会場には子供連れの家族も多く、新しい層に自作PCをアピールするというイベントの狙い通りの結果になっている様子だった。セッションステージでも、ライターの清水理史氏と女子自作パソコン部の彩月貴央さんによる「Windows 7パソコン自作入門講座」が立ち見客を生んでいた。
また、地下1階で行われた、小中学生対象の「親子パソコン組み立て教室」や、女性やカップルも対象にした「デコレーションパソコン教室」も、応募多数でどちらも大きな反響があったという。組み立て教室終了後、スタッフに感想を求めると「正直、こんなに人気があるとは思いませんでした。すごく企画したかいがありました」と充実感いっぱいの回答が返ってきた。
ただし、MSIの石岡氏は、組み立て教室のニーズが高まっていることに年明けから気づいていた。同社は今年2月から10回にわたり、パソコン組み立て教室を実施しており、初回から満員御礼を続けている。
同氏は「最初は人が集まるわけないと周囲に言われていたんですが、フタを開けてみて、すごく需要があることに気づきました。今では予約受付を開始したら、5分で満員になってしまうくらいなんですよ。しかも、その7〜8割の人が自作未経験なんです。自作黎明期のころの『とにかく安くマシンを作ろう』ではなく、『より自分好みのマシンを作ってみたい』という方向で、新しい広がりが生まれていると感じています」と振り返る。
同様の感触はセッションに登壇したインテルの天野氏も感じているようだった。「己の道を究めるために自作するという人だけでなく、例えば学研さんの『大人の科学』みたいな感じで、組み立てる楽しさを味わいたいって考える人もたくさんいるんですよね。今日自作体験したお子様たちも含めて、そういう楽しさに興味を持ってくれる人が増えているのは感じます。これはすごくいいことです」と語る。
そうした感触を裏付けるように、いくつかのPCパーツショップで興味深いコメントを聞いた。T-ZONE.PC DIY SHOPは「反響の大きな自作イベントがあると、そこからお客さんが来られるというのは毎回感じますね。今日もたくさん来られていますが、ちょっと特殊なのが『初めて自作するんだけど、一式でいいのない?』と聞かれる率が高いんですよ」という。
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