“豪華すぎる”モバイルノート「VAIO Z」を徹底検証する(前編)向かうところ敵なし!?(3/5 ページ)

» 2010年02月17日 13時15分 公開

モバイルの常識から外れたハイパフォーマンスを実現

VPCZ11AFJが搭載するCPUのCore i7-620M

 新型VAIO Zで見逃せないのが、従来機を上回るハイスペックぶりだ。VAIO Zは従来から性能面に配慮して通常電圧版のCPUを採用していたが、今回はそのCPUをCore 2 DuoからCore i5/7(デュアルコア/開発コード名:Arrandale)に世代交代し、外部GPUも最新かつワンランク上のグレードのモデルを選択、データストレージもデュアルSSD構成を標準仕様にして直販モデルではクアッドSSD構成も選べるようにするなど、基本スペックのアップグレードには余念がない。

 また、13.1型ワイド液晶ディスプレイはさらに高解像度化している。従来機は店頭モデルが1366×768ドット表示で、直販モデルの選択肢として1600×900ドット表示の液晶が用意されていたが、モデルチェンジにより店頭モデルが1600×900ドット表示の液晶を標準装備するようになった。さらに、直販モデルでは1920×1080ドット表示の広色域タイプも選べるようになり、このサイズでフルHD表示を実現したのは大きなトピックだ。

 店頭モデルVPCZ119FJ/Sの基本スペックは、CPUがCore i5-520M(2.4GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.93GHz/3次キャッシュ3Mバイト/HT対応)、チップセットがIntel HM57 Express、外部GPUがNVIDIA GeForce GT 330M(専用グラフィックスメモリ1Gバイト)、メインメモリが4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-8500)、データストレージが合計128GバイトのSerial ATA SSD(64GバイトSSD×2によるRAID 0構成)、光学ドライブがDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブとなっている。液晶ディスプレイの解像度は1600×900ドットだ。

 今回入手した直販モデルVPCZ11AFJは、CPUがCore i7-620M(2.66GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大3.33GHz/3次キャッシュ4Mバイト/HT対応)、データストレージが合計256GバイトのSerial ATA SSD(64GバイトSSD×4によるRAID 0構成)、光学ドライブがBlu-ray Discドライブ、液晶ディスプレイの解像度が1920×1080ドットといった構成だった。そのほかのスペックは店頭モデルと同様だ。

CPU-Zで見たVPCZ11AFJのCPU(Core i7-620M)
CPU-Zで見たVPCZ119FJ/SのCPU(Core i5-520M)
CPU-Zで見たVGN-Z73FBのCPU(Core 2 Duo P9700)

VPCZ11AFJのメモリスロット。ネジ止めされた背面のカバーを外すと、2基のSO-DIMMメモリスロットにアクセスできる。評価機は2Gバイトモジュールを2枚装着していたが、最大8Gバイト(4Gバイト×2)の構成も選べる
VPCZ119FJ/Sのメモリスロット。VPCZ11AFJと同様、ネジ止めされた背面のカバーを外すことで、2基のSO-DIMMメモリスロットにアクセス可能だ。こちらも標準で2Gバイトモジュールを2枚装着している

 さらに直販モデルでは、最大8GバイトDDR3 SDRAM(4Gバイト×2/PC3-8500)のメインメモリや、合計512GバイトのSerial ATA SSD(128Gバイト×4、RAID 0)を選択できる。光学ドライブを省き、SSDの代わりに2.5インチSerial ATA HDD(500Gバイト/7200rpm、320Gバイト/5400rpm)を内蔵することで、価格を抑えることも可能だ。

