ソニーが満を持して投入した“WXGA液晶”Netbook――「VAIO W」徹底検証これぞ低価格ミニノートの決定版!?(2/5 ページ)

» 2009年07月07日 17時30分 公開

本体サイズをほかのVAIOノートと比較する

 携帯性については、10型クラスのワイド液晶ディスプレイを搭載したNetbookでは標準的だ。本体サイズは267.8(幅)×179.6(奥行き)×27.5〜32.4(高さ)ミリ、重量は約1.19キロとなっている。試作機の重量を実際に計測したところ、1.141キロだった。1キロ強のボディは余計な突起がなく、バッグへの収まりもいいので、持ち運びはしやすいだろう。

 小型軽量を得意とするVAIOノートということで、もう一層のコンパクト化も期待してしまうが、携帯性優先のユーザーにはVAIO type Pを推奨するというのがソニーのスタンスだ。コスト面なども考慮し、VAIO Wではあえて小型軽量にこだわってはいないという。

 以下の写真はVAIO WとVAIO type P、そして11.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載のモバイルノートPC「VAIO type T」と並べて撮影したものだ。こうして見ても分かる通り、VAIO WとVAIO type Pではボディサイズが大きく異なる。

液晶ディスプレイを閉じた側面の比較。左から、VAIO type P、VAIO W、VAIO type T。VAIO type Pは本体サイズが 245(幅)×120(奥行き)×19.8(高さ)ミリ、重量が約626グラムで、VAIO type Tは本体サイズが279(幅)×199.8(奥行き)×23.5〜30.7(高さ)ミリ、重量は約1.27キロだ(重量は構成によって異なる)

液晶ディスプレイを開けた側面の比較

天板の比較。パームレスト部がないVAIO type Pの小ささが目立つ

底面の比較。VAIO type Pの底面は、ネジが1本もない美しい仕上がりだ。VAIO Wの試作機は底面にシールが張ってあるが、デザイン自体はシンプルにまとまっている。ただし、底面にはネジが7本見えている

 バッテリーはスティック状のリチウムイオンバッテリーパックを採用する。駆動時間は標準バッテリー(11.1ボルト 2100mAh 24ワットアワー)で約3.5時間をうたう。オプションのバッテリーパックL(10.8ボルト 5200mAh 57ワットアワー)の駆動時間は未定だ。

 重量を実測したところ、標準バッテリーは172グラム、バッテリーパックLは314グラムだった。バッテリーパックL装着時は本体後部が20ミリほど出っ張り、実測での本体重量は1.283キロに増加した。標準バッテリーでの駆動時間はNetbookとしてはまずまずだが、出張など外出先でヘビーに使いたい場合はバッテリーパックLの導入を検討したいところだ(バッテリー駆動時間の検証は後述)。

標準バッテリー装着時(写真=左)とバッテリーパックL装着時(写真=中央)。標準バッテリーとバッテリーパックLの比較(写真=右)

 付属のACアダプタはコンパクトにまとまっている。突起部を除く本体サイズは37(幅)×92(奥行き)×26.5(高さ)ミリ、電源ケーブルも含めた総重量は実測値で196グラムと、さすがにVAIO type PのACアダプタよりは大きいものの、持ち運びが苦にならないサイズだ。

ACアダプタは小型軽量でじゃまにならない(写真=左)。左から、VAIO type P、VAIO W、VAIO type TのACアダプタ(写真=右)。なお、VAIO WのACアダプタは本体接続部にLEDが搭載されておらず、ほかのVAIOノートのようには光らない

手堅くまとめた基本スペック

 PCとしての基本スペックは、CPUがAtom N280(1.66GHz)、チップセットがIntel 945GSE Express(グラフィックスコアのIntel GMA 950を内蔵)、メインメモリが1Gバイト(PC2-4200 DDR2 SDRAM 1Gバイト×1)、データストレージが160GバイトのSerial ATA HDD(5400rpm)だ。スピードよりも大容量の使い勝手を重視して、SSDではなくHDDを採用したという。

 底面にある3本のネジで固定されたカバーを取り外すことで、2.5インチ/9ミリ厚のSerial ATA HDDにアクセスできる。そこからメモリモジュールが装着されたSO-DIMMスロットに到達するには、HDDのコネクタ付近にある1本のネジと、バッテリーを外したところにある2本のネジを外し、キーボードユニットを取り外せばいい(分解記事は後日掲載する予定)。

3本のネジで固定されたカバーを開けるだけで、2.5インチ/9ミリ厚のSerial ATA HDDにアクセスできる(写真=左/中央)。ディスクの管理画面を見ると、リカバリ領域が3.72Gバイト確保されていた(写真=右)

底面のバッテリーを外したところにあるネジ2本と、HDDコネクタ付近のネジ1本を外すことでキーボードユニットが分離できる(写真=左)。キーボードユニットの下にはSO-DIMMスロットが1基用意されている(写真=中央)。取り外したキーボードユニットの表と裏(写真=右)。キーボードユニットは3本のネジで固定されており、キートップと格子状のパネルが一体化している

 通信機能は100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト準拠)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを標準で搭載。インタフェースはUSB 2.0×2、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク、メモリースティックDuo(PRO対応)スロット、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMCスロット、有効画素数31万画素のWebカメラを備えている。

 インタフェースのレイアウトについては、後方にACアダプタ接続用のDC入力や有線LANといった常時接続される端子、前方にUSBポートやサウンド関連といった頻繁に着脱することが多い端子が配置されており、使い勝手は良好だ。

 ただし、USBポートは右側面の手前に2基並んでいるが、NetbookではUSBポートが3基ある製品も少なくないため、できれば左側面にもう1基欲しかったところだ。11nドラフト準拠の無線LANをはじめとする通信機能に不満はない。メモリースティックDuoを標準でサポートしているのはVAIOならではだ。

前面にワイヤレス通信のスイッチ、メモリカードスロット、電源スイッチを配置(写真=左)。背面はバッテリーで占有されている(写真=右)

左側面にはACアダプタ接続用のDC入力、排気口、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイクの端子が並ぶ(写真=左)。右側面には有線LAN、2基のUSB 2.0ポートを備えている(写真=右)

ブラウンのボディに、レッドのカラー刻印を入れた例

 プリインストールOSはWindows XP Home Edition(SP3)を採用し、付属ソフトはDLNA対応ホームサーバ/クライアントソフトの「VAIO Media plus」や、DVD再生ソフトの「WinDVD for VAIO」、ライティングソフトの「Roxio Easy Media Creator(XP版)」などシンプルにまとまっている(光学ドライブは別売)。もちろん、Atom N280とIntel 945GSE Expressチップセットを組み合わせた構成なので、VAIO Media plusでのHD動画再生は非サポートだ。

 VAIOオーナーメードモデルでは基本スペックの変更はできないものの、直販限定のブラウンやバッテリーパックL、オフィススイート(Office 2007 Personal+Power Point、Office 2007 Personal、2年限定版のOffice 2007 Personal)が選べる。バッテリーパックLの受け付け開始は9月中旬の予定だ。

 さらに、直販限定で3色のカラーメッセージ刻印サービス(ブラック、レッド、グリーン)が無償で受けられる。同社によると、カラーメッセージの刻印サービスに対応したPCは業界初という。

 次のページでは、VAIO W最大のウリである高解像度のワイド液晶ディスプレイと入力環境をチェックする。

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