今や3大PCメーカーに登りつめたAcerが、2009年の世界戦略を語るプレス向けイベント「sign.of.the.time」を北京にて開催。その目玉はなんと言っても、“安くて薄くて長時間駆動”のULV Core 2 Duo搭載ノートPC「Aspire Timeline」だが、イベント会場には今後投入される数々の新製品も並んでいた。
各モデルについて、日本国内での発売時期や価格などはすべて未定ながら、このうちいくつかは間違いなく(それも近いうちに)何らかの発表があるはずだ。スペック自体も不明な点は多いが、少しだけ先取りして紹介していこう。
まずはNetbookから。低価格ミニノートPC市場を切りひらいた台湾勢の一角を担うAcerは、当時の競合機種に比べデザインや価格競争力で優位に立つAspire oneの投入によって高い支持を得てきた。デスクトップPCが低調な一方で、ノートPC市場はNetbookのけん引によって2009年も成長が見込まれており、ある程度可搬性のあるノートPCカテゴリがAcerの戦略的製品になることは間違いない。
そして近々、Aspire oneの第3世代にあたるモデルが登場しそうだ。製品名は不明ながら(Aspire one D250?)、新型のAtom N280を採用し動作クロックが1.66GHzに、システムバスが667MHzに高速化している。液晶ディスプレイのサイズは「Aspire one D150」と同じ10.1型を採用するため、従来モデルのデザインと似ている。バッテリー駆動時間も約7.5時間と若干延びている。カラーバリエーションは、ホワイト、ブラック、ブルー、レッドの4色になる予定だという。Netbookの世代的には、新型Eee PCの「Eee PC 1000HE」がライバルになりそうだ。
※記事初出時、液晶ヒンジ部のデザインが「大きく変わった」と記述しておりましたが誤りでした。おわびして訂正します。
もう1つの注目Netbookは、一回り大きな11.6型液晶を採用する「Aspire one Ultra」だ。試作機ではAtom Z520(1.33GHz)+Intel US15Wのシステムを採用しており、ディスプレイの画面解像度はWXGAと広くなるようだ。重量は1キロを切り、ボディの厚さは約25ミリ。5200ミリアンペアの6セルバッテリーを搭載すれば約8時間のバッテリー駆動が行えるという(この場合は重量が増え、バッテリーが背面に飛び出る)。価格も発売時期も未定だが、液晶画面の解像度が広い選択肢がAspire oneに加わるのは注目だ。


11.6型の液晶ディスプレイを採用した「Aspire one Ultra」。キーボードはAcerが新モデルから導入しているフラットなタイプだ。光沢感のある天板が緩やかなアールを描くボディは従来モデルのデザインコンセプトを引き継いでいる。CPUには1.33GHz駆動のAtom Z520を搭載する模様

左側面と右側面。有線LANとアナログRGBがレイアウトされる両側面の奥のデザインが特徴的だ。バッテリーがボディ背面に収納されるタイプは11.1ボルト/2200ミリアンペアだったので、公称8時間をうたうバッテリーは大容量タイプだと推測できるもう1つの注目ノートPCは「Aspire 3935」だ。Core 2 DuoとIntel GM45 Expressを組み合わせたCentrino 2ベースの薄型ノートPCで、アスペクト比16:9(1366×768ドット表示)の13.3型LEDバックライト液晶を採用している。メモリ容量は最大4Gバイト、ストレージにはHDDとSSDを選択可能なほか、オプションで8セルの大容量バッテリーを搭載すれば約8時間の駆動が行えるという。
機能面では、右側面のスロットイン式光学ドライブをはじめ、ワンプッシュで電力管理を行えるSmartPowerボタンや内蔵Webカメラなどを備え、無線LAN/WiMAXモジュールの内蔵や3Gへの対応といった選択肢も用意されている。「日本へ投入される可能性が高い」(同社)ということなので価格が気になるところだが、仕様も含めてすべて未定としたうえで、「でも当然1000ドルは切るでしょうね」とのことだ。
13.3型2スピンドル機のカテゴリでは、2009年にひっそりとマイナーチェンジしたMacBook Whiteがコストパフォーマンスで頭1つ抜けていたが、仮にAspire 3935が10万円を大幅に下回るようであれば、かなり強力なライバルになりそうだ。
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