技術、製品、マーケティングが成功の要因――「GALAXY」で飛躍するSamsung電子GALAXY S IIの日本登場は?(1/2 ページ)

» 2011年04月07日 22時37分 公開
[田中聡,ITmedia]

 Samsung電子が4月7日、2011年2月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」と、同年3月に米オーランドで開催された「CTIA Wireless 2011」で発表したグローバルモデルを日本で披露した。

さらに成長できるよう「死ぬほど頑張っている」

 2010年のSamsung電子は、2009年から約5700万台増となる2億8000万台の携帯電話を世界で販売し、大きくシェアを伸ばした。日本市場でもNTTドコモ向けに「GALAXY S」と「GALAXY Tab」を供給し、存在感を高めつつある。さらに、Mobile World Congress 2011でGALAXYシリーズの最新モデル「GALAXY S II」や、Android 3.0を搭載した「GALAXY Tab 10.1」、CTIA Wireless 2011ではタブレットで世界最薄の新しいGALAXY Tab 10.1と、「GALAXY Tab 8.9」を発表して注目を集めた。

photophoto Mobile World Congress 2011で発表された「GALAXY S II」(写真=左)と「GALAXY Tab 10.1」(写真=右)
photophoto CTIA Wireless 2011で発表された「GALAXY Tab 10.1」(写真=左)と「GALAXY Tab 8.9」(写真=右)
photo サムスンテレコムジャパン 端末営業部長 オウ・チャンミン氏

 2011年のSamsung電子はどのような戦略で携帯電話事業を展開していくのか。また日本市場でのビジネスはどのように継続していくのか。サムスンテレコムジャパン 端末営業部長のオウ・チャンミン氏が説明した。

 2005年から順調に携帯電話の販売数を伸ばしているSamsung電子。2010年は2億8000万台の端末を販売し、「1秒に8台が売れている計算になる」とオウ氏はアピールする。「2010年はGALAXY Sのおかげで飛躍できた。2007年〜2008年と2010年の4Q(第4四半期)の販売台数がどれだけ違うかは一目瞭然だ」(オウ氏)。もちろんここで手綱を緩めず「さらに成長できるよう死ぬほど頑張っている」と力を込める。

 携帯電話の世界市場におけるシェアは、依然としてNokiaがトップだが、2010年第1四半期にはNokia36.1%、Samsung電子21.5%だったシェアは、同年第4四半期にはNokia30.9%、Samsung電子20.2%となり、両者の差が徐々にではあるが縮まっている。スマートフォンのシェアは2010年第4四半期にNokia(28.1%)、Apple(16.1%)、RIM(14.5%)に次いで、Samsung電子は10.6%を記録している(その次がHTCの8.9%)。RIMやHTCなどのスマートフォン専業メーカーとほぼ互角に渡り合えているのは、「完成度の高い製品(GALAXY S)をいち早く投入できたため」とオウ氏は振り返る。

 「スマートフォンが最初に登場したときに、プラットフォームが進化しているのか、フェースが変わっているのか、どちらの観点から見るかで結果が変わる。Samsung電子は『世界(フェーズ)が変わった』と認識した」ことで、スピーディに質の高い製品を投入できた。「スマートフォンのみを開発しているメーカーと、スマートフォンとフィーチャーフォン(一般のケータイ)を開発しているメーカーがどう動くか。2010年から2011年にかけての変化を見るのが楽しみだ」(オウ氏)。

photophotophoto 2005年〜2010年におけるSamsung電子の携帯電話の販売台数(写真=左)。2007年〜2010年における携帯電話のメーカーごとのシェア(写真=中)。こちらはスマートフォンのシェア(写真=右)

GALAXYのラインアップをさらに拡大する

 Samsung電子が世界で約20%のシェアを獲得できた要因は「Samsungが高度な基礎技術を持っていること。それをベースとした魅力的な製品を開発できること。その価値を伝えるマーケティングがうまいこと」の3つだとオウ氏は分析する。Samsungの技術の中でも特に大きな差別化を図れているものが、同社が「SUPER AMOLED(スーパー有機EL)」と名付けるディスプレイだ。SUPER AMOLEDはGALAXY Sに搭載されたことが記憶に新しいが、最新モデルのGALAXY S IIは、さらに色の再現性が増し、より低い消費電力を実現した「SUPER AMOLED Plus」を搭載する。