 今回使用した機材の主な基本スペックは下表にまとめたが、店頭モデル同士の比較でも大幅な仕様強化が見てとれる。

今回使用したVAIO Zの基本スペック
製品名 VPCZ11AFJ(直販モデル) VPCZ119FJ/S(店頭モデル) VGN-Z73FB(旧・店頭モデル)
発売日 2010年3月6日 2009年10月22日
OS 64ビット版Windows 7 Home Premium
CPU Core i7-620M(2.66GHz/最大3.33GHz) Core i5-520M(2.4GHz/最大2.93GHz) Core 2 Duo P9700(2.8GHz)
メインメモリ 4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-8500)
チップセット Intel HM57 Express Intel GM45 Express
外部GPU NVIDIA GeForce GT 330M NVIDIA GeForce 9300M GS
外部GPUのグラフィックスメモリ 1Gバイト 256Mバイト
液晶ディスプレイ 13.1型ワイド(1920×1080ドット) 13.1型ワイド(1600×900ドット) 13.1型ワイド(1366×768ドット)
データストレージ 256GバイトSSD(64Gバイト×4、RAID 0) 128GバイトSSD(64Gバイト×2、RAID 0) 500GバイトHDD(5400rpm)
光学ドライブ Blu-ray Discドライブ DVDスーパーマルチドライブ
天面カラー プレミアムカーボン シルバー ブラック
価格 31万6800円(直販価格) 24万円前後(予想実売価格) 21万円前後(発売時の実売価格)
※VPCZ11AFJの価格は、WiMAX、IEEE802.11a/b/g/n(MIMO 2×2)の無線LAN、指紋センサー&TPMセキュリティチップ、FeliCaポート、Webカメラ、バックライト付き日本語配列キーボードも選択した場合のもの

SSD、グラフィックス、サウンドに独自のこだわり

 基本スペックの強化においては、特にデュアルSSDやクアッドSSDの採用が目立つが、限られたスペースに最大4基のSSDを内蔵する必要から、SSDは独自形状のモジュールを新たに採用している。基板の両面にフラッシュメモリとコントローラをそれぞれ実装し、1枚の基板の裏表でRAID 0構成のデュアルSSDを実現する仕組みだ。

 直販モデルでクアッドSSDを選んだ場合、このデュアルSSDモジュールが2枚重ねて内蔵される。PC側との接続については、SSDの各コントローラがそれぞれSerial ATAポートに接続され、デュアルSSDで2ポート、クアッドSSDで4ポートを使用している状態だ。

デュアルSSDモジュールの表と裏。それぞれにフラッシュメモリとコントローラを装備する。端子は片側にしかないが、片面で1基のSSDとなっており、両面で2基のSSDという扱いになる
クアッドSSDのユニット。デュアルSSDモジュールを2枚に重ね、マウンタに装着してある。サイズ、端子ともに汎用のものではなく、VAIO Z専用のSSDモジュールとなっている

 グラフィックス機能は、外部GPUのNVIDIA GeForce GT 330M(専用グラフィックスメモリ1Gバイト)に加えて、CPUに統合されたグラフィックス機能であるIntel HD Graphicsも利用する。VAIO Zは従来から、高性能な外部GPUと消費電力が低いチップセット内蔵グラフィックスコアを状況に応じて本体内蔵のスイッチで切り替えられる「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能をウリとしてきたが、新型VAIO Zではこの部分にも手を加えた。

 前モデルまでは外部GPUを利用するSPEEDモードと、チップセット内蔵グラフィックスコアを利用するSTAMINAモードを用意していたが、今回は新たにAUTOモードを追加している。AUTOモードは、ACアダプタ接続時とHDMI/DVI出力時に外部GPUを使い、バッテリー駆動時(HDMI/DVI出力時を除く)にCPU統合グラフィックスコアを使うように、グラフィックス機能を自動で切り替えてくれる優れモノだ。

 モードの切り替えは、画面が一瞬暗くなるだけで完了するため、処理に待たされることもない(実行しているアプリケーションによっては、終了するまでGPUを切り替えられない場合もある)。AUTOモードの搭載によって、ユーザーが状況に応じて手動でスイッチを切り替えなくても、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時でグラフィックス機能を自動で使い分けてくれるようになったため、ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス機能の利便性はさらに高まったといえる。

「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能の切り替えスイッチ。SPEEDは外部GPU、STAMINAはCPU統合のグラフィックスを利用する。AUTOは自動切り替えだ
SPEEDモード時のデバイスマネージャ画面。ディスプレイアダプタの項目にNVIDIA GeForce GT 330Mの表示が確認できる
STAMINAモード時のデバイスマネージャ画面。ディスプレイアダプタの項目からNVIDIA GeForce GT 330Mの表示が消えている

 音声面も改善が見られ、ソニー独自の高音質サウンドチップ「Sound Reality」を内蔵した。サラウンド音響を実現する「Dolby Home Theater v3」もサポートしており、映像/音楽コンテンツの視聴環境にも気を配っている。

 さらに標準でノイズキャンセリングヘッドフォンに対応しており、付属のノイズキャンセリングヘッドフォンを使用すると、周囲の騒音を約1/4に低減することが可能だ。また、ノイズキャンセリングヘッドフォンには雑音を拾うためのマイクが付いているが、それを指向性マイクとして利用することで、周囲が騒がしい環境でテレビ会議やボイスチャットを行っても、相手にクリアな声が伝わるよう工夫している。

