Samsung電子のGALAXY Sシリーズでは3世代目となる「GALAXY S III」がNTTドコモから6〜7月に発売される。「究極のインテリジェント・スマートフォン」とドコモがアピールするように、「GALAXY S III SC-06D」はかゆいところに手の届く機能が充実している。外観の特徴とソフトウェアで進化した部分、新たに搭載された機能を中心に見ていこう。
自然の美しさを再現したというボディは丸みを帯びており持ちやすい。サイズは約70.6(幅)×136.6(高さ)×8.99(厚さ)ミリで、66(幅)×126(高さ)×8.9(厚さ)ミリの「GALAXY S II SC-02C」と比べるとボディは大柄だ。それでも幅69ミリの「GALAXY S II LTE SC-03D」よりは3ミリ、幅83ミリの「GALAXY Note SC-05D」よりは17ミリ細い。なだらかな曲線を描くボディはフィット感も良好で、短時間触れた限りでは片手での操作も苦にならないと感じた。側面のフレームはMarble Whiteはシルバーだが、Pebble Blueは薄いブルーになっている。質感は表と裏どちらにも光沢がある。デザインや質感はグローバル版と同じで、違いはdocomoやXiなどのロゴのみとなる。
OSはAndroid 4.0を搭載しているが、従来のGALAXY Sシリーズと同様に、ディスプレイ下にMENU/ホーム/戻るキーを搭載している。ホームキーはカチッと押し込む物理キー、その他の2つはセンサーキーなのも同じだ。Android 4.0搭載機の中にはこれらの物理/センサーキーを搭載しないものが多いが、従来機とほぼ同じ感覚で使えるのはうれしいだろう。新たに通知ランプを搭載したのも地味ながら進化したポイントだ。GALAXY S/S IIには通知ランプがなく「NoLED」などのアプリを代用する必要があったが、GALAXY S IIIでは不在着信や新着メール受信を示すランプが、ディスプレイ左上に点滅する。
チップセットはQualcommの第4世代Snapdragonの「MSM8960」(1.5GHzデュアルコア)を搭載。同じくLTEに対応するSC-03Dではベースバンドチップとアプリケーションプロセッサーが別々だったが、MSM8960は1チップに統合されており省電力化が期待される。海外で発売予定のGALAXY S IIIの3G版にはドコモ版とは異なり、Samsungが開発したクアッドコアCPUを備える「Exynos 4 Quad」を採用している。さらに、サムスン電子ジャパンの関係者によると、韓国で発売予定のGALAXY S IIIには「Samsungが開発したLTE対応のクアッドコアCPUを採用する予定」だという。であればSC-06DにもクアッドコアCPUを採用してほしいところだが、その場合は「ゼロからネットワーク検証を行う必要がある」(同)ため、簡単には搭載できないようだ。
海外版GALAXY S IIIから省かれている機能もある。iPhoneの「Siri」のように使える音声認識機能「S Voice」は、現在日本語をサポートしていないこともあり、SC-06Dには搭載されていない。5月3日のGALAXY S III発表会でSamsungがS Voiceを大きくアピールしており、注目機能の1つであることを考えると少々残念。ドコモの「しゃべってコンシェル」との兼ね合いもあるが、“GALAXY S IIIの音声認識”も試してみたい。S Voiceは英語には対応しているのでSC-06Dにも採用してほしかった。またFeliCaとのトレードオフのためか、NFCが省かれたのもマイナスポイント。海外版GALAXY S IIIでは、NFCを用いて大容量の写真や動画を送受信できる「S Beam」を利用できるが、NFC非搭載のSC-06Dではこの機能を利用できない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.