ということで、今回は、Store Locatorで坊氏に探してもらったT-Mobile 直営店を訪れた。同行してくれたのは、これまた現地で出会った某氏、いや、混乱するのでそのスマートな立ち姿から「棒氏」とここでは呼ぶことにした日本人だ。
訪れたT-Mobile直営のMaryland&Flamingo店は、かわいい女性スタッフ2名と、ごついおじさんスタッフが切り盛りしていた。当然ながら、私と棒氏はかわいい女性スタッフに「データ通信用プリペイドSIMカードを売ってください」とお願いするも、なぜか、おじさんスタッフが対応してくれる。プリペイドSIMカードの購入代金は10ドル。Refill Cardとして25ドルを一緒に購入してその場でチャージした。お願いすれば開通処理もその場で対応してくれる。支払いは日本で発行したクレジットカードでもOKだった。T-Mobileのやさしいおじさん、ありがとう。あれ、説明書はどこですか?
「いや、これは、うちのショップで回収することになっているから」
と、説明書を引き上げてしまった。な、なぜ?
とはいえ、開通手続きはすべてやったもらった。開通告知のSMSも受信した。すべて終了、と思いきや、なぜかインターネットサービスが使えない。んんん? ああそうか、アクセスポイントの設定をしていないからか? 説明書を取り上げられた、いや、回収されてしまったので、すべての設定を自動設定で済ませた棒氏のスマートフォンから、APN設定に関する内容を見せてもらう。APNは「epc.tmobile.com」でユーザー名とパスワードはなし。よっし、入力した。しかし、それでもインターネットサービスが使えない。T-Mobile直営店のかわいい女性スタッフに聞いたところ、「“epc.tmobile.com”で問題がある場合は、“wap.voicestream.com”を試してみるといいのよ」という。
が、それでも解決しない。うーむ。と、そこですでにT-Mobileでギュンギュンインターネットサービスを使いまくっている棒氏が鋭く指摘した。
「T-Mobileの3Gデータ通信って、1700MHz使っていますよ。Xperia X10 mini proって、対応していますか?」
おおう、使っているXperia X10 mini proは確かに1700MHzに対応していない。なので残念ながら、3Gの高速データ通信は使えない。それでも、2Gデータ通信は使えるはず。その後、宿舎に戻ってからもいろいろ試してみたがその日は解決しないまま、翌日、棒氏と再会した。
「まだ、だめなんですか。ちょっと貸してみてください。うううんんん!あら、サービス開始の画面がでてきましたよ」
それまで、Opera Miniでインターネットにアクセスを試みていたが、棒氏がAndroid標準のBrowserでアクセスすると、「この電話はまだデータプランを契約していない。ここをクリックしてデータプランを選びなさい」というメッセージ画面が表示された。ぬおおお!
クリックして表示される画面から「Buy Web DayPass」を選ぶ。これは、24時間1.49ドルで、データ通信を容量制限なしで使える。その説明が表示されている画面で「Subscribe」をクリックすると、ようやく、インターネットサービスが利用できた。2G接続だが、Xperia X10 mini proでアクセスしている分には、速度で不満を感じることはない。PCとUSBで接続してデータ通信を行ったときの転送速度は、下りが200Kbps前後、上りが130Kbps前後だった(speed.rbbtoday.comで測定)。
というわけで、米国滞在中、限定的な接続だったものの、AT&Tと違って接続確実、速度安定だったT-MobileのWeb DayPassのおかげで、ネットワークは快適に利用できた。これで、1日1.49ドル容量無制限という。3G接続でネットワークがギュンギュン利用できた棒氏は「幸せすぎて怖い。何か“裏”があるのではないか」と思わずつぶやくほどだった。
このように、T-MobileのプリペイドSIMカードを利用した“幸せすぎる”データ通信環境だが、この状況が今後も変わらないとは言い切れない。今回の状況を知った多くの関係者が、「次はT-Mobileを使う」と宣言していたりするので、回線が重くなる可能性は高いし、T-Mobile側がこのサービスのプランを変更する可能性も高い。
変化が激しいデータ通信サービスだけに、最新の状況はその都度チェックしておくのを忘れないようにしたいところだ。
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