これまで、ドコモ向けにはデジタルフォトフレームやキッズケータイなどを供給してきたHuaweiが、2012年秋モデルではスマートフォン「Ascend HW-01E」を投入する。日本におけるHuaweiのスマートフォンといえば、イー・モバイル向けに供給しているものがなじみ深いが、ドコモ向けのスマートフォンは初となる。10〜11月に発売予定。
Ascend HW-01Eは、海外で展開している「Ascend」シリーズのうち、「D」シリーズに属するハイスペックなモデル。ベースモデルは「Ascend D1」。Ascend Dといえば、クアッドコアCPUを備える「Ascend D quad」が印象深いが、今回は1.5GHzのデュアルコアCPUを備えるQualcommの「MSM8960」が採用されている。「Diamond」を意味するDは、Ascendの中でも最上位に位置づけられ、以降はスペックの高い順にP(Platinum)、G(Gold)、Y(Youth)と続く。ちなみに、HuaweiのAscendブランドを冠するスマートフォンは日本では同機種が初めて(イー・モバイルの「GS03」は「Ascend P1」ベースとみられるが、Ascendブランドは冠していない)。
Xi、4.5インチHD液晶、1310万画素カメラなどハードスペックが高いことに加え、おサイフケータイ、ワンセグ、NOTTVなどの日本向け機能も押えられている(赤外線通信と防水には対応しない)。ドコモ機種としてはNEXTシリーズに属していても不思議ではないが、なぜwithシリーズなのか。その理由を説明員は「お客様の中にはまだHuaweiの名前を聞き慣れない方も多いと思う。NEXTシリーズというよりは、ケータイからの乗り換えユーザーを想定している。手になじみやすいフォルムもそういったユーザーを意識している」と話していた。通信サービスはXiのほか、下り最大14Mbps/上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードをサポート。最大8台の機器を接続できるテザリングも可能だ。メモリはROMが8Gバイト、RAMが1Gバイト、バッテリー容量は1800mAh。
なお、海外で発売または発売予定のAscend D1は、厚さが8.99ミリ(HW-01Eは9.9ミリ)、重さが132グラム(HW-01Eは135グラム)、プロセッサーがOMAP、カメラが8メガピクセルであるなど、ドコモ版とはスペックが異なる(外部リンク参照)。モバキャス/ワンセグチューナーやFeliCaチップ/アンテナを備えたことで、厚さや重さが増してしまったと思われる。
幅65ミリはやや太く、ボディも大柄の部類に入るだろうが、裏側を中心にボディはラウンド形状になっており、手になじむ。OSはAndroid 4.0だが、画面下部のナビゲーションバーに仮想キーを搭載する標準仕様ではなく、表面下部に戻る/ホーム/MENUキーをセンサーキーとして搭載している。この配列はXperiaシリーズと同じだ(Xperia GX/SXなど一部機種を除く)。
同梱されないのが残念だが、別売で卓上ホルダ「HW02」も用意される。この卓上ホルダにはモバキャス(NOTTV)とワンセグに両対応したアンテナが搭載されており、端末本体よりも高い感度で放送波を受信できるという。卓上ホルダにはHDMI端子も付いており、HDMI出力するためのアダプターとしても機能する(Ascend HW-01E本体はMHLに対応している)。
ホームUIはドコモ共通の「docomo Palette UI」をプリセットしているが、Huawei独自のホームUIは「いろいろな事情があるため」(説明員)用意されていない。HuaweiスマホのUIといえば、独自のウィジェットや軽快な操作性が特長の「マジック3D」がおなじみだ。個人的に、Androidの操作に慣れたユーザーにとってはマジック3Dの方が操作しやすいと感じていることもあり、少々残念だ。別途ホームアプリを提供するなどで対応してほしいと思う。またHuaweiのUIを採用していないためかは分からないが、通知バーに、Wi-Fiやテザリングなどをワンタッチで切り替えられる設定パネルが用意されていないのも気になった。プリインストールアプリはAndroid標準のものと、ドコモのサービス関連のものがほとんど。Huawei独自にアプリとしては「Ascendアプリ」を用意しており、取扱説明書やHuaweiオススメのアプリが紹介される。
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