ソニーが満を持して投入した“WXGA液晶”Netbook――「VAIO W」徹底検証これぞ低価格ミニノートの決定版!?(4/5 ページ)

» 2009年07月07日 17時30分 公開

総合ベンチマークテストで性能をチェック

 ここからはVAIO W(VPCW11AXJ)のパフォーマンスやバッテリー駆動時間を各種テストで検証していこう。テスト時の設定は基本的にデフォルトで、ACアダプタを接続している。各動作時間はバラツキがあるので、計測は5回以上行い、異常な数値が出た場合はそれを排除したうえで平均値を採用した。参考までに、以下のグラフにはVAIO type PのWindows XP搭載モデル「VGN-P50/G」のテスト結果も併記している。

デバイスマネージャ画面。内蔵されていた160GバイトHDDはシーゲイト製の「Momentus 5400.6 ST9160314AS」だった。8Mバイトのキャッシュを備えた2.5インチ/9.5ミリ厚/回転数5400rpmのSerial ATA HDDだ

 まずは総合ベンチマークテストのPCMark05、CrystalMark 2004R3(ひよひよ氏作)、3Dグラフィックステストの3DMark06、ゲームベンチマークテストのFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3を実施した。

左がPCMark05の結果。Intel SCH US15Wチップセット搭載のVAIO type PはGraphicsと総合スコアが算出されない。右がCrystalMark 2004R3の結果

左が3DMark05の結果、右がFF XIベンチ3の結果。Intel SCH US15Wチップセット搭載機では正常に動作しないため、VAIO type Pの結果は割愛した

 結果はAtom N280(1.66GHz)と2.5インチHDDを搭載したVAIO Wが、Netbookとして順当なスコアを獲得した。Atom Z520(1.33GHz)とIntel SCH US15Wチップセット、1.8インチHDDを組み合わせたVAIO type PのVGN-P50/Gより全体的に良好なスコアだ。グラフィックス機能はIntel 945GSE Expressチップセットを採用したほかのNetbookと同様で、ゲーム用途には向かない。

データストレージのパフォーマンスは?

 データストレージの性能を詳しく調べるため、PCMark05のHDD関連テストと「CrystalDiskMark 2.2」(ひよひよ氏作)も実行した。CPUやチップセットが違うため、厳密な横並びの比較ではないが、1.8インチHDDを採用したVAIO type PのVGN-P50/Gに大きな差を付けている。2.5インチSerial ATA HDDを搭載したNetbookとして妥当な結果だ。

 ただし、VAIO type PのVAIOオーナーメードモデルはより高速なSSDを選択できるが、VAIO WにSSDのオプションは用意されていない(SSD搭載/XP環境でのVAIO type Pのテスト結果はこちら)。

左から、PCMark05のHDD関連テスト、CrystalDiskMark 2.2のリード/ライトの結果

Windows XPのレスポンスを計測する

Windowsの各種動作と起動/終了時間

 実際にWindows XPの各種動作にかかる時間も調べてみた。計測したのは、Windowsの起動、休止状態への移行と復帰、スタンバイへの移行と復帰、シャットダウンの動作にかかる時間だ。今回のテストは購入直後に近い状態で行ったため、Windows XPのアップデートやソフトのインストールなどにより、各動作にかかる時間は大きく変わるだろう。

 ちなみに、Windowsの起動時間は電源スイッチをオンにしてから「ようこそ」画面が出るまでの時間と、タスクトレイに全アイコンが並んでポインターの砂時計表示が消えるまでの2段階で計測している。

 結果は全体的に高速なレスポンスが得られた。VAIO type PのVGN-P50/Gとの比較では、起動時間や休止状態への移行/復帰において、差が開いている。VAIO WはVAIO type Pのようなインスタントモードを備えていないが、休止状態からの復帰もそれほど時間がかからないため、外出先で不便を感じるシーンは少なそうだ。もちろん、VAIO WはAtom N280搭載のNetbookということで、Windows XPの基本操作もキビキビと行える。

Netbookとしては十分なバッテリー駆動時間を確保

バッテリー駆動時間のテスト結果

 標準バッテリーとバッテリーパックLの駆動時間も実際に計測してみた。テストにはBBench 1.01(海人氏作)を使用している。BBenchの設定は、10秒ごとにキーボード入力、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行うというものだ。

 電源設定は「VAIO標準設定」、ワイヤレス通信機能はオン(IEEE802.11g接続)、ディスプレイの輝度は最大、音量は半分(ヘッドフォン装着)といった状態で、満充電からバッテリー残量がなくなり自動で休止状態に移行するまでの時間を計測した。

 テスト結果は標準バッテリーで2時間43分、バッテリーパックLでは7時間7分という長時間の連続駆動が可能だった。標準バッテリーではVAIO type PのVGN-P50/Gのほうがわずかに駆動時間が長かったが、容量が大きいバッテリーパックLではこれに勝っている。さらにバックライト輝度を下げ、省電力効果が高い電源設定にすれば、外出先での長時間運用も十分行えるだろう。

電源オプションの「VAIO省電力設定」では、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時で液晶の明るさ(Level 1〜9/変更しない)、画面の色(32ビット/16ビット/変更しない)、CPU制御(動作優先/自動調節/省電力優先)を調整できる(写真=左)。デフォルトではバッテリー低下時に自動的に休止状態へ移行する設定となっている(写真=中央)。バッテリーの充電量を低く設定することでバッテリー寿命を延ばす「バッテリいたわり充電モード」も備えている(写真=右)

 なお、今回入手した試作機は冷却ファンの仕様が最終ではないとのことなので、動作音や発熱のテストは実施しなかった。試作機ではファンが回転しやすく、風切り音がそれなりに鳴っていたが、製品版では改善されるという。

 発熱の傾向について簡単に触れておくと、表面はパームレストやタッチパッドが熱しにくく、キーボードがほんのり温かくなる程度だった。底面は左側面の排気口周辺から本体中央部にかけてが最も高温になるが、比較的クールな印象を受けた。

 次のページでは、以上の検証結果からレビューを総括する。

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