ノイズキャンセリング機能を備えており、店頭モデルはノイズキャンセリングヘッドフォンが付属する(直販モデルは選択可能)
ノイズキャンセリングの設定はユーティリティソフトで行える
マイク指向性の設定も同じユーティリティソフトで行う

通信機能は充実、インタフェースはUSBポートを1基増設

 通信機能も充実しており、最大送受信速度300Mbpsに対応したIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(MIMO 2×2)、1000BASE-Tの有線LAN、最大受信速度20Mbps/最大送信速度6Mbpsに対応したWiMAX、Bluetooth 2.1+EDRを標準装備する。直販モデルではWiMAXと排他で、最大送受信速度450Mbpsに対応したIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(MIMO 3×3)や、最大受信速度7.2Mbps/最大送信速度5.76MbpsのFOMA HIGH-SPEED対応ワイヤレスWANを内蔵することもできる。

 インタフェース類は、3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、HDMI出力、ヘッドフォン、マイク、FeliCa 2.0、有効画素数31万画素のWebカメラ、指紋センサー、TPMセキュリティチップ(直販モデルで選択可)を搭載。カードスロットは、メモリースティックデュオ(PRO-HG対応)用、SDメモリーカード(SDHC対応)用、ExpressCard/34用をそれぞれ内蔵する。

 従来機と比較して、モデムと4ピンIEEE1394の端子が省かれた一方、USB 2.0ポートの数が1基増えている。ただし、直販モデルでは左側面の手前にあるUSB 2.0ポートを減らす代わりに、4ピンIEEE1394を追加することも可能だ。eSATAやUSB 3.0といった高速なインタフェースの採用は見送られているが、これは現時点での普及率、重量や消費電力の増加などを検討した結果という。オプションとして、ポートリプリケータも用意されている。

 なお、新型VAIO Zでは側面の端子がアルミ製トップカバーの下に隠れるため、見栄えをよくするカバー類は省かれた。カバーがないため、どのインタフェースにもダイレクトにアクセスできる。

前面にヘッドフォン、マイクの端子、メモリースティックデュオ(PRO-HG対応)スロット、SDメモリーカード(SDHC対応)スロットを配置
背面はバッテリーで占有されている

左側面には2基のUSB 2.0、HDMI出力、ExpressCard/34スロット、有線LAN、盗難防止用ロックコネクタ、排気口、ACアダプタ用のDC入力がひしめき合っている
右側面はUSB 2.0、光学ドライブ、アナログRGB出力、電源ボタンが並ぶ。アナログRGB出力はVAIO Xに採用された実装面積が小さいタイプになっている

 店頭モデルは、OSに64ビット版のWindows 7 Home Premium、オフィススイートにOffice Personal 2007を採用。直販モデルのOSは、64ビット版のWindows 7 UltimateやWindows 7 Professionalに加えて、Windows 7 Professionalのダウングレード代行インストールサービスによる32ビット版Windows XP Professional(SP3)も選択できる。

 付属ソフトについては、ソニー独自の写真・動画管理ソフト「PMB VAIO Edition」とサポートソフト「VAIO Care」、メディアプレーヤーソフトの「Media Gallery」などをそろえている。キーボードの上にはVAIO Careを起動する「ASSIST」ボタン、Media Galleryを起動する「VAIO」ボタンが設けられている。

 なお、直販モデルでは新型VAIO Zの高いパフォーマンスや高解像度・広色域の液晶ディスプレイを生かすべく、プロ向けの総合クリエイティブスイート「Adobe Creative Suite Production Premium 4」をバンドルすることもできる。

オプションのポートリプリケータ「VGP-PRZ10」は、4基のUSB 2.0、DC入力、アナログRGB出力、DVI-D出力、有線LAN×2といった端子を装備する
ポートリプリケータのコネクタは本体の底面にあり、装着すると後方が持ち上がる。ポートリプリケータの価格は1万5800円だ
キーボードの上には、VAIO Careを起動する「ASSIST」ボタン、「ウィンドウ整列」ボタン、Media Galleryを起動する「VAIO」ボタン、光学ドライブのイジェクトボタンが用意されている。ウィンドウ整列ボタンはほかの動作を割り当てることもできる


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