Sonyは、「VAIO Duo 11」「VAIO Tap 20」をWindows 8対応PC新製品として発表し、ブースでも、PCコーナーの主役として展示していた。VAIO Duo 11は、クラムシェルタイプのノートPCとスレートタイプのタブレットPCとの変形が可能なコンバーチブルPCで、シンプルで使いやすい変形機構に多くの来場者が注目した。携帯利用を重視した薄型のUltrabookでありながら、映像出力インタフェースを備えるなど、ビジネスの現場における使いやすさを考慮していることも来場者は評価している。
VAIO Tap 20は、背面のスタンドを立てると通常の液晶一体型PCのように使えるが、スタンドを倒してディスプレイを水平にすると、テーブルのようになる。この状態で、複数のユーザーが同時に画面を見たり、タッチ操作で多人数プレイゲームを同時に遊んだりできる。また、バッテリーを本体に内蔵しているため、電源ケーブルなしで好きな場所に移動して使うことも可能だ。
東芝ブースでもWindows 8対応PC製品を多数展示していた。COMPUTEX TAIPEI 2012でも紹介した21:9の画面比率を持つシネマスクリーンノートPCのほか、SonyのVAIO Duo 11と同様に、ディスプレイをスライドしてスレートタイプのタブレットPCへ変形できるコンバーチブルPCなど、ユニークな製品を用意している。このコンバーチブルPC「Satellite U920t」で採用する変形機構は、VAIO Duo 11と異なり、ディスプレイを水平に倒してから手前へスライドしてスレートタイプに変形する。東芝は、この変形機構の搭載でコストアップする問題はあるものの、ユーザーの使い勝手を向上させるために必要なものと説明している。
なお、東芝は2012年6月にWindows RT対応デバイスを公開しているが、このデバイスの開発をキャンセルしたことをIFA 2012で正式に発表した。その理由は、部材調達が間に合わず、商戦期に必要な数量を確保できないゆえの経営判断だという。調達が間に合わなかった部品ついて明言していないが、複数の情報を合わせるとTexas Instruments(TI)が提供予定だったOMAP SoCが原因とみられる。
Windows RTデバイスでは1つのプロセッサを数社(2〜3社程度)が共同で開発を進めているといわれている。NVIDIAのTegra 3は、ASUSとMicrosoft(Surface)、QualcommのSnapdragonは、SamsungとDellで採用することが判明している。唯一、TIのOMAPを採用する東芝のWindows RT対応デバイスだけが、当面登場しないことになった。なお、東芝は、Windows RTビジネスへの参入については「時期を見て判断していく」とだけ述べている。
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