これが“5万円GPU”の性能かっ!──「Radeon HD 5870」の驚異的性能に驚くイマドキのイタモノ(2/2 ページ)

» 2009年09月23日 13時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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シングルGPU搭載のグラフィックスカードとしては圧倒的なパフォーマンスを発揮

 Radeon HD 5870の性能検証では、比較するGPUとしてRadeon HD 4800シリーズにおける最上位GPUのRadeon HD 4890と、NVIDIAのシングルGPUで最上位GPUになるGeForce GTX 285を用意した。また、検証に用いたシステムは、CPUにCore i7 965を採用し、メモリは1Gバイト×3=3Gバイト、OSは32ビット版のWindows Vista Ultimete(SP1)を導入した。

CPU Core i7 965 Extreme Edition(3.20GHz)
マザーボード MSI X58 Pro
チップセット Intel X58 Express
メモリ DDR3-1333(GeIL GV33GB1333C9TC 1GB×3/9-9-9-24)
HDD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB)
OS Windows Vista Ultimate(SP1) 32ビット版

3DMark 06:3DMarks
3DMark 06:SM2.0 Score

3DMark 06:HDR/SM3.0 Score
3DMark 06:Shader Test

3DMark Vantage
消費電力(ワットチェッカーによるシステム全体の測定値)

Crysis War Head(DirectX 10)
Far Cry 2

Unreal Tournament 3(Patch c1.2):vCTF-Suspense
Unreal Tournament 3(Patch c1.2):DM-ShangriLa

 Radeon HD 5870は、今回計測したベンチマークテストのすべての結果で、ほかのGPUを圧倒する結果を残した。ではRadeon HD 5870の特徴を見ていくと、3DMark06のShader Model 2.0テストではRadeon HD 5870の結果は頂点に張り付いたようにスコアの変動が見られない。また、同じく、3DMark06のShader Model 3.0テストではほかのGPUに大きな差をつけている。Radeon HDシリーズが苦手としていたMulti-Texturingでも、Radeon HD 4890からスコアを劇的に伸ばし、GeForce GTX 285を上回った。3DMarkVantageの結果でも、Radeon HD 5870はほかのGPUを明らかに上回っている。

 FPSゲームタイトルを使ったベンチマークテストでも、Radeon HD 5870は最も高い結果を出した。Radeon HD 4890がGeForce GTX 285を下回っていたベンチマークテストでもRadeon HD 5870なら負けていないことが示されている。

 このように、パフォーマンスでGeForce GTX 285を圧倒しながらも、Radeon HD 5870の消費電力がGeForce GTX 285より少なくなっていることは、ベンチマークテストの結果以上に高く評価できるだろう。3DMark03でのピーク値は250ワットと今回測定した3つのGPUでは最も少ない消費電力であったのに加え、Radeon HDシリーズが苦手としていたアイドル時の消費電力でも、Radeon HD 4890より80ワットも少なく、かつ、GeForce GTX 285と比べても45ワットほど少なかった。

Windows 7とDirectX 11の登場に合わせて飛翔できるか

 Radeon HD 5870は、高いパフォーマンスを示しながら、搭載するグラフィックスカードの実売価格は400ドル以下になると予想されている(日本でもPCショップが実売価格として約5万円を予告している)。気になるのは発表直後における出荷数だ。40ナノメートルプロセスルールを採用したRadeon HD 4770が、発表当初にほとんど流通されなかったのは、チップを製造しているTSMCの歩留まりが低かったためといわれている。Radeon HD 5800シリーズでは第2世代の40ナノメートルプロセスルールが採用されたというが、TSMCで歩留まりがどこまで向上したのか気になるところだ。

 2009年秋の時点でDirectX 11に対応する唯一のGPUとなるRadeon HD 5800だが、今回の検証で分かったように、パフォーマンスと省電力性能にも期待できるGPUをすぐに試したいユーザーも多いことだろう。十分な数が安定して出荷されて、ユーザーの期待に応えてくれることを願いたい。

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