画面が大きく鮮やかになった新型「iMac」を徹底比較:これが“冬ボ”の使い道(2/2 ページ)

» 2009年12月18日 12時00分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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8万円の差はどれくらいか――21.5型と27型を比較

 今回評価したのは、21.5型液晶ディスプレイを搭載する最も安価なモデル「MB950J/A」(Apple Store価格は11万8800円)と、Core i5-750を採用する「MB953J/A」(Apple Store価格は19万8800円)だ。

 3.06GHz動作のCore 2 Duo E7600を搭載する下位3モデルは、従来と同じくNVIDIAのグラフィックス統合型チップセット「GeForce 9400M」ベースのシステムを踏襲している。これに対して、クアッドコアCPUのCore i5-750を搭載する「MB953J/A」は、チップセットにIntel P55 Expressチップセットを採用する。このためGPUが必須で、グラフィックス機能としてATI Radeon HD 4850を備える。上位モデルと下位モデルのどちらを選ぶかは液晶ディスプレイのサイズが大きな判断材料になるが、システム性能でもどの程度の差があるのか気になるところだ。それでは定番ベンチマークテストの結果を見ていこう。なお、今回は比較対象として、旧iMacの24型モデル「MB419J/A」と20型モデル「MB417J/A」の結果も加えている。

今回比較したiMacの基本スペック
型番 MB953J/A MB950J/A MB419J/A MB417J/A
CPU Core i5-750(2.66GHz) 3.06GHz Core 2 Duo 2.93GHz Core 2 Duo 2.66GHz Core 2 Duo
メモリ 4GB(PC3-8500) 4GB(PC3-8500) 4GB(PC3-8500) 2GB(PC3-8500)
HDD 1TB 500GB 640GB 320GB
グラフィックス ATI Radeon HD 4850(512MB GDDR3) GeForce 9400M GeForce GT 120(256MB GDDR3) GeForce 9400M
液晶ディスプレイ 27型ワイド 21.5型ワイド 24型ワイド 20型ワイド
画面解像度 2560×1440ドット 1920×1080ドット 1920×1200ドット 1680×1050ドット

 CINEBENCH R10の結果を見ると、Multiple CPUのスコアはクアッドコアのCore i5-750を搭載するMB953J/Aが12165と群を抜き、それ以外はほぼ動作クロックなりのスコアに落ち着いた。Core 2 Duo E7600(3.06GHz)を搭載するMB950J/Aに比べて、Core i5-750のMB953J/Aは約1.9倍も高速だ。Lynnfield(開発コードネーム)はメインストリーム向けCPUではあるが、マルチコアに対応したアプリケーションでは従来のiMacを大きく引き離す性能を期待できる。特に国内メーカー製の一体型PCでデスクトップ向けのCore i5/i7を採用している例はないので、Windowsマシンとしての利用を考えているユーザーにとってもMB953J/Aは魅力的な選択肢だろう。

 一方、OpenGLのスコアは、ATI Radeon HD 4850が6756と最も高く、次いでGeForce GT 120の6021、そしてGeForce 9400Mという順当な結果だった。ただし、性能差はそれほど大きいわけではなく、逆にGeForce 9400Mがチップセット内蔵グラフィックスながら健闘している印象だ。iMacの内蔵GPUはノート型Macに搭載されるGeForce 9400Mよりもコアクロックが高く設定されており、Boot Camp環境でゲームをするといった明確な目的がないのなら、これでも十分だろう。

CINEBENCH R10の結果(画面=左)。iTunesベンチの結果(画面=右)

 このほか、実用的なアプリケーションの1つとしてiTunesを使い、再生時間1分のQuickTimeファイルを「iPod/iPhone用」に、再生時間10分のAppleロスレスファイルをAACに変換した際の時間を計測してみた。結果を見ると、AAC変換に関しては手動計測ということもありはっきりとした差は認められなかったが、iPod変換ではやはりMB953J/Aが圧倒的に速く処理を終えた。

Windows 7環境でのパフォーマンスを検証

Boot Campのバージョンは3.0(Build 2151)

 最後にBoot Campを用いて32ビット版のWindows 7 Ultimateをインストールし、定番ベンチマークテストを実施した。ただし、原稿執筆時点ではBoot Camp(Version 3.0 Build 2151)がWindows 7に正式対応していないため、結果は参考程度に見て欲しい。また、Windows用のドライバは付属の「Mac OS X Install DVD」を利用したが、27型iMacは通常の手順でインストールできなかったので、コマンドプロンプトから手動でATIのグラフィックスドライバを削除し、インストール後に最新のドライバをあてている。

