インテルか、東芝か――次世代の最新SSDを徹底検証:SSDのススメ(2/2 ページ)

» 2009年11月11日 17時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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SSDの特性を把握する

 SSDはHDDと同じインタフェースを使ってはいるが、駆動部分がなく、物理的要因によるアクセス速度の変化が見られない。HDDの場合は一般に外周部ほど線速度が速くなるために高速にアクセスできる。また、フラグメンテーションを起こしたファイルを読み込む場合はアームが頻繁に動き、結果としてデータ読み取り速度の低下を招く。

 実際にHDTuneで確認してみると、シーゲイトHDDでは物理的な記録位置による速度変化が見て取れる。60%あたりまでは87Mバイト/秒で比較的安定しているものの、それを過ぎると速度が落ち始め、最終的には55Mバイト/秒あたりにまで下がってしまう。アクセスタイムも13.8ms、バーストレート48.3Mバイト/秒だ。

 一方、物理的な影響を受けないSSDでは、インテルSSDで転送レートはほぼ安定して142.5Mバイト/秒、アクセスタイム0.3ms、バーストレート66.3Mバイト/秒、一方の東芝SSDも168.7Mバイト/秒、アクセスタイム0.2ms、バーストレートに至っては実に126.6Mバイト/秒という非常に高いスコアだ。

HDTuneのシーゲイトHDDの結果。内周部では転送速度は低下する。また、アクセスタイムはこのようなばらつきが出るのが普通(画面=左)。インテルSSDでは転送速度のグラフはほぼ一直線だ。見えにくいがアクセスタイムの黄色い点はグラフ最下部(画面=中央)。東芝SSDの結果もインテルSSDと似た傾向を示す。バーストレートは126.6Mバイト/秒と圧倒的だ(画面=右)

 また、現行SSDの多くにはウェアレベリングと呼ばれる機構が搭載されており、書き込み(書き換え)が特定のセルに集中しないよう、分散させて書き込むようになっている。そのため、PCが認識している記録領域と実際に記録されている領域は一致しない。つまり、フラグメンテーションが発生した場合の影響、デフラグによる効果などはHDDの場合とはまったく異なる。SSDではデフラグはメリットがほとんどないばかりか、激しい書き換えによって書き換え寿命を縮めるデメリットが大きく、デフラグは行うべきではない。

 それでは、同じく頻繁な書き換えが予想されるページファイルはどうだろうか。こちらもSSDでは使用すべきではない、という意見が多い。しかし、マイクロソフトの考えは違うようだ。Engineering Windows 7 ブログによると、

ページファイルはSSD上に配置する必要がありますか?

はい。(中略)SSD 上に配置するのにページ ファイルより適したファイルはほとんどありません。

 と、むしろ積極的にSSD上にページファイルを配置することを勧めている。もちろん自己責任ということにはなるが、書き換え寿命を恐れるあまりにSSDの特質を生かさないのももったいない話だ。RAMを大量に積んでページファイルを使わない、という選択肢もあるが、これはSSDに限った話ではないだろう。

デスクトップPCでSSDとHDDのハイブリッド構成に

 ノートPCやNetbookの場合、搭載できるドライブは1基であることがほとんどだ。そのため、SSDを搭載する場合はHDDとの交換ということになる。だが、デスクトップPCの場合は搭載できるドライブ数にも余裕があることが多く、SSDとHDDのハイブリッド構成にすることもできる。SSDとHDD双方のよい点を生かし、弱点を補完するためにもデスクトップPCではおすすめの構成だ。

 この場合、読み込みの頻度が高いシステムドライブに小容量で高速なSSDを用い、バイト単価の安いHDDをデータドライブとして使用する。方法は簡単でSSDにWindowsをインストールし、マイドキュメントのフォルダをHDDに変更するだけだ。こうしておけばデスクトップはSSD上に作られたままなので、作成中のドキュメント・ファイルはデスクトップに置いて高速にアクセス、いったん完成したファイルは大容量のマイドキュメントに移動させるなどの柔軟な運用が可能になる。

