“豪華すぎる”モバイルノート「VAIO Z」を徹底検証する(前編)向かうところ敵なし!?(4/5 ページ)

» 2010年02月17日 13時15分 公開

画質、解像度ともに強化された液晶ディスプレイ

 ソニーはノートPC内蔵ディスプレイの品質に注力している数少ないメーカーだが、新型VAIO Zの液晶はその中でもハイグレードな仕上がりだ。店頭モデルが装備する1600×900ドット表示の13.1型ワイド液晶ディスプレイは、NTSC比100%(u'v'色度図)の広色域に対応し、アンチグレア処理と低反射コート、ハードコーティングも施したVAIOで最上位グレードのディスプレイ(VAIOディスプレイプレミアム)となっている。バックライトにはLEDを採用しており、輝度は内蔵の照度センサーで自動調整が可能だ。

 さらに直販モデルで選べる1920×1080ドット(フルHD)表示の13.1型ワイド液晶ディスプレイは、NTSC比100%(u'v'色度図)に加えて、Adobe RGBカバー率96%の広色域、RGB各8ビットによる約1677万色表示(1600×900ドット表示の液晶は6ビット+多階調処理による約1619万色表示)というプレミアも付く。このディスプレイにはICCプロファイルが適用済みで、カラーマネジメント対応アプリケーションを使用する際、Adobe RGBの画像がほぼ正しい色で再現できるという。ソフトウェアキャリブレーションによる利用も想定しており、エックスライトの「ColorMunki Photo」が推奨センサーとされている。

※記事初出時、1600×900ドット表示の液晶ディスプレイの仕様に一部誤りがありました。おわびして訂正させていただきます(PC USER編集部/2010年2月18日16時)

13.1型ワイド液晶ディスプレイは、1600×900ドット表示が標準になった
直販モデルでは1920×1080ドット表示、フルHDの高解像度に対応する
液晶ディスプレイの角度は150度程度まで開くため、ヒザの上などでの作業で画面が見にくくなることはない

 1600×900ドットと1920×1080ドットの液晶ディスプレイを見比べてみると、輝度は1600×900ドットの液晶が少し高く、発色は1920×1080ドットの液晶が広色域で優れていた。いずれも十分な明るさとコントラストがあり、フルHDパネルのほうは8ビット表示なので階調性もなかなかのものだ。「VAIOの設定」から、標準、テレビ、DVD/BDと用途に適した画質モード(色モード)を選べるのも気が利いている。

 視野角もモバイルノートPC用のTNパネルにしては広いが、色域も広いぶん、視野角による色度変位が少し気になる。フォトレタッチなどの作業では、チルト角度を調整して画面を正面から見るようにしたい。

照度センサーの調整は「VAIOの設定」で行える
フルHD液晶搭載の直販モデルでWindows 7の「色の管理」を確認すると、ディスプレイに専用のICCプロファイルが関連付けされていた
「VAIOの設定」では、用途別の画質モード(色モード)も設定できる

 なお、前モデルの液晶ディスプレイと比較すると、表面仕上げの違いに気付く。前モデルはハーフグレアの表面処理で、照明を直接当てても光がかなり拡散されて形がはっきり映り込むことはなかったが、新モデルでは照明の形がうっすらと分かる程度に映り込む。アンチグレア処理と低反射コートが施されているが、通常のノングレアパネルとは異なり、少し映り込みがある点は覚えておきたい。

 13.1型ワイド液晶ディスプレイで1920×1080ドットの高解像度に対応したことで、表示の細かさ(ドットピッチの狭さ)も気になるところだが、1920×1080ドットの液晶を選んだ場合、Windows 7のフォントサイズが「中−125%」(通常は「小−100%」)に設定された状態で出荷されるため、デスクトップ上の文字サイズなどは1600×900ドット表示とほとんど変わらない。Windows 7はフォントの処理が改善されているので、フォントサイズを変えても表示は滑らかだ。

 ただし、この状態ではソフトによってメニューバーが2行になったり、表示されない項目が出てくるなどの問題があるので注意したい。また、せっかくのフルHD解像度を最大限に使えないことになるので、細かい表示でも構わなければ、フォントサイズを「小−100%」に変更するのもいいだろう。

 なお、キーボードの上には「ウィンドウ整列ボタン」が設けられており、ワンタッチで開いているウィンドウを横並びに整列できる。高解像度を生かして、複数のWebページを同時に閲覧したい場合などに重宝する。

フォントサイズ「中−125%」設定の1920×1080ドット表示。文字が大きく読みやすいが、この状態でWebブラウザを開くと、1600×900ドット表示よりも情報量がわずかに減ってしまう。画像編集などでは高解像度が生かせるが、テキスト表示ではもったいない気もする
フォントサイズ「小−100%」設定の1920×1080ドット表示。ドットピッチは0.151ミリと非常に狭いが、フルHD本来の高解像度が発揮され、表示される情報量がぐんと増えた

1600×900ドット表示の液晶ディスプレイで同じ画面を表示すると、このようになる。ドットピッチは0.181ミリと狭いが、これくらいの細かさなら常用できるユーザーも多いだろう
前モデルの1366×768ドット表示の液晶ディスプレイでは2画面並べてのWebブラウズが少し厳しくなる。ただし、ドットピッチは0.212ミリまで広がり、文字やアイコンは大きく表示される


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