「体験すればデルのよさを分かってもらえると思う」コンシューマー事業のトップに聞く

» 2009年07月24日 10時00分 公開
[後藤治,ITmedia]

 デルは7月23日、JR新宿駅構内の「アルプス広場」において、同社新製品のタッチ&トライ・イベント「YOURS IS HEREライフスタイル体験イベント」を開催した。実施期間は7月23日から7月26日までの4日間(10時〜19時)。同イベントでは、アルプス広場にリビングルームや書斎、カフェのセットを設けて実際にPCが利用される生活空間を演出しており、部屋のインテリアとPCのデザインのマッチングなどを実際に確認しながら体験できるようになっている。なお、書斎をイメージしたセットには15.4型ワイド液晶搭載ノートPC「Studio 15」、リビングには液晶一体型PC「Studio One 19」、カフェにはNetbookの「Inspiron Mini 10」と「Inspiron Mini 10v」が並んでいた。

JR新宿駅構内に書斎、リビング、カフェのセットが設置され、その中でデルのPCを試せるようになっている


デル(Dell Japan)でコンシューマ事業を統括するジョージ・ケラマン(George Kellerman)氏。かつて青森県の三沢米軍基地に空軍として勤務していたこともあり、日本との関わりは実はかなり長い(ちなみに奥さんも日本人だ)

 当日イベント会場にはデルコンシューマ事業部本部長・執行役員のジョージ・ケラマン(George Kellerman)氏が視察に訪れており、話を聞く機会を得た。ちなみにケラマン氏は約1年前に日本のコンシューマ事業を統括するポストについているが、正式な形でメディアへ登場するのは今回が初めて。同氏は非常に多彩な経歴の持ち主で、デル入社以前は米Yahoo!の法律顧問をはじめ、これまでヤフーやライブドアなど、日本のIT企業の戦略的アドバイザーも務めている。

――コンシューマ事業の統括責任者になられてからちょうど1年になりますね。1年前と比べてコンシューマ事業の状況はどのように変わりましたか?

ケラマン 私がデルに入社したときは、ちょうどデルがこれまでのBTOビジネスからリテールへ注力していた時期でした。現在は全国各地の量販店約1000店舗でPCを展開していますが、“Yours is here”をコンセプトに個人向けブランドを刷新した2007年は、最初は取り扱いがビックカメラ(25店舗)だけだったので、ソフマップをはじめ、コジマやエディオン、ピーシーデポ、ヨドバシなど、残りの900店舗以上は2008年から拡大したものです。

 デルが日本で販売業務を開始してからもう15年以上が経っていますので、デルのPCを使ったことがある人はかなりいると思いますが、これまでは仕事用PCとしてイメージしている人が多かったかもしれません。しかし、現在は日本各地でデルの製品を体験できる場所があるので、PCに詳しくないコンシューマーにもデルのPCのよさを分かってもらう機会が増えたと思っています。実際、顧客の反応はとてもいいですね。

――今回のイベントを、例えば秋葉原などではなく、新宿駅構内で実施した理由も、より一般層へ訴求したいということでしょうか

ケラマン ええ、そうです。JR新宿駅はハブとして非常に多くの、多様な人々が通ります。サラリーマンもいれば学生もいますし、おばあちゃんや子ども、性別も年齢もさまざまです。PCに詳しい人だけでなく、デルを知らなかった人にも製品を提供したいと考えています。また、新宿駅の近くには量販店も複数あるので、実際に触ってみて気に入ればすぐに買いに行けるでしょう。

 また、こういったイベントでは、日常でデルの製品がどうフィットするかを体験できるというメリットがあります。量販店にはデル以外にもたくさんのPCが並んでいますが、少し触ってすぐ次を試すといったように、なかなか実際の利用シーンをイメージしながら使うことはできません。ここでならそれができますし、自分のニーズにあったマシンを探している人のために、デルのフルラインアップを説明できるスタッフもちゃんといます。新製品が当たる抽選やキャッシュバックキャンペーンも実施しているので、是非体験イベント来て欲しいですね。

――話は変わりますが、この1年間を振り返るとNetbookが流行したのも大きなトピックですね。Netbookへの参入に対してデルは少し出足が遅かった印象はありますが……

ケラマン いえ、それは違います。後出しだと追従したように見えるかもしれませんが、小型の低価格PCについて私たちは以前から市場の成長を見込んでおり、Netbookのリリースも早くからロードマップに組み込んでいました。私たちが遅かったのではなく、一部の他社が早かったというほうが正しいでしょう。デルは常に最新の技術をいち早く取り入れるように努力していますが、世界的な景気後退の影響を受けて、ほかの企業は自社の競争力を高めるために新技術の採用スピードがさらに速くなっていくかもしれません。

 ただ、私たちが最も重視しているのは、日本のユーザーのニーズにどうやって応えていくのか、多種多様なユーザーニーズを満たすためにはどうすればいいかです。もちろん、ニーズはユーザーによってまったく異なるので、デルはフルラインアップをそろえる戦略を取っています。InspironやStudioだけでなく、Inspiron MiniやAdamo、Studio one、Alienwareなど非常に多くのモデルをそろえました。

――例えば、Netbookに搭載されるAtomよりもパフォーマンスが高く、かつ長時間のバッテリー駆動ができるノートPCを安価に手に入れたいと考えているユーザーのニーズに対してはどう考えていますか?

ケラマン すみません。デルのラインアップにはありませんか?

――具体的に言うと、CULV CPUを採用するノートPCの投入予定なんですが……

ケラマン ああ(笑)。今後の製品投入の予定についてここで語ることはできません。常にデルは新しい技術の採用を検討してはいますが、それがどういったものかを答えることはできません。ただ1つ言えるのは、いつも私たちはユーザーニーズを満たすために何ができるのか、モノだけでなく、サービスや品質、サポートまで含めて、顧客の満足度を高めるにはどうすればいいのかを考えているということです。

――いつごろ満たしてくれるのでしょう(笑)

ケラマン できるだけ早くそうしたいとは思っていますが(笑)

――それと最後にもう1つ。Alienwareの日本での展開が始まりましたが、ゲーミングPCのブランドは現在2つありますね。すみ分けはどうなるのでしょう?

ケラマン 今後ゲーミングPCはAlienwareブランドに統合されていきます。XPS 1730の販売はすでに終了しており、Alienware M17xのみになります。デスクトップPCも同様です。

――あれ? でも日本で販売されているAlienwareブランドの製品はノートPCだけですよね。デスクトップPCは?

ケラマン それも楽しみにしていてください(笑)

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