 Samsung電子は自社で半導体部門を持っているため、端末のプロセッサーを自社で開発していち早く採用できるのも強みだ。GALAXY SとGALAXY Tabには、クロック周波数が1GHzのプロセッサー「S5PC110」を採用しており、「GALAXY Sに触れた人は、(ディスプレイが)きれい、(動作が)速いところにまず反応してくれている」とオウ氏は手応えを感じている。なお、GALAXYシリーズはこれまでハイエンドモデルに位置付けられていたが、2011年は3.5インチHVGAディスプレイ搭載の「GALAXY Ace」、3.31インチQVGAディスプレイ搭載の「GALAXY Fit」、3.2インチHVGA液晶搭載の「GALAXY Gio」など、より幅広いラインアップを展開する。

photophoto ブランド価値のランキング。2010年のSamsung電子は19位(写真=左)。高コントラストと広視野角を実現する「SUPER AMOLED Plus(スーパー有機EL)」(写真=右)

 2011年のGALAXYシリーズの中でフラグシップモデルに位置付けられるのがGALAXY S IIだ。厚さ8.49ミリ、重さ約116グラムのスリムかつ軽量ボディを実現しながら、約4.27インチのSUPER AMOLED Plus、約800万画素カメラを搭載する。1920×1080ピクセルのフルHD動画の撮影と再生も可能。OSはAndroid 2.3で、NFCもサポートしている。Mobile World Congress 2011での発表当初は1GHzのデュアルコアプロセッサーを搭載するとしていたが、オウ氏によると、発売される端末のプロセッサーは1.2GHzになるとのこと。「この速さは本当に感心する」と同氏も自信を見せる。バッテリー容量がGALAXY Sの1500mAhから1650mAhに向上しているのも特筆すべき点だ。

 Samsung電子が海外で投入する端末は「グローバルモデル」「CDMA対応モデル」「DMB(韓国のモバイル機器向けデジタル放送)搭載モデル」の3種類に大きく分けられる。プラットフォームによって厚さに違いが生まれることはあるが、GALAXY S IIのグローバルモデルに触れたオウ氏は「他の部品がどうやって載っているのかと思うくらい、ポケットの中に入れても感覚がないほど軽い」と驚いていた。

photo Samsung電子のアプリ配信サイト「Samsung Apps」

 タブレットで世界最薄の厚さ8.6ミリ、重さ595グラムを実現した「GALAXY Tab 10.1」は「数字以上に軽く感じる」とオウ氏はアピールする。Samsung電子が開発した1GHzのデュアルコアプロセッサーを搭載しているが、オウ氏は「こちらも(製品版では)1.2GHzに変更されることを期待している」とした。なお、Mobile World Congress 2011では厚さ10.9ミリ/重さ599グラム、CTIA Wireless 2011では厚さ8.6ミリ/重さ595グラムというスペックの異なる“GALAXY Tab 10.1”が発表されている。地域や事業者に応じてこれら2種類の製品を投入することが予想されるが、詳細は未定だという。

 同社はAndroid向けにゲーム、電子書籍、ユーティリティ関連のアプリなどを配信する独自のストア「Samsung Apps」も提供しており、ここで配信しているアプリはすでに1億ダウンロードを突破している。「コンテンツプロバイダーさんがお客さんのニーズに応えられるよう、サポートしていきたい」(オウ氏)。

photophoto Samsung電子が開発した独自OS「bada」のコンセプトは「Smartphone for Everyone」(写真=左)。badaを搭載したスマートフォン「Wave」(写真=右)
photophoto Windows phoneはOMNIAシリーズで展開する(写真=左)。Linuxベースのプラットフォーム「Limo」を搭載した端末を、Vodafone向けに供給している(写真=右)
photophoto オウ氏が「歴史に残る端末」と話すのが、タッチパネルを搭載したフィーチャーフォン「Star」。世界で3000万台以上売れている(写真=左)。「日本でカラーマーケティングを学んで開発した」(オウ氏)という「Corby」(写真=右)
photophoto ミドルクラスのフルタッチケータイ「Champ」(写真=左)。防水と耐衝撃性能を持つケータイ「Ruggedized」。「スマートフォンでもこうしたカテゴリーの製品に対するニーズは上がる」とオウ氏はみている(写真=右)
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