今回のGoogle I/Oで、日本として最も大きなトピックと言えば、Google Assistantの日本語対応、さらにGoogle Homeの日本での発売だ。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年5月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
Google Assistantの日本語対応はこの夏から、一方、Google Homeの日本発売は「売ることは決まっているが、具体的な日程はこれから」(グーグル広報部)とのことだ。
当然、Amazonも日本市場への進出を検討しているだろうし、LINEも人工知能「Clova」を搭載したスマートスピーカーを今夏に発売しようとしている。
各社とも他社の動向を睨みながら、発売時期を決めてくるだろう。ただ、こうしたデバイスを販売するには、対応アプリやコンテンツを揃える必要がある。
国内で有力なコンテンツを持つ会社には、すでにグーグルやアマゾンなどから声がかかっている。彼らによれば「年末までの発売を目指していると聞いている」(業界関係者)ということだったが、今回、日本展開が正式発表になったことで、スケジュールも前倒しになる可能性もありそうだ。
また、Google Assistantが日本語に対応したことで期待したいのが、グーグルのスマホ「Pixel」の日本発売だ。これまで、Nexusシリーズが日本でも発売されていたにも関わらず、Pixel導入されないのは「Google Assistantが日本語に対応していないからではないか」と言われていた。
Google Assistantは英語とドイツ語に対応しているが、実際にPixelが売られているのはアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、ドイツのみとなっている。
この夏にGoogle Assistantが日本語をしゃべれるようになれば、ひょっとしてPixelの次期モデルはすぐに日本で発売されることも考えられそうだ。
Google Assistantの日本語対応と共に、基調講演で興奮させられたのが「Google Lens」という技術だ。
カメラで写したものが何であるかを理解し、名前を教えてくれたり、外国語であれば、翻訳し、さらにそれがどういったものなのか画像検索で教えてくれたりする。
このあたりの連携は、これまでの検索技術に加えて、Google Photosなどで大量に画像を集めてきたグーグルならではと言えるだろう。膨大に集めた情報でマシンラーニングすることで、グーグルの頭脳はどんどん賢くなっていく。
ただ、Google Assistantを使うと、必ずしもピンポイントで答えが返ってこないことがある。そうしたときも、ユーザーとの会話していくことで、正しい答えをユーザーが教えることになる。
現状、精度が不十分でも、ユーザーとの会話によって正しい答えを蓄積していくので、結果、どんどん賢くなっていく。
グーグルは世界中にユーザーがおり、その人たちが毎日、コツコツとマシンラーニングさせていく。結果、グーグルのマシンラーニングの精度は日に日に向上していくというわけだ。
今回、Google I/Oでは様々なマシンラーニングやAIの動きを見せてもらったが、正直言って、グーグルに他社が対抗するのは難しいように思える。
これまでのサービスの蓄積が、AI時代を制する可能性が高く、グーグルの一人勝ちが続くような気がしてならないのだ。
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