イー・アクセスが発表した中Huawei製の「Pocket WiFi S II(S41HW)」は、「Pocket WiFi S(S31HW)」の後継となるイー・モバイルのエントリー向けスマートフォン端末。S31HWと同じ“Pocket WiFi”というブランドが付けられており、スマートフォンのテザリング機能を全面に打ち出した、タッチパネル付きのモバイルWi-Fiルーターという位置付けの製品だ。
Pocket WiFi S IIのベースとなったは、HuaweiがMobile World Congress 2011(MWC 2011)で発表したエントリーモデル「IDEOS X3」とみられる。国内では、グローバルモデルとしてのIDEOS X3が発表される以前にソフトバンクモバイルから「004HW」(Android 2.2を搭載)として登場したが、後に発売中止となった経緯があるモデルだ。今回、巡り巡ってイー・モバイルから国内投入される形となった。
OSにはAndroid 2.3を採用し、タッチパネルディスプレイは3.2インチのハーフVGA(320×480ピクセル)液晶を搭載する。S31HWよりタッチパネルの解像度が増えたほか、マルチタッチ操作にも対応した。またボディは、約56.5(幅)×110(高さ)×11.2(厚さ)ミリと、S31HWよりも幅と高さが若干増えたが、厚さが2.3ミリ薄くなりスリムさが際立った。重さも約104グラムと、ほとんど変化がない。ボディカラーはホワイトの1色だが、ブルーとゴールドのリアカバーを試供品として同梱する。リアカバーといっても、ディスプレイを除く、端末前面に到るかなりの部分が一体成型されているので、付け替えるとまったく違うボディカラーになる印象だ。この複数のリアカバーが付属する点も、S31HWから継承している。
CPUは米Qualcomm製の「MSM7227」を採用し、クロック周波数は600MHz。内蔵メモリはROM512Mバイト/RAM256Mバイトで、外部メモリとして最大32GバイトまでのmicroSD/microSDHCが利用できる。SDメモリスロットはリアカバー内に配置した。バッテリー容量は1200mAhとのことだが、連続待受時間、連続通話時間は発表時には非公表だった。
対応する通信方式と周波数は、W-CDMAが1700MHzと2100MHz、GSMが900MHz/1800MHz/1900MHz。前モデル同様にSIMロックフリー端末のため、海外はもちろん、国内でも例えばNTTドコモなど通信方式が同じSIMを装着できる。通信性能は下り最大7.2Mbps/上り最大5.8MbpsというS31HWと変わらず、テザリングで同時接続できるWi-Fiデバイスも最大5台と増減はない。テザリングのオン/オフを、プリセットされた「Pocket WiFi」ウィジェットからワンタッチで行える点も共通だ。無線LAN規格は現時点で非公表だが、ベースモデルなどではWiFi 802.11 b/g/nに対応する。そのほかBluetooth(2.1+EDR)も備えた。
アウトカメラはオートフォーカス対応の有効320万画素CMOSで、30万画素のインカメラも備えている。アウトカメラは動画撮影も行える。カメラがオートフォーカスになった点も、S31HWからの進化点だ。
Pocket WiFi S II(S41HW)の発売は7月以降を予定しており、前モデルのS31HWやHTC製の「Aria」も当面は併売される。発表時点では価格帯についての言及は無かったが、S31HW同様に低価格で販売されるようだ。S31HWがスマートフォンとして必要最小限の機能しか持たなかった点に比べて、Pocket WiFi S IIは必要十分の機能を持ったスマートフォンといえるかもしれない。イー・モバイルは7月から、月額1400円の通話定額オプションを最大25カ月間無料にする「通話定額無料キャンペーン」を実施するので、データも通話も定額で扱えるPocket WiFi S IIは、かなり魅力的な製品といえるだろう。
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