 まずは、Windowsエクスペリエンスインデックスの結果を見ていこう。MB953J/AはHDDをのぞくすべての項目で7.0を超える非常に高い値をマークした。特定アプリケーションやゲームなどを理由に、将来的にiMacをWindows 7環境で利用したい場合でも、性能面ではまったく問題ないはずだ。一方、21.5型のMB950J/Aも1番低いサブスコアがグラフィックスの5.2とまずまずの成績を残している。CPUも6.5を超えており、実際に試用していて操作にストレスを感じることはなかった。

Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。左がCore i5を搭載するMB953J/A、右が最下位モデルのMB950J/A

MB953J/AのCPU-Z 1.52.2の画面。デスクトップPC向けのCore i5とIntel P55 Expressチップセットの組み合わせを採用する。Core i5はHyper-Threadingをサポートせず、4コア4スレッドだが、Turbo Boostに対応しておりコアの稼働状況に応じてクロックを最大3.2GHzまで引き上げる

MB950J/AのCPU-Z 1.52.2の画面。CPUは3.06GHz動作のCore 2 Duo E7600だ

 PCMark05の結果は、比較した機種でOSの違いはあるものの(新型はWindows 7、旧型はWindows Vista)、CPUとGraphicsでやはりMB953J/Aが頭1つ抜き出た形だ。旧iMacの24型モデルであるMB419J/Aと比べても、CPUで約30%、Graphicsでは50%ほど高速化しており、GeForce 9400MベースのiMacとは一線を画している。MB953J/Aは、3DMark06のスコアでもGeForce GT 120を搭載するMB419J/Aに大差をつけ、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では1万の大台に乗せるなど、軽めの3Dゲームなら十分以上にプレイできる実力を持っている。ドライバなどの問題は残されているものの、Core i5/i7を選択できるiMacは、Windowsマシンとして見ても、現在最も高性能な液晶一体型デスクトップPCと言っていいだろう。

PCMark05(画面=左)。3DMark06(画面=中央)。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3(画面=右)

 以上、Windows 7環境下でのベンチマークテスト結果を見てきたが、MB950J/AとMB953J/Aでは、やはり8万円分の差がはっきりあると感じた。液晶ディスプレイの広さはもちろんのこと、新世代のアーキテクチャを採用する上位モデルは性能面でも群を抜いている。もし予算に余裕があるのなら27型ワイド液晶を搭載したiMac、それもCore i5モデルを選びたい。

 ただし少々気になったのは、ベンチマークテストなどの高い負荷をシステムにかけた状態では、ボディの一部が手で触れないほど熱くなる点だ。3基内蔵されているファンは非常に静かなのだが、排気スリット付近は非接触温度計で50度近い温度を示していた。製品化された以上、これで問題ないという判断なのだろうが、冬場でこれだけ熱くなるのでは、今後モバイル向けCore i7(Clarksfield)+Intel PM55 Expressのシステムにリファインされるかも、などと想像してしまう。

 また、単純な問題として27型モデルの出荷が遅れている点も懸念材料だろう。せっかく年内に購入するのなら、年末年始は新しいMacで迎えたいと思うのが人情だ。現在、Apple Storeの27型モデルの出荷予定は2週間となっており、年内に届くのかどうかはきちんと確認したほうがよさそうだ。

 もっとも、一番安い11万8800円のMB950J/Aでさえ、液晶ディスプレイがフルHD表示に対応しているうえに、基本スペックでも十分以上の性能を持っている。最近は21.5型ワイド液晶ディスプレイが2万円以下で売られている状況だが、その多くは視野角の狭いTNパネルであり、これらの表示品質に比べれば新型iMacのIPSパネルは数段上だ。PCを持ち歩く必要性がないのなら、ソフトウェアを含む必要なすべてをオールインワンでそろえられるiMacは、価格対性能比のよいハイパフォーマンスPCとして、不動の地位にいると言えるだろう。

 なお、Apple Storeでは12月1日から12月24日まで「ローン分割金利1%キャンペーン」を実施している。ボーナスが出なかった人も涙をふいて、安心してお布施を払ってほしい。

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