日本市場については、BCNが実施したスマートフォンユーザーの満足度ランキングで、2010年12月から2011年2月まで「REGZA Phone T-01C」「IS03」「LYNX 3D SH-03C」を抑えてGALAXY Sが1位を獲得するといった調査結果(外部リンク)も出ており、オウ氏も手応えを感じている。
Samsung電子が日本でビジネスを継続する理由は「日本のお客さんに新しい体験をしてほしいから」とオウ氏は話す。「SUPER AMOLEDを搭載するのはGALAXY Sだけ。(GALAXY S IIの)1.2GHz デュアルコアの新しい世界を体験してほしい。それがSamsungのミッションだと」とし、GALAXY S IIを日本で投入することを示唆した。

世界では1200万台以上売れている「GALAXY S」。日本でも好調を維持している。本体色について「韓国ではブラックが6割、ホワイトが4割だが、日本では5割ずつ売れている」とオウ氏は説明した(写真=左)。片手で持てるサイズを目指した「GALAXY Tab」(写真=右)なお、GALAXY S IIはその製品名から「GALAXY Sの後継機」とみられがちだが、オウ氏は「GALAXY S IIはGALAXY Sの後継機ではなく、進化した新しいカテゴリーのプレミアムケータイだ」と説明する。したがって、グローバル市場では、GALAXY S IIの発売後もGALAXY Sを併売していく。これはOSのアップデートが可能なスマートフォンが、ケータイと比べて長く使われる傾向にあるため。ただ、「日本のマーケットでは商戦期ごとに新機種が発売され、以前の機種は古いと思われてしまう」(オウ氏)ため、GALAXY S IIが日本で発売された場合、GALAXY Sをどのように扱うかは市場の様子を見ながら……となりそうだ。
スマートフォンは長く使われる――という点から気になるのが、GALAXY SのOSアップデートだ。現在のAndroid 2.2から2.3へのアップデートはいつごろ行われるのだろうか。オウ氏は「スマートフォンの特長は、常に新しい楽しさを得られること。アプリもそうだが、OSも欠かせない要素。OSのアップデートは重要だと考えているが、事業者さんとの相談が必要になる」と前置きした上で、「4月中にアップデートの準備ができる」とした。
Android 3.0搭載のタブレットは、すでにLGエレクトロニクスがドコモ向けに「Optimus Pad L-06C」、MotorolaがKDDI向けに「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」を供給しているが、GALAXY Tab 10.1を日本へ投入するかどうかは「日本のタブレットのマーケットが読めない」(オウ氏)ことから、未定とのこと。
Samsung電子はGALAXY Sで日本市場での足場を固めることに成功した一方で、「日本でのブランドイメージは安かろう悪かろうと思われている部分もある」とオウ氏は満足していない。今後は「プラットフォームと製品が持つ価値をどのように認めてもらえるかがカギ」とみる。「製品を紹介するだけでなく、どういうシーンで使うかをイメージしてもらうことが大事。今年は変わったトーンで(訴求できるよう)準備している」
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