 また、このように分割するとSSDの使用容量を少なく抑えられるため、システムバックアップを取りやすいというメリットもある。もちろん、SSDの高速性はバックアップイメージ作成時にも発揮され、実際に試してみたところWindows 7標準のバックアップで25%ほどの高速化が見られた。定期的にシステムドライブのイメージバックアップをデータドライブに取っておくとトラブルの際の復旧も簡単だ。

Windows 7ではスタートメニューにあるユーザー名からデスクトップやマイドキュメントにアクセスできる。プロパティから場所を変更することが可能だ(画面=左)。Windows 7の「バックアップと復元」から「システムイメージの作成」を行った。バックアップ先はデータドライブとして接続したHDDだ。シーゲイトHDDが4分弱であったのに対し、SSDはインテル、東芝とも3分前後で完了した(画面=右)

 そのほか、CDやDVDからリッピングしたISOファイルを仮想ドライブでマウントする際にSSDドライブを使用するのも1つの方法だ。実際に2層記録のDVD-VIDEOをリッピングし、仮想ドライブツールVirtual CloneDriveでマウントした状態でOpti Speedで速度計測を行った。比較用の実ドライブとしては、LGエレクトロニクスのBlu-rayドライブ「GGW-H20N」を使用している。

 DVD-R DLは内周から記録が始まり、4Gバイトあたりで1層目最外周に到達する。その後、そこから折り返して今度は内周へと向かう。グラフを見るとGGW-H20Nでは回転速度が一定であり、読み取り速度はHDTuneで測定したHDDの動作に似て、最外周部をピークになだらかな曲線を描いているのが分かる。平均6.23倍速、バーストレート51.2Mバイト/秒、ランダムアクセス171ms、1/3ストローク211ms、フルストローク254msというスコアだ。

 一方、HDDに保存したISOイメージを仮想ドライブにマウントした場合は読み取り速度がほぼ一定の55倍速、ランダムアクセス10ms、1/3ストローク2ms、フルストローク1ms、バーストレート67.4Mバイト/秒という結果だ。これでも十分高速だが、SSDになると東芝SSDで78.6倍速、バーストレート94.9Mバイト/秒、インテルSSDで84.3倍速、バーストレート78.1Mバイト/秒というスコアをたたき出した。特にランダムアクセス、1/3ストローク、フルストロークについては両SSDとも1msという極限の速度に達している。

 DVDビデオを再生する限りはこれほどの高速性が求められることはないものの、仮想PC上のOSインストールなどには重宝しそうだ。

Blu-rayドライブ「GGW-H20N」で2層DVD-VIDEOを測定したところ。最外周が最も高速で、8倍速強ほど(画面=左)。シーゲイトHDD上に置いたISOイメージファイルをVirtualCloneDriveでマウントした。読み取り速度はほぼ55倍速あたりで一定だ(画面=右)

インテルSSDでは84.3倍速を記録。バーストレートは78.1Mバイト/秒だ(画面=左)。東芝SSDでは平均読み取り速度では78.6倍速とインテルSSDに及ばないものの、バーストレートは94.9Mバイト/秒をたたき出した(画面=右)


 SSDは時代の象徴だ。今までの常識を覆す初代NetbookのEee PCに採用され、SDHCカードやケータイなどで需要が増大したNANDメモリの新たな利用製品でもある。そして、SSDを正式サポートするWindows 7が登場するなど、SSDそのもの以上に、回りの環境の変化が大きなニュースとなってきている。

 SSDは高速性のほかにも、駆動部分を持たないことによる耐衝撃性や静音性、低発熱、低消費電力という特性を持ち、性能を維持したまま小型化しやすいなど、価格を除けばHDDの問題をすべてクリアしたエポックメイキング的なデバイスと言っても過言ではない。「新しモノ好き」でなくても利用を検討すべき時期を迎えつつあるようだ。

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