「Xperia AX SO-01E」では日本語入力システムに、ソニーモバイル独自の「POBox Touch 5.3」を採用している。POBox Touchは、従来からQWERTYキーの表示サイズや内容をカスタマイズできることでおなじみだが、最新の5.3ではどんな特長を持つのだろうか。
POBox Touch 5.3のポイントは大きく4つある。「手書き入力の重ね書き」「変換候補のオンライン検索」「顔文字候補増加」「つなげて学習」だ。
まずは「手書き入力の重ね書き」から。ひらがなと英数は重ねて次々と文字入力ができるので、スピーディーに文字入力ができるのが特長だ。確かに文字をどんどん書けるので、1文字ずつしっかり書いていくよりテンポが速くなる。
では入力速度はどれくらいか? 「お世話になっております。小林です。お元気で。」と入力し、ストップウォッチで時間を計測し、フリック入力と比べてみた。急がずに、通常のペースで入力していく。結果は以下のとおりだ。
もちろん慣れてくればもっと早くなるだろうが、ともかく普通に入力して30秒程度の差がある。これだけを見ると「手書き入力はフリック入力ができない人向け」となる。だが普通は「予測変換」を使う。1回目の入力補、最初の各言葉の2文字「おせ」「こば」「おげ」だけを入力して予測変換をした場合も計測してみた。
一気にタイム差が縮まった。そもそもPOBox Touchの手書きは漢字を認識しないが、これも予測変換の使用を前提に考えているからだろう。手書き入力を使う気にもなるし、フリック入力ができない人でも、使っているうちに予測変換が充実し、長い文章も苦にならなくなりそうだ。
次に「変換候補のオンライン検索」だが、これは文字入力後「候補」ボタンを長押しするだけでオンライン辞書につながり、候補を一気に増やすことができる。例えば「笑い」と入力すると、通常であればせいぜい「(笑)」とか無難な顔文字がいくつかだろう。しかしオンライン検索では、思ってもみない漢字や、ネットならではの顔文字が候補に登場する。
3つ目は「顔文字候補増加」。Xperia AXでは顔文字の種類が増えており、カテゴリー分けされている。確かにすごい数で、数えたら800を超えていた。カテゴリーは「ハッピー」「悲しい」「びっくり」「困る」「怒る」「あいさつ」「アクション」「ラブ・友情」「動物・キャラクター」。特に「アクション」は300以上の顔文字を用意しているようだ。スマホやGmailなどの普及でケータイ、PCどこで受信されるか分からなくなっている。絵文字より顔文字という人も多いのではないだろうか(筆者はそうだ)。
なお、顔文字がこれだけ多いと、下部のカテゴリーの顔文字を選ぶのが大変に思えるが、上下につながっているので、上に候補を選んでいくと下部の顔文字が表れる。
最後は「つなげて学習」について。これはある言葉の入力後、続けて入力することが多い文字を「予測変換でもつなげる」機能だ。例えば「美味しい」「レストラン」と入力し、検索したあと、次に「お」と入力すると、予測変換に「美味しいレストラン」と出ている。「テレビ番組」なら「テレビ」と「番組」で分けて変換し入力する人が多いだろうが、1度入力すれば次からは「て」で「テレビ番組」が変換候補に出てくる。使えば使うほど便利だと実感できるはずだ。
ほかにも従来からある設定変更「キセカエキーボード」をはじめ、キーの配置をカスタマイズする、プラグインアプリの追加でさらに機能を増やす(連絡先引用はプリインストールされている)、といったことが可能。文字入力は派手な部分ではないが、誰もが使う機能。POBox Touch 5.3がXperia AXの使いやすさに寄与しているのは間違いない。
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