10分でスマホを満充電――ドコモの“超速充電バッテリ”CEATEC JAPAN 2011

» 2011年10月04日 14時40分 公開
[田中聡,ITmedia]

 スマートフォンを使う際に生じる悩みのタネの1つが「バッテリーの持ち」だろう。ディスプレイが大きく通信量も多いスマートフォンでは、従来のケータイと比べてバッテリーを酷使することになる。このバッテリー問題の解決策としてドコモが開発を進めているのが、チタン酸リチウムバッテリーを使った充電器だ。CEATEC JAPAN 2011のドコモブースでは「超速(ちょうはや)充電バッテリ」という名称で展示しており、チタン酸リチウムバッテリーを内蔵したジャケットを紹介している。

 チタン酸リチウムバッテリーは、東芝が開発している電気自動車などに使われており、これをスマートフォンに用いたものだ。説明員によると、負極の材料にチタン酸リチウムを用いることで、電気の流れが速くなり、リチウムイオンバッテリーよりも約10倍速く充電できるという。スマートフォンのバッテリーが尽きた状態から満充電するまでの時間は約10分だというので、「朝起きて充電し忘れていたことに気づいた」といった場合でも手軽に充電できる。また、コンビニエンスストアやレストランなどの商用施設に設置するといった活用も期待される。

photophoto 通常充電と超速充電を同時に行い、充電される電力を比較

 ジャケットにスマートフォンを装着後、電源キーを長押しすると充電が始まり、充電状況のランプがゲージに表示される。ジャケットには充電端子があり、スマートフォンにも専用の充電端子を用意する必要があるため、(今回は展示されていないが)Micro USBなどで接続する外付けバッテリーの方が商品化しやすいとのこと。ジャケットはACアダプター経由で充電をする。ジャケットはNEC製で、スマートフォンには専用の充電端子を加えた「MEDIAS WP N-06C」が使われていた。

 展示されていたジャケットは大柄で、スリムなN-06Cに装着しても厚ぼったくなる。チタン酸リチウムバッテリーを使った充電器は「コネクタも大きく、小型化には向いていない」(説明員)ため、スマートフォンで違和感なく利用できるサイズに落とし込めるかが課題といえる。現時点での商品化は未定。

photophoto やや大柄なバッテリー内蔵ジャケット(写真=左)。充電用の端子(写真=右)
photophoto ジャケットの電源キーと充電用のゲージ(写真=左)。ジャケットはACアダプターを使って充電する(写真=右)
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