその時点で不利。またSamsungやAppleに比べて、Sony Ericssonのブランドが日本ほど浸透していないことも原因かと思われる。
フロアを歩いていて「日本と違う」と思ったのは、とにかく客の呼び込みが盛んなこと。日本の量販店とは違い、いわば個人商店が1フロアに集まっているのだから、各ショップは皆ライバル。それだけに呼び込みも激しくなるのだろう。韓国語なので何を話しているのかは分からないが、歩き回っているだけでいっせいに話しかけられるので、初めて訪れた人は圧倒されるかもしれない。ただ、「イルボンサラムイムニダ(日本人です)」と答えたら、「ああ、なんだ」という感じで呼び込みをやめたので、見学だけしたいときはこれで回避できそうだ。
「テクノマートでケータイを買ってみたい」という人は、日常会話程度だが、日本語の話せるスタッフがいる「江辺(カンビョン)通信」を訪ねることをお勧めする。同店舗ではプリペイドとポストペイド端末が販売されており、中古端末もある。端末の価格はピンキリで、5万ウォン(約3661円)〜60万ウォン(約4万3940円)ほど。新品は35万ウォン(約2万5632円)、中古なら20万ウォン(1万4646円)ほどで購入できるものが多いという。江辺通信は6階の「B-024」エリアで営業しているので、韓国に行く機会のある人は訪ねてみるといいだろう。
日本のケータイショップは量販店とキャリアショップが多いが、韓国では併売店を特に多く見かける。また、テクノマートのような電気街や街中のほか、地下鉄の構内にもショップが多い。ソウルの中心地を電車で移動して何度か乗り換えると、かなりの高確率でケータイショップに出くわすはずだ。機会があったら韓国のケータイショップ事情も取材してみたいと思った。
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