ディスプレイの種類はTFT液晶が多いが、GALAXY S III、「REGZA Phone T-02D」「HTC J ISW13HT」「URBANO PROGRESSO」「ARROWS A 101F」「GS03」は有機ELを搭載している。有機ELは高コントラスト、広視野角、応答速度が速いなどのメリットがある。ただし今夏モデルが搭載している有機ELは、PenTile配列を採用している。実際に、上記6機種のディスプレイをマイクロスコープで拡大して見たところ、PenTile配列であることが確認できた。1ピクセルはRGB(赤緑青)のサブピクセルで構成されているが、PenTile方式の有機ELでは、サブピクセルがRG(赤緑)またはBG(青緑)の組み合わせで構成されるため、同じ解像度ならPenTile配列の方が精細さでは不利になる。ただ、今回紹介した有機EL搭載機の解像度はQHDかHD。QHDの機種でも、文字や写真を拡大しても特段ぼやけては見えなかったので、実使用上で大きな問題はないだろう。


上段左からGALAXY S III、REGZA Phone、HTC J、下段左からURBANO PROGRESSO、ARROWS A、GS03のディスプレイを拡大したもの。サブピクセルがRGまたはBGの組み合わせになっていることが分かる今回、ディスプレイで目立った進化を果たしたのがシャープのハイエンド機だ。ドコモのAQUOS PHONE ZETAとソフトバンクのAQUOS PHONE Xxは「S-CG Silicon液晶システム」を搭載。従来比で輝度が約2倍向上したほか、液晶に内蔵したメモリにより、静止画の表示中はCPUからの画像転送を停止して消費電力を抑えることができる。auの「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」はSH-09Dや106SHと同程度の輝度を実現する「高透過CGSilicon液晶」を備えるが、液晶内にメモリは備えていない。また、「AQUOS PHONE sv SH-10D」のCG Silicon液晶も、S-CG Siliconではないので液晶にメモリは備えないが、「チューニングにより、従来機よりも透過率や色再現性が向上している」(シャープ)という。液晶の表示能力を重視する人にはSH-09Dと106SHを特にオススメしたいが、ISW16SHとSH-10Dも視認性が大きく進化しているので、満足できるはずだ。
今回取り上げている新機種は、「DIGNO DUAL WX04K」を除き、いずれもOSにAndroid 4.0を搭載している。Android 4.0では、ディスプレイ面に物理キーを搭載せず、画面下部のナビゲーションバーに[戻る]や[ホーム]などを仮想キーとして搭載することが可能になっている。今回取り上げたモデルでは、シャープ(SH-07Dを除く)、ソニーモバイル、パナソニック モバイルの端末が、この仮想キーを採用している。この仮想キー(ナビゲーションバー)は画面の一部を占有するので、その分だけ表示できる情報量が減ってしまう(動画再生時など、ナビゲーションバーは非表示になる場合もある)。例えばブラウザで表示できる文字数がそうだ。「Xperia GX SO-04D」は4.6インチHD液晶を搭載しているが、4.3インチHD液晶を備える「Xperia NX SO-02D」の方がブラウザで表示できる文字量は多い。ギャラリーやアルバムアプリから静止画を表示させた場合も同様だ。Xperia GXとAQUOS PHONE ZETAで確認したところ、画像を表示すると仮想キーは消えるが、ナビゲーションバー自体は消えず、HDサイズの画像を再生すると縦(左右)にも空白ができてしまい、全画面表示ができない。せっかくの大画面が生かされていないのは少々残念に感じた。


Xperia GXとNXの比較。NXの方が1行ほど多く表示できている。左からAQUOS PHONE ZETA、Xperia GX、ARROWS Z(いずれも16:9のアスペクト比で解像度はHD)。仮想キーを備えないARROWS Zの方が2行ほど多く表示できている(写真=中)。左からAQUOS PHONE ZETA、Xperia GX、ARROWS Z。ZETAとGXはナビゲーションバーが消えない分、左右に空白ができてしまい、画像を全画面表示できていない。ARROWS Zには無駄な空白がなく、全画面表示ができている(写真=